いきなりの「“おめでとう”と言っておいて」
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子供たち全体に色々と注意をした後で、練習の見本をできる子を尋ねた時のこと。
勇気を出して手を挙げた子が数人いました。注意された後だし、緊張感のある中、普段よりもやりにくいはずで、「どうしよう・・・」という時間が流れた上で手を挙げた子たち。それぞれの子がすごいと思います。
みんなすごいのですが、その中に一人、サッカー経験の浅い子がいました。見本を上手にできるか、本人も不安だったようです。まだ技術を覚えだしたところ。手を挙げるのは勇気がいることだったと思います。「失敗してもいい?」と聞かれ、もちろん、「いい」と答えました。その時の空間上の色々な理由から「失敗したらダメ」と言うこともありますが、ソラでは、普通の場合は(私の子供に対する言葉には関係なく)失敗していいのです。
見本は重要です。だから、「大事なもの」が伝わればいいのです。それが見本の大きな役目。
ここで、「“失敗してもいいよ”と言われれば誰でもできるよ」とは思いませんよね。だって、周りには自分より上手な子がたくさんいるんですもん。普段の練習から、それを本人も理解しているはずです。そういう中で見本をすることはすごく勇気がいることです。しかも、注意された後の空気の中で。
手を挙げなかった子の中には、サッカーがとても上手な子もいたし、いつもはうるさいぐらいの子もいたし、いつも積極的に練習している子もいました。そういう子が手を挙げることができなかったことを悪いとは思いません。そういう子たちには、より成長していくために、逆にこういう部分も大切なのです。こうして、まだ上手でもなく、いつも積極的というわけでもなく、静かに練習している子でも、勇気があること、責任感があること、頑張れるということ・・・「すごいところがある」ということを、知ることができればいいのです。この子より優れた技術や積極性を持つ子も、サッカーの知識がある子も、こうした子の、このような勇気、行動を見ることができれば、そして、それを自分はできなかったと素直に思うことができれば、「こいつ、すごいじゃん」とか「がんばってるな」と思うことができるでしょう。サッカーの技術、経験、知識という面だけで比べることなく、多くの大事なものを吸収していけます。
こうした見本をこの子はやり、そして、周りの子はちゃんとそれを見ていました。
もう、ここには書ききれないくらい、この見本の子は頑張ったと思いますし、大きな役割を果たしてくれたと思います。もちろん、他に手を挙げて見本をしてくれた子も。
そして、手を挙げず、その見本を見ていた子たちも。勇気のない子のように映りますが、いいえ。
普段から、友達の色々な面を認める子がたくさんいます。ちょっと間違ったことをしたって声をかけてくれる子、上手になんてできなくたって当たり前のように一緒にプレーをする子、一回イヤなことを言ったって次の瞬間には嬉しいことを当たり前のように言ってくれる子、そういう子がたくさんいます。だから、こうして、「できないかもしれないけどやってみよう」と思えたということもあるのだと私は思います。普段から、この、手を挙げた子が、サッカーの練習を楽しそうにしている、難しそうな練習でもなんとか頑張ってやっている様子を見ていますが、それは、いつも接している周囲の子の力も大きく関係していると思います。
つまり、相乗効果です。
こうしたことが起きるので、ソラではみんながすごく伸びているんです。自分よりも技術の高い子と練習をした方が上手になるという一般的な考えや、厳しい環境の中で練習をする方が強くなるという一般的な考えがありますが、そんな一般常識を超える子供の常識を、ここでは子供が見せています。
こういうことを学ぶ子供たちのゲームは、本当にすごいゲームをしますよ。すごく伸びる動きを。
具体的には、動きのタイミングや声かけのタイミングが早くなったり、動きの速さ自体が上がったり、判断の幅が広がる・速くなるなど色々な面で判断力が上がったり。
但し、逆に、技術面や戦術面の向上ばかりが重視されるサッカーをすることが多くなると、こうした子供のサッカーの良さから多くのものを得る「吸収力」にブロックがかかることがあります。本人は気づかずに、プレーのイメージを狭めてしまうことがあります。とても残念なことなのですが、実際にこういうことは起こります。
同様に、精神面や気持ちの部分があまりにも子供たちから離れた範囲で強調されすぎる中でも、精神的な成長を生まないことがあります。精神的に強くなると思えるようなことでも真の強さにつながらないこと、厳しい練習や競争に耐える精神的な強さがあってもそれが真の精神的な強さにつながらないことなど。
私も精神的な部分、気持ちの面での強さの求め方には特に気をつけています。とても難しい部分ですから、求めるべき以上のことは求めないし、しかし、求めるべき範囲(理解すべき範囲)のことは強く求めます。
技術・戦術面の向上も、精神的な成長も、子供に合ったものでないものを求めると間違ったものやふさわしくないものを身につけます。求めるバランスが狂うと、(表面上はわかりにくいこともありますが)とても偏った成長になります。ここでは、そういうもったいない結果を生む技術・戦術面の向上、精神面での向上は起こさせないようにしたいと考えています。
