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2005年7月

いよいよです、サマースクール

もうすぐです。
8月2日からサマースクールが始まります。
まだ会ったことのない子が来るので、ものすごく楽しみです。
(もちろん、スクールの子に会うのもすごく楽しみですよ!)
それにしても来週は、
2日(火):サマースクール火曜日コース開始
3日(水):かつての教え子の試合観戦
4日(木):サマースクール木曜日コース開始
 ーと、とても楽しみな3日間なのです。
あぁ、待ち遠しい...。
良い天気に恵まれますように!  

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通信No.25おまけ「ビブスは?」

スクールではミニゲームの時にほとんどビブス(ゼッケン)を使いません。が、決してケチっているわけではありません―確かに使用したまま放っておくと子供達の素晴らしき“あせ”が見事なまでの成長を遂げ“くさっ!”に変化しますので、使ったらこまめに洗濯しなくてはなりませんが、洗濯の手間などを惜しんでいるのではありません。(→そんなビブスを子供達に渡すとみんなかなりエキサイトして臭いをかぎます。そして「くせー!」と叫びますー達成感のみなぎった顔で...。何なんでしょう、あの顔は。)
話を戻します。(→汚い表現が多くてすみません - お食事中の方、特にすみません。)
さて、なぜビブスをつけないのか・・・それは、やはり子供達がすごいからなのです。(→やっぱりこの答えか!)
今からもう6~7年前でしょうか、あるサッカーイベントの1コーナーに“参加希望者で4対4をやる”というものがありました。もちろんチーム分けなどはスタッフが行うのですが、まず参加希望者を募り、一列に並ばせ、前から順に4人ずつ区切りチームを作り、2チームずつ対戦をさせる,1試合数分でゲームをどんどん行っていくという形でした。(→わかりづらくてもここは重要ではないのでガマンして下さい。)その時、なんと、チーム分けの際に使用するはずのビブスが“ない!”という事態が起きました。(→単に担当者が忘れただけです。)でもゲームは行わなくてはなりません。子供達は並んで待っているのですから。初めて会った子達でチームは作られています。しかも、学年が違い、サッカー経験も様々。服装などはさらにバラバラ。もちろん名前など知らない者同士です。試合はどんどん進行して行くので試合前に名前などを覚えておく時間はありません。しかも自分の番の試合が終わるともう一度列に並び、また順番がくると4人チームを作ってすぐ試合に出て行きます。もう一度列に並ぶ子がいたり、いなかったりで、毎回少しずつメンバーが変わっていきます。毎回違う子とチームを作って試合を行うことになります。それをゼッケン(=同じチームだとわかる目印)なしで行っているのでした。
私は、この状況で子供達がどんなプレーをするのか、興味津々でした。(→臭きビブスの臭いを嗅ぐときの子供達と同じ状況です。)
初めて会ったばかりの子で結成する即席チーム。しかもビブスなし。さて、どんなプレーだったのでしょう...。
―(試合をする子が)まずわかっていることーそれは、自分の攻める方向と守るゴール。
みんなボールが自分のところにくると、まずは唯一自分のわかっていることー自分の攻める方向にボールを蹴るーをします。蹴ったあとは、そのボールを拾うのが相手チームなのか自分のチームなのか、運任せ。しかし運任せだけではうまく行きません。たまたま自分のチームの子がボールを拾った時にはシュートにつながりますが、相手チームの子がボールを拾うことも多く、シュートまで行かない方が多いのです。
―すると、これじゃ駄目だということで(たぶん)、ボールが来ると自分でドリブルをしてゴール方向に持ち込もうとするプレーが多くなりました。自分一人でゴールまで持っていければ話は早いです。もちろんパスをできれば簡単なのでしょうが、周囲の顔を見ても味方か相手かわからないので、とりあえずドリブルするのです。そして、ドリブルからのプレーが格好よく決まることがちょっと出始めます。
-しかし、ボールを持った選手に対しては、その攻める方向を見て、「こいつは相手チームだ。邪魔をしなくては」ということで、守る選手がボールを奪いに行きます。ドリブルをすればするほど、周囲の選手がその選手のことを認識してきますから、ボールを奪いに行く選手が増えてきます。やがて、ドリブル突破が難しくなり、一人で持ち込むのにも限界が出てきました。
そんなプレーを続けていくうちに、おや、パスが出始めました。
ドリブルをする選手を見て、その攻撃方向から味方だと判断した子が、一緒に動き出したのです。
コート内の子の、「あいつは味方だ」「こいつは相手だ」という認識が深くなり始めたのです。
前に書いた通り、味方の顔や名前を試合前には覚えていません。実際、パスをする時も名前を呼んでなどはいません。自分がボールを持った時に誰が奪いに来るのか、他の子がボールをどっちに蹴ろうとしているのか、そんなことを見ながら、自然に味方と相手を認識できるようになっていたのです。数分の中で。
いくらなんでもそれは難しいはず、でも、なぜそんなことが可能になったのでしょうか。
それは、ボールの状況によって、ボールのそばにいる者、離れた所にいる者が、その時に自分にできること、それをしていたからです。自分の守る方向に戻り守ろうとする、自分の攻撃する方に行って攻撃する(味方を援護する)...唯一自分のわかっていたこと、それを動きに表しただけです。
それをしたら、何ともすごい吸収力で、それらの状況の組合せから、味方・相手の認識ができるようになってしまったのです。そして、初めて会った子が行うゲームの中でドリブルやパス、様々なプレーが出るようになっていったのです。これを見ていて、まさにサッカーの、子供のサッカーの原点だなと思いました。

