« 2006年12月 | トップページ | 2007年3月 »

2007年1月

通信51おまけ 「こどもの一言から」

■「おかあさんが今日来るよ」
U-12クラスの子が、私にこう言ったんです。普段、「こらぁ、もっとちゃんとやらんかい」と注意をすることや、「んっ、コイツなりにちゃんとやっているようだから(怒らず)見ておこう」と言葉を飲み込むことも多い、実に大人にはわかりにくい子供ラインを行っている子です。(→→子供の理想だとも思います。大人には簡単にわからない。)
この子が、さっきのようなことを言い、さらに「お母さんに何か話してよ」とまで。
あることないことじゃんじゃん言うこの私に(←冗談ですよ~)「話せ」と促すとは。
どう思います? みなさん。 自分で、「自分がちゃんと練習をしていない」と思うのに「親に何か話して」って言いますか?  もちろん、そういうサインを送ることもあるかもしれませんが、今回は、自然に捉えて良さそうです。つまり、やっぱりその子はその子なりに、ちゃんと練習に取り組んでいたんですね。実際、きちんとゲームの中などで成長を示していたので、みんなの前で褒めたこともありますが。(→→このヤロー、普段は生意気なのに、かわいいんだから。)
・・・本当に、自分の取り組める範囲(の中の高い集中状態)で取り組んでいるのか、子供らしく楽しんで練習しているのか、それともただふざけてしまっているのか・・・そんな様子を見て自分なりにアプローチしてきましたが、無理をさせていないか、気になっていたので、こんな言葉を聞けて、この子が頑張っていることがわかったことが嬉しかったのと同時に、この子の今の伸びる段階や、一生懸命の時の表情をよりつかむことができ、良かったと思いました。

■「長い距離、ドリブルができたよ」「左足でシュートしたよ」
U-9クラスの子です。
雨で練習が中止になった時に、一緒にゲームをした時の子供の感想(というか会話の中の一言)を後でお母さんから聞くことができました。
「長い距離ドリブルができた」ということを言っていたようです。確かに長い距離ドリブルしていました。直線的でしたが、ほぼ全速力の状態ですね。最後は左足でシュートを打っていたのですが、この時は、彼にとってはごく普通のプレーかと思っていました。最近、力もつけてきているし、これぐらいは自分では何とも思わない(段階まで来ている)だろうと思っていました。だから、その時は特にそのプレーには触れなかったのですが、後で話を聞いたら、先ほどのような一言があったようです。しかも、次に私にあった時には「この前、長い距離ドリブルして左足でシュート打てたのに」と言ってきました。この子にとっては、あのプレーがそこまで頭に残るプレーだったのですね。私的には、もう一つ上の段階の要求を考えているところでしたが、(実際に一つ上の段階の要求でも、この子はそれにチャレンジして、達成感を得ているとも思っていたのですが)その段階のことを注意したり褒めたりするよりも、まだこの段階を十分に味わう方が良かったのでしょうね。
これからグングン伸びる時期なので、「今、すごく上の段階・環境にいる」ことよりも、「今、吸収できる段階・環境にいる」ことの方が重要です。そのためには、高すぎる要求でも、低すぎる要求でもなく、伸ばせる要求をすることが必要です。さりげない一言ですが、「こんなことを言っていた」ということを聞けたお陰で、また、子供が「こんなことがあった」と等身大で興味を持った話をしてくれたことで、この子のプレーをより適当な基準から見る、より適当な段階を注意してみることができるようになったのでした。

■「でも、はじめの頃からは(比べたら)増えてるよ」
これまた子供なりに挑戦していたことがわかる発言なのです。
スクールの練習は2人組などで行うものがあります。コーチがペアを決める場合と子供たちでペアを決めさせる場合があります。また、子供たちがペアを決める場合でも「違う学年同士で2人組」や「違うチーム(学校)の人と2人組」などと条件をつける場合もあります。色々なことを考えて、こちらで決めたり、条件付きで子供に任せたり、全てを子供たちに任せることもあります。
ただ、子供によっては、色んな子と友達になってほしい場合や、普段は一緒に練習をしない子と練習をしてほしいこともあります。(→→これも目的は色々あるのですが。)
・・・この前、2人組の練習などの際に組む相手にちょっと偏りの出てきた子に、「○○君とは組んじゃダメ」という条件を出しました。理由は単純に「色んな子と練習をしてほしい」「色んな子とコミュニケーションをとれるようになってほしい」からです。ゲームでのプレーや練習の様子から、今はこの子にはこういった事が必要だと判断しました。そして翌週、この子に「この前、コーチが言ったこと、覚えてる?」と聞くと、「覚えてるよ。でも入った頃より、これでも(新しい友達の数)増えたんだよ」と言いました。怒って言い返しているのでも、困って訴えているのでもなく、とても自然にこう答えました。それを聞いて、色んな友達とのコミュニケーション作りについては、「こいつもこいつなりに努力してたんだ・・・」と分ったのでした。普段の行動からだけでは、そこまで意識していることはわからなかったのですが、本人がしっかりと「増えた」と認識できるくらいまでには、ちゃんと意識して、違うチームの子の名前や違う学校の子の名前を呼んだり、2人組の練習などもしていたのですね。
・・・・・・・この話には続きがありますが、それはまた機会があったらお話しします。