そのかわり、多くのものを結果的に得る技術面・戦術面の成長をしっかりさせたいと思っていますし、精神的な面においても、技術・戦術の奥にある芯の部分を学べる成長をしっかりとさせたいと考えています。
この日の子供たちは、こうして、「子供」として関わり合いながら大きく成長していくということをよく表していたと思います。嬉しいことですね。
■嬉しいついでに・・・
よく、夏休みや冬休みなど、休みの期間しかここに来ることができない子がソラの練習に参加した後、練習をずっと見学されていた保護者の方が驚いて言ってくれることがあります。「ここの子たちって、他の子の失敗を責めたり、誰かのせいにしたりしないですよね」と。
厳密にはちょうどいい文句は出ることはあります。しかし、不適当なものが出ることはほとんどありません。
最初からずっとそうだったわけではありませんが、そういうものが出た時には子供たちに話をしてきました。起きていることを理解させるために、双方の子、周囲の子に説明をしてきました。時間のかかることもありましたが、子供たちは自分たちに理解できる範囲で学び、今ではこうして、外から来た方が明らかに他の場との違いとして認識するほどまでの良さを、当たり前のように出しながらプレーしています。やるね、ソラッ子、です。
仲があまり良くない相手には言いたいことを言えないことがありますが、そういう関係だから言えない、言わないということではありません。ソラの子は結構みんな、色んな面でくっついています。だから、ちょうどいい範囲の文句、子供のサッカーであれば感じる思いは言葉として表しています(もちろん、注意すべき範囲に入ったものはしっかりと注意します)。ここの子が、他の場から来た多くの方に感じてもらえる良さを持っていることはとても嬉しいことです。他の場にこことは違うサッカーが溢れているということの裏返しでもありますが、だからこそ、ここで子供たちが見せる良さ、身につけていく力は大切にしたいと思いますし、ここでのサッカーを理解して下さる皆さんを大切にしたいと思います。
ソラの子は、こうしてすごくたくさんの力を持っていますし、多くのものを身につけています。
「まったくもうー!」と言いたくなることもあるでしょうが、皆さんのお子さん・・・たくさんの方からすごく誉められていますよ! もちろん、プレーを正しく判断できる方からは、スキル面でも褒められるプレーをしています。
良かったですね。
■見えないものを見る力・・・
子どもが書く手紙。下書きをたくさんした跡、消しゴムで消した跡がありますよね。下書きをした跡のないものもありますが、そういうものでも、他の紙に下書きをしたかもしれないし、薄く下書きしてキレイに消したのかもしれないし。子供はこうした跡を残してくれることも、残してくれないこともありますが、こういう見えないものを見る力って、大切だと思います。そういうものを見ることができる大人、コーチになりたいと思います。
■素の行動・・・ある会場にて
スピーカーから出る音声。大きい! 「不思議、面白い」・・・音声がそこから出ている間、そっとスピーカーの方に近づく子がいました。ニコニコしながら。面白そうなら近づく、探る、追いかける。何とも子供らしい行動。
ボールも、蹴ること・触ることが楽しいと思えば、子供は自然に追いかけます。
では、どうやって面白いと思わせるのか。その思わせ方、持って行き方、感じさせ方が重要で、難しいといえば難しい。単純といえば単純なのですが、単純、簡単なものほど、芯をつかめないと難しくなるのです。
(2013年10月 通信No.144より)
ある日のこと。
二日前、「怒」モード(私がたくさん注意をし、子供とのプレーでも厳しめのプレー=サッカーを好きな子なら当然の範囲のプレーですが)の中にいた子が、翌日もいつものようにふざけてやってきました。そして、いつものように私をからかってきます。まったく反省していない・・・のではなく、関係が変わらないのです。「怒」モードの中から、必要なことだけを必要な分だけ覚えた ー つまり、ベストです。
ちなみに、プレーでは、夏に伝えたプレー面、意識面でのことをしっかりと意識していることがわかります。クセやそれまでに覚えてきたやり方があるため、無意識に動きが減ってしまうことや同じ(単調な)プレーを繰り返してしまうこともあるのですが、そういう時でも一声かければ大丈夫。すぐに動き始め、様々な動きをします。さらに、それらの「今、継続して取り組むべきこと」に加え、ここのところ話してきた芯の部分の話も、適切な質・量で学んでいることがわかるプレー・言動をしっかりと見せていました。
それからもう一人。先週、しっかりと、しっかりと、しーっかりとお説教を受けた子が、やはり元気にやってきました。そして、まだ低学年の練習中なのに、コートの外から声をかけてきます。うるさい!・・・が、これもいつも通り。ただ、この子もおそらく成長しています。というか、この子の場合は、元に戻ったというところですが。