(今はないかもしれませんが)空き地で遊んでいて、誰かが来て、サッカーをやろうということになる。また仲間(といっても知らない子だったりする)が現れる。子供達で「お前はあっち」「お前はこっち」と分けていく。もちろん、服装なんてバラバラ。でも、ちゃんと2チームでサッカーをして、やってる時は無我夢中で、終わるとなんか楽しくて、満足。また会えるかわからないけど、「じゃあねー!」「バイバーイ!」で終わり。「あー楽しかった」そんな子供のサッカー。色んなことの詰まっている、子供のサッカーです。
・・・・・すみません、ちょっと遠い世界に行ってしまいましたー話をもどしましょう。

そう、この光景を見て、子供達はやっぱりすごいやと思ったのです。
サッカーでは、“判断の速さ”がよく問題となります。それを養うのは必要なことです。場合によっては、フェイントに無理やりチャレンジさせることは、そういった判断の速さを養うことを妨げるように言われますが、それは違うと私は思っています。(→ここでは詳しく述べませんが。)
また、ビブスをつけないでゲームを行っていると、瞬間的に相手・味方の認識ができないので、絶好のタイミングでパスを出す瞬間を逃すこともある、瞬間的な判断を養うことを妨げるというようなことをたまに聞くこともありますが、やはりこれも違うと思うのです。
なぜなら、子供達は、“瞬間”に目に入る状況を認識できるようになる力があるからです。
ボールの状況による自分以外の子の動きから、相手・味方を認識できるようになり、自分がそれに合わせて動くことができる。それを繰り返して、その動きがつながって、より判断が速く、深くなるのです。
ビブスなしでゲームをしていて、一見遅いと思われるプレー。実はその“遅い”の中には恐るべし“速さ”が入っているのです。だって、目印のない状態で、味方と相手を認識するのですから。それをプレーに表すまでには頭の中で様々な判断があるはずです。しかも、なかなか判断できないでボールをキープしている状態でも、そんなことを考えながらボールをキープしているのですから、大したものなのです。
目印のついていない選手の動き、その動き方から、「この動きは味方だ」と判断してパスをしたり、なかなかです。さらに自分がパスを出そうとした時に2人の選手が目に入った場合、「こっちが味方、あっちが相手」と判断して、その状況にあったパスを出す-やっぱりすごいです。
もちろん、味方だと思ったら相手だったり、相手だと思ったら味方で、思うようにプレーができないときもありますが、それはそれでおまけのような魅力を持ってます。それによって、さらにとっさの判断、動きも生まれます。(→スクール的には“オチ”も生まれます―こっちの方が嬉しかったりします。)
味方とプレーするには、“自分にできることをする”。それをしなければプレーに入れない、ボールに触れない状態になりますから、自分にできることをする、そんな大切な力をしっかりと養えます。もちろん、周囲の子を覚えようとする姿勢、その状況への適応力も養えます。
さらに、プレー面だけでなく、声を出して伝えること、動いて伝えることといった、「相手に伝える・相手の伝えることを感じる力」、本当に大切な力も養えるのです。それもゲームを楽しみながら。
子供達はとても自然にそんなことをこなし、成長しています。だから、ビブスをつけないことが多いのです。その中でプレーするだけで、様々な状況が生まれ、様々な判断力、基本的な力、色んな力が身につくのです。
もちろん、練習の残り時間や学年、人数、メンバーなど様々な要素の組合せによっては、ビブスをつけた方がそういった効果を生み出すこともありますから、ビブスをつけて行うこともありますが、ビブスをつけないでゲームを行う背景には、そんな考えがあったりします。(→あくまで、今、スクールに集まっている子を対象とした話です。チーム練習の事情とは異なりますのでご了承下さい。)

