相応しい大きさで受け取る力
先週はスクール生(高学年)の子の個人レッスンもあったのですが、なんか本当にいい感じで成長を続けていて、驚いちゃうというか、感心してしまうというか。
スクールで、その子は結構ドキドキするようなことをいつも頑張ってやっています。「ちょっときついけど、やってみる」という感じです。体力面というより、気持ちの部分で。
例えば、「これ、聞いたら怒られるかな?」ということとかあるじゃないですか。話の聞き方とかを注意する必要があることもあるので。私、注意しますし。
(見ていないとわからない見本を見ていなかった時とか。何度か注意を促しても見ないでいて、やる時にわからなくて困った時には、それまでの経緯と様子を考えた上で、必要な言い方をします。)
この子は、普段、冗談を言ってくることもあるし、リラックスして関わってきますが、「今はピリッと頑張らなきゃ」という時はそれを理解するのです。
先週も、この子が注意される要素はなかったのですが、雰囲気を作った後で、みんなが練習している中、私に質問するのはちょっと勇気のいることだったようで。
それでも聞いてきました。表情には緊張感が。他の場面でも、年上の子が勇気を出せずにいる時に勇気を出して自分から動いたり。
こんなこの子は、少し前の練習で、ちょっと厳しめに声をかけた時、その時はうまく力を出せず、でした。でもこうしたことがあった時に、この子はちょうどいい大きさで悔しがることができるんですよね。こちらには言わないけど、やれなかたった、その気持ちを持ち帰るんです。
そして、「次は」「今度は」って思うんです。だから、次が違う。
顔に少し強さを帯びるというか。優しい顔で来るんですけどね、ちょっと顔がコーティングされてるような(イメージですよ)。
こんなことを繰り返して、少しずつでも、確実に成長しているんです。
そして、先日の個人レッスンでは…
まず、この子が苦手だったり嫌いだったりすることを取り上げました。ちゃんと理由はあります。
その次の練習でも、この子がまだうまくできないことをやりました。この子の場合、その日にグーンと伸びることはないかもしれないことです。(それは力がないからではなく、悪いことでもありません。)
でも、この子は「やりたい!」と言って取り組んでいました。
予想通り、それに関しては、わかりやすい部分では本当に少しずつの伸び。
それでも、苦しみながらずっと取り組んでいました。
そして終盤。様子を見てアドバイスしようとすると、
「何も言わないで」と。怒っているとかではなくて。
「もう少しでできそう!」だから。
それでも、その後もすぐにはできず。
でも、「もう少しでできそう」「今ならできそう」を自分で感じているので、ずっとやっていました。
確かにその時、(すぐにクリアできなくても)そこまで来ていたと思います。
こういう「今、できるかも」「もう少しでできそう!」を感じること、感じられることは、とても大切だと思います。
そこまでの過程で、その子が自分で感じられる達成感を得ていたからこそたどりつく状態。その達成感は、適当な頑張りではなくて、その子にとってはかなり頑張っていたからこそ受け取れたもので。
ボールを取りに言って、フーッと息を吐き、すぐに始める。ボールを持って、ツバを飲み込んだらすぐに始める。(こんな時は声をかけることができません。)
止まりそうになる。でも、やっぱりすぐに走る。やろうとして、できるようになろうとして、こうしたことをひたすら繰り返し、少しずつ記録が伸びたり、ずっと伸びなかったり、やっと伸びたり。一生懸命。
見ていると、そっと見なくてはならないと思いながらも、つい気持ちが入ってしまう。
「あっ!」とか、つい大きな声を出してしまう。隣で見ていたお父さんもそう。二人で交互に、「あっ!」って言ってしまったり、言うのを抑えることができたり、やっぱり言っちゃったりでした。
出さないようにしていても、ついこちらが声を出してしまうような、そんな頑張り具合。
よく頑張っていたなぁ・・・つくづく。
本当に、こういう思いや経験をたくさんの子にしてほしいと思います。
ソラに来ている子はたくさんしているのだろうと思いますが、本当にしてほしいと思います。
何かを上手にやっているように見える子の中には、ほんの少しのことを得るために、とんでもない努力をしている子がいること、上手にやっているように見える子たちの、きっと多くの子は、そうやって頑張って少し上達することを経験していること。
そして、その少しを喜べる、達成感を得る。
しかも、それでもなかなか上達しないこともある。上手になれないこともある。ちょっとしか上達しないこともある。
でも、いいじゃないかって思います。見た目上は「ちょっと」にしか見えない成長をバカにする人もいるかもしれないけど、少なくとも、自分がバカにする側にはならないだろうから。(自分で、自分の力を信じて、「こんなんじゃまだダメだ」と思うのは悪くないと思いますけどね。)
それに、そこまで頑張らないで「あいつは上手だから(簡単に)できるんだよ」と言っているようでは到底たどりつけない「ちょっと」なので。努力してたどりつけるところ。他の「ちょっと」とは価値が違う。
その子、本当にほわわんとしているんですけど、しっかり強さをつけています。
その日のレッスン、その子はめちゃくちゃ長い時間、それに取り組んでいました。
とてもいい、子どもの一日だったなと思います。
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ソラの子って、こういう感じの子、結構いますね。
一見「ほわわん」なんだけど、かなり頑張れる子。顔を真っ赤にして、苦手なことに取り組んだり、あえて挑戦する子。多いですよね。
等身大の挑戦、へこみ、喜び、成長。
たくさん繰り返すことができますように。
◆サッカースクールのソラ 千葉市で開催中(四街道市などからも子どもが通っています♪)
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※ここ数年、時間的に難しいため、レポートは更新していません。プチレポートのような形でちょっとだけ報告することがありますが、どんなレッスンなのか、ご感想などをよく確認したい場合は、数年前のレポートをご覧頂けるとおわかりになると思います。
=スクール責任者指導歴=
◆プロコーチ歴20年以上。
1997年 クーバー・コーチングサッカースクール浦和校 サブマスター
1998年 クーバー・コーチングサッカースクールあざみ野校スクールマスター
1999年 クーバー・コーチングサッカースクール相模原校スクールマスター
2000年 クーバー・コーチングサッカースクール世田谷校スクールマスター
1997〜2002年 クーバー・コーチングジャパン 指導者講習会担当スタッフ
2002年 高木琢也主宰サッカースクール責任者
2003年 サッカースクールa 千葉北スカイランド校スクール責任者
2005年 サッカースクール「ソラ」を立ち上げ(現在に至る)
*Jリーグ所属のチームからお話を頂きましたがソラでずっとコーチをしています。