■「どうやったらボール飛ぶの? (強くけれるの?)」
2年生の子が私に質問をしてきました。まだボールは強く蹴れなくていいのですが、その子はチームにも入っていますし、周囲に強く蹴れる子もいるのか、心配なようです。
その子はドリブルで色んなワザに挑戦し、テクニックを身につけてきているので、「今はドリブルが上手になる方がいい」ということを伝え、まだ不安そうだったので、(ゲームを頑張ってやっていれば、ボールを蹴る時に自然に踏み込む感覚が身についていくので)「ゲームを今のように頑張るように」話しました。(→→スクールでは細かいボールタッチもやっていますので、蹴る時に必要なコントロールを養う要素、正確にボールを捉える感覚はどんどん身についていきます。)
本当は今の段階ではこの子の今のプレーで十分なのです。うっかり強く蹴れるようになってしまうことの方が心配です。年齢が低いうちは、強く蹴れることであらゆるピンチを脱出できたり、攻撃の時に活躍もできたりします。すると、ますます力あるキックに頼り、本来なら今の段階で身につけるべき必要な技術が伸びなくなってしまいます。そして、年齢が上がり、みんなが自然に強くボールを蹴れるようになった時には、それまでの武器だった「強いキック」だけでは、それまでのように活躍できなくなるようなケースも出てきます。頑張っていたのにそうなってしまうとイヤなので、そんな強力キックを教えるようなことはしないのです。ただ、子供が強いキックに憧れるのは自然ですから、そんな時は周囲の人がちゃんと話してあげることも必要だと思います。今回は、お母さんも、今の年代に大切なことを理解されているので、無理に(後で伸びるところを)伸ばすようなことはせず、今のプレーを認めてくれているので、子供にとっても本当に良かったと思います。

|

通信51おまけ 「雨降って・・・」

■U-12クラスの“雨降って”・・・①
もうだいぶ前になりますが、通信No.49のおまけコーナー(「コミュニケーション」という題)で、ある2人の子のことをお話しました。
※ある子が、ゲーム時の味方の子のプレーに関して感じていたことを、練習後に相手に伝えた時の話を紹介しました。
あの後、(色々考えながらやっていたので)この2人が強く接点を持たなければならないようなチーム分けにするのには、実は少し時間を置いていたんです。中途半端な時期・タイミングでは、あの時に得た気持ちが、2人にとってマイナスに作用する可能性があるからです。
そして、2人の様子を見て、もう時期的にもいいだろうということで同じチームにしたのですが・・・、本当~に、お互いが「自然に」よく絡み合う、絡み合う。
「意識して」っていう感じではなく、あまりにも自然に絡み合っているので、本当に驚きました。(→→おそるべき子供の吸収力、回復力ですね。)
U-12クラスの12月のテーマは“コンビネーション・プレー”。
自分と仲間との2人で、相手を突破して行くことをテーマに練習していました。
今まで1人で突破していたものを2人で突破する・・・「人数が増えるんだから簡単」と思えるんですが、これが実は全く反対。逆に難しいんです。
パートナーが何を考えているかなんて、なかなかわからない。こっちが考えていることをわかっているのかも、わからない。お互いに伝え合わなくては成立しない。
しかも、ゲーム中に(一回に)ボールを持てるのは数秒。その間に、お互いに意思疎通を図る・・・難しいのは当然ですよね。でも、これができるようになれば、1人の時の何倍もの力になるんです。ただ、中途半端にしか意思疎通ができなければ、逆に1人の時よりも力は下がるんです。
もちろん、ゲームでは「練習したことに挑戦しよう」ということを子供たちに言うので、挑戦しようとします。が、本当に難しいことなので、成功することはもちろん、挑戦することさえ、なかなかタイミングがつかめなかったりして大変なんです。さらに、お互いに数回うまくいかなければ、プレーが消極的になることも考えられます。
・・・そんなことがテーマだった12月。このテーマの時に、何度も何度もコンビプレーを試みることができた、成功させていたのが、先ほど挙げた2人なんです。(→→もちろん、他の子もすごかったです!)
コンビネーション・プレーの、真のポイントは、相手の存在が自分の心・頭の中にあるかどうか、自分の存在が相手の心・頭の中にあるかどうか、です。
・・・あの時、伝え合い、心に何か残ったから、次からの練習で以前よりも相手の存在感がそれぞれの中で大きくなって、いつの間にか、自然に心・頭の中に存在するようになったのだと思います。
まさに「雨降って地固まる」ですね。
(1月は、12月の内容をさらにちょっと応用する形で練習していますが、みんなすごくいいプレーを見せてくれています。)