やっぱり子供はすごい。
だからこんなこともできるのです。

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通信No.24おまけ「このプレーあり?」

最近、子供達のチームでの活躍(というかドキドキ・ハラハラプレー!?)の様子をよく伺います。
いつも私がバタバタしているので(スミマセン)話しかけづらい事もあるかもしれませんが、子供達の日頃の様子を伺えることは本当に有難いことです。
子供達のチャレンジしている様子が目に浮かび嬉しく思うと同時に、子を思う皆さんの気持ちがひしひしと伝わってきます。
皆さん「子供に成長して欲しい」が願いですので、「こんな時はどうアドバイスすべきか」「子供がこういうプレーをするがどうだろうか」というご質問をよく受けます。
「そっとして見守るべきか、アドバイスすべきか」というご相談もよく受けますが、親御さんがこう思っている時点で子供達は幸せ者です。親やコーチのプライドでプレーさせていないからこそ、子供に言おうか、言うまいか、些細なことでも悩んだり、少し気になったりするのだと思います。
私にできるのはそれに対するアドバイスくらいですが(よく考えると、「すごいじゃないですか!」と感想を述べるだけの時も多かったような...スミマセン)、“ちょっと相談してみようかな”ということがありましたら、どんなことでもご相談ください。
私の口から出るアドバイスや返答は、私だけの考えで出てきたものではありません。これまでに一緒にプレーした子供達が私に伝えてくれたものでもあります。(→私だけの考えでは少し“?”かもしれませんが、子供がバックについてますよ~!  ご安心を)

