中3の「やったー!」
この前のU-15クラスのゲーム。
中3の子が豊田コーチへパス。でも、少しミスし、「あー、ごめん」と言って、「失敗しちゃったよ~、もう」を表すピョンピョン飛び。
でも、そのピョンピョン飛び中に豊田が走り、ボールに追いつきました。
「ミスッた」と思ったパスを取ってもらった時に、その中3の子は、「やったー!」。
すごく嬉しそうでした。
メダルなどない、賞状もない、順位もない、ただのその時のメンバーでのゲーム。
でも、本気のプレーにはこういう喜びがあるんです。
一つ一つのプレーに心の躍動、体の躍動があるんです。
こういうものを、たくさん感じてほしいと思っています。
この「やったー」を感じられるぐらい、ゲームに入りこんでいるのは、さすが中3です。声に出しちゃうところは、この子の素直さが出ちゃっていてまだかわいいですが、この子なりに、真剣にサッカーを追いかけていることが本当によくわかります。
小学生の子には、こういうプレーの楽しさばかりを追求するのは少し早いと思いますが。
それぞれの段階で、まずは好きな気持ちを強くできる体験をできたらいいんです。
そこには、メダルなんてなくていいんです。
あってもいいかもしれないけれど、必要以上に意識される必要はないんです。
そこがメインになると、本来の「プレーする」楽しさを吸収しにくくなることがたくさんあるんです。
ゲームをしていても、「どうせメダルとかないんでしょ」と言うようになってしまったり、ボールに触らなくても別にいいと感じるようになってしまったり。さらに、がんばっていた相手チームのことを(そっちの方がいいプレーを実際にはしていても)順位だけで馬鹿にするようになってしまったり。
プレーすることの楽しさをわかっていれば、相手にボールを取られたら、「よくも取ったな!」とすぐに追いかけたくなるはずなのですが、追いかけられないことも出てくるんですよ。追いかけないで、自分は攻撃のポジションで待っている、取るのは他の人の仕事、という感じになってしまうこともあるんですよ。勝ちを強く意識すると、チームとしてそういう戦い方をすることもあるようで、それで取ったメダル・順位が評価されすぎると、いつの間にか、ボールを触れなくてもガマンできるようになる・・・。
それでは本末転倒なのですが。
だって、チームに入っていない、サッカーを本当に遊びでしかやっていない幼稚園ぐらいの子が、少しずつサッカーを好きになると、相手にボールを取られたら怒るようになるんですもん。味方が自分のボールを触っただけでも怒るんですもん。怒って、ボールを追いかける。元は、そこからスタートする楽しさですよ。ボールを触る、プレーする楽しさから。
それなのに、「頑張ってメダルを」の、メダル・賞状に目的が移ると、プレーする楽しさを得なくても進んで行くようになることがあるんですよね。もったいないというか、不自然と言うか。
子供がそれを目指すのは、あたり前のことで、悪いことではありませんけどね、好きなら勝ちたいという気持ちも強くなるだろうし。
ただ、実際に、順位とかメダルがいつも目の前にあるようなサッカーとは無縁の子が、年代を追うにつれ動きがよくなる一方で、メダル・順位優先のサッカーをしている子は動きが少なくなることが多いんですよね。
メダル・順位・・・モチベーションにしてもいいでしょうが、子供が自然に感じる範囲を超えて先に意識づけしてしまうと、「プレー」の楽しさを感じる機会が減っていくこともあると覚えておきたいですね。
それから、普段、長時間練習をしているチームの小学生の子にたまに見られることですが、動きの質を改善した方がいいというケースがあります。改善しないと、今、身につくべきものが身につかないこともあるので。
・・・メダルの前に大事なことが、本当にたくさんあるわけです。
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