■U-9クラスの“雨降って”・・・
プレーのタイプも性格も全然違う2人が仲良くなりました。-が、その前にはやっぱりお互いに気持ちの食い違いがあり・・・で、その後、仲良くなったのでした。そして、ちょっと前にはシューズが色違いだったことで盛り上がっていたりしたんですが・・・これだけでは終わらず、この2人が2学期の最後の練習で、またちょっと見せてくれました。
1人がドリブルでガンガン行くと、それを見たもう1人が「1人で行くなよ」と。
「行くなよ」と言った子は、そう言うだけあって、(以前はその子ならドリブルをしていたような場面でも)パスを出していたので、その要求もわかります。―が、言われた子はただ積極的にプレーしていただけなので悪気はなく、言われてちょっとだけいやな気持ちになったようです。
しかしその後、「行くなよ」と言った子も、自分がボールを持った時にパスするタイミングがつかめずにドリブルをすることもあり、もう一人の子の気持ちがわかったようでした。また、その子は、その後、大切な場面でもう1人の子へ何とかパスをつなごうとする場面があり、相手の子も、「ただ文句を言われたのではない」ということがわかったことでしょう。
前にもこの2人が同じような感じになったことがありますが、その後、一度仲良くなり、さらにその後の「今回」なので、以前よりも2人の関係に深さが加わったことだと思います。
雨降って地固まる。降って、固まって、また降って、また固まって・・・。何度も何度も繰り返して、関係がより強くなっていくのでしょうね。成長は終わらず!  

■U-12クラスの“雨降って”・・・②
ある日のゲーム。
もう終了時間を過ぎました。そこで、「ボールが出たら終わり」と子供たちに告げると・・・。
ゴールキックを蹴る子がロングパス。そして得点が決まり、練習終了。
最後のプレーが、ゴールキックからの一発ロングパス。しかも、そのボールを受けた子は、いたずらっ子らしく、わざとすぐにはシュートせず、じらしてシュート。
・・・終わった後、みんなでコートの出口に向かって歩いていると、不満気な子が一人。
この子はゲーム中、かなりワザやコンビプレーにこだわっていました。だから、こんな簡単なプレーで終わり、しかも失点で終わり、納得いかなかったのでしょう。
表情を見ても、「あのプレーで終わったこと」「終わりにしたこと」に腹がたっているようで、
練習後も不満顔のまま、すぐに帰りました。気持ちはすごくわかりますし、私が同じ立場でも、同じように帰ったことでしょう。でも、こんな日があってもいいと思います。
悔しい気持ちいっぱいで帰る。コーチにだって不満な顔をして帰る。気持ちをぶつけて帰る。いいじゃないですか。一生懸命やっていれば、こういう気持ちになることだってあるでしょう。
私が(大人の意見として)その子に「こんな日があってもいいと思う」と言うと、その子は「ない方がいい」と言っていましたが。(→→当たり前ですよね。今はまだわからなくていいんです。)
さて、この子はもうすぐ6年生。U-12クラスの最高学年になります。
このぐらいの気持ちでやるから、ものすごく充実した時間になって、より強く、より上手になっていくのだと思います。
悔しさもひっくるめて、サッカーの本当の楽しさを、自分でどんどん見つけていくことができるのだと思います。最高学年となる、これからの成長が楽しみです。

|

« 2006年12月 | トップページ | 2007年3月 »