―と、ここで少しだけ、同じようなことできっと悩んでいる方も多いと思いますので「こんな場面が良いものか」の例をご紹介します。
子供達はワザを練習しています。テクニックが身につくまでにはなかなか大変です。
さらに、試合やゲームでワザを使うのはかなり大変です。最初の頃は、習ったテクニックを例えミニゲームなどでも使うことはなかなかできません。それは、チャレンジできる状況になかなかならないからです。
自分のところにボールがちゃんと止まっていればチャレンジできるのに、ゲーム中はボールがなかなか止まらないし、相手の選手もどんどん近寄ってくるので、ボールを思うように扱うことが非常に難しく、チャレンジしたくてもできないことがよくあります。また、相手がボールを取りに来るのですから、ボールを守る・蹴ることに必死になるあまり、“練習したことにチャレンジする”など考える余裕も持てず、体が勝手にその時に自分のできることをやってしまうということもあります。
これが、少しボールをコントロールできるようになると、ちょっと様子が変わってきます。
ボールを持ちながら相手を見ることができるようになるので、どうしようか考える余裕が生まれます。その時の選択肢の一つに、「練習したことに挑戦してみよう」というものが入ってきます。すると、これまでは、その選択肢を持てなかったから“すぐにプレー”できていたものが、選択肢が増え、考えることで若干“プレーが遅くなる”ということが起きてきます。そのために以前はボールを取られることがなかったのにかえってボールを取られるようになってしまうということも起きてきますが、「挑戦してみよう」と思えることが重要です。“挑戦しようと考えるクセ”がつけば、しめたものです。(→中には「その挑戦だめ!」ということもあるかもしれませんが。)
始めのうちは、挑戦しようと思っても、挑戦する前にボールを奪われてしまったり、挑戦が失敗に終わることもあるでしょう。
しかし、挑戦できるということは、それまで余裕が生まれなかったボールコントロールが、考える余裕を持てるまで成長したことを表しています。さらに、自分でその状況を意識的に作り出していれば、ボールコントロールがより向上していることを表しています。(→行きたいところに行けたり、スピードを緩めたりという調整力がついている結果ですから。)つまり、一見、「前より下手になっちゃった?」と思えて実は“★1ランクアップ”なのです!  (バンザーイ!)ちなみに、一見プレーが遅くなったと思えても、ずっと遅い子はいません。繰り返しているうちに、考える時間や体を動かすのがよりスムーズになり、いずれは考える前に体が「勝手にテクニック」という(ちょっと怪しい)状態にもなるでしょう。
この「挑戦→成功」「挑戦→失敗→成功」を体験できれば、ますます難しいことにも挑戦できるようになります。
もちろん、また新しいことにチャレンジする時には、一時的に遅くなったと思えることも当然出てきますが、その時点で成長していることはきっとおわかり頂けると思います。
ちなみに、以前の通信でお伝えしたナショナルトレセンの子も、自分で、そういった状況に(無理やり)持ち込むことをよくしていました。ミニゲームの時など、ゴール前でボールを受けた時、すぐにシュートを打てば得点できるのに、わざわざ相手に向かって行きワザに挑戦するといったプレーをよくしていました。勿論、最初から成功で終わったわけでなく、何度も失敗しながら、それでも確実に自分の力を感じ、挑戦を繰り返していました。
このように、意識の成長と技術の成長は相乗効果をもたらす関係にあります。

スクールでは、そんな相乗効果を生み出せるよう、練習の計画を立てています。
また、これまでのお話でおわかりのように、まず挑戦する状況を整える力がなければ、挑戦できません。
挑戦する具体的なテーマを子供達に意識させるのは非常に大切なのですが、そこに絞ってばかりでは“挑戦する状態に持ち込む力”を養えず、挑戦できないままで終わるので、その力を養えるように、テーマ以外の部分を実は大切にしています。(→特に低学年では、目的意識が高学年程は高くないのが当たり前なので、そうしています。高学年では、目的意識もより高く、また状況を整える力がある程度あるので、テーマにより絞った形で練習をします。)
さらに、彼らが成長していく最後の頃に、より強い力をどっと発揮できるように土台を築かなくてはなりません。
土台が小さいと積み上げられるものも限界がありますし、無理に積み上げても肝心のところで崩れてしまうかもしれません。土台を築く - この作業は、一見進んでいるのか、非常にわかりづらい部分です。表に見えてこないものですので。ただ、この土台作りも大切なので、しっかりとしていきたいと思っています。
そんな訳で、すぐ、明らかに“超すごい”と思えるプレーは出にくいトレーニング計画を立てていますが、「必要なすごさ」「(実は本当にすごい)“真のすごさ”」はきちんと練習の成果として出るように練習を組んでいます。
最近のお話を伺っていますと、そんなすごさを子供達が発揮しているのがよくわかります。
素晴らしい!  (バンザーイ!)
挑戦するとアクションとリアクションの両方の行動が生まれます。これがすごいのですがこの点はまた改めて!  

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