「元に戻る」と言うと良くないことのようですが、いえいえ、この子の場合はこれでOK。自分らしさを捉え違いそうな時や、その子に合った成長とは違う方向に行きそうな時が子供にはあります。そういう場合は、戻すための話をすることもあります。ちょうどそういう話をしていたので、この子はこれでOKなのです。ちなみに、こうしたことは誰にでもあることですから、気にすることではありません。この子は子供らしくてグッドなのです。
プレーを見ても、行動を見ても、表情を見ても、言葉を聞いても、安心。決して、お利口さんになったわけではなく、でも、「それがお前だよ」という感じ。まだまだ成長しなきゃダメ、でも、成長していける心と体の状態、そんな感じでしょうか。
そんな二人がこんな感じで登場し、成長していることを示した日でした。嬉しかったですよ。
そして、この日は他にも嬉しかったことが。
練習後は子供たちがコートの横にダーッと横に並んで座り、私たちが話をして解散します。この、横に並ぶ時に、子供たちは、あまり話したことがない子が隣にいる場合は少し離れて座ります。すると、子供の列は幅がビローンと伸びます。とは言っても、ソラの子は結構(色んな意味で)グチャグチャとくっついているので、そんなに広がることはないのですが、それでも、よく私は「そこからそこまで」と幅を狭めます。隣とくっつかないと座れない、場所によってはギュウギュウになるぐらいの幅を指示します。
そんなことをこれまでずっとやってきましたが、この日は、そんなことを言う前に、子供たちがすごく狭い間に入っていました。自然にくっついて。知らない子とも肌が触れていて。明らかに数週間前までの様子とは違う幅、密度。
肌が触れる、触れていい ー 言葉での関わり同様、とても大切なことで、何気ないことでも必ず良い影響・良い効果の表れることです。そういうことが自然に起こっていて、私はとても嬉しくなりました。
それから、あと一つ。これはいつも感じていることでもありますが、この日も感じました、嬉しいことを。
この日も私はみんなの前で特定の子を注意するということをしました。
(注)注意の内容や状況にもよりますが、みんなの前で特定の子を注意するより、違う形で注意をした方が良いケースが多くあります。このような注意の仕方は、「基本とは違う」というようにご理解頂いた方がよいかと思います。それを理解している上で、こうした形で注意をする場合は、その後にフォローすべき部分も見逃さないようにしましょう。
こうしてみんなの前で注意をした場合、あるいは特定の子に対して私が怒った場合、自分まで怒られるかもしれない、自分はやっていない、という思いから、その子から離れたり、関わらないようにしたりする子が出てもおかしくありません。または、注意された子のこと、怒られた子のことをバカにしたり、低く評価したりするようなことがあってもおかしくありません。ですが、ここでは、私が注意をしたことによって、そのようなことが起こることはまずありません。それぞれの方法で、かばう、励ます、フォローする子がいます。
この日もそうで、あらゆる場面でそのような光景を見ることができました。こうしたことも嬉しく感じることでした。
とても嬉しくなった一日でした。まだまだ怒られることもたくさんあるでしょうが、いいクラスだと思います。
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(2013年3月 通信No.138おまけより)
ちょっと前に、ちょっとした手紙を豊田と私宛てに子供が書いてくれました。その手紙をもらってから実際にその子に会うまでには数週間、時間がありました。
そして、手紙をもらってから何日もたった日にその子と会ったのですが、最初にその子が言ったのは、手紙を読んだか、手紙に書いてあったことを覚えているか、でした。その子からの手紙には、ちょっとした冗談が入っていたのですが、とくに、その部分を覚えているか、読んだか、ということのようでした。
そう、これが時間です。
書いて、渡して、その後、「どうかな?」と思う時間。
友達同士でもそうですが、会っていない時間は、相手が自分の中に存在していない時間ではなくて、相手がちゃんと存在している時間。目の前にはいなくても、頭の中のどこか、心の中のどこかにはいるのです。そして、こうした、目の前にいない時間に、相手のことを考え、関係を深めていくのです。
子供同士、ケンカしたまま別れてしまったなら、次に会う時まで、それが頭に残ったままでもいいんです。きれいに忘れちゃっても、それはそれでいいでしょうけどね。
ケンカではなく、楽しいことがあっても、その時のことを後で何度も思い出しながら、次に会った時のことを楽しみにしていて。
ずっと執着して覚えているというより、他にもそういう色んなことがあるでしょうから、他のこともたくさん思い、考え、目の前のことに夢中になる時もありながら。または、逆に、他のことなどへの思いなんて持てないぐらい、目の前のことにも集中できない時もありながら。そういうものは、起きたことや起こした行動の大きさ、それに相手との関係で変わってくるのでしょうが。そういう時間を持っている子供たちはいいなと思います。みんな、持っているでしょうけどね。そういう時間は何か具体的な行動をしていないこともあるでしょうから、隙間のような、あいたような時間に見えるかもしれませんが、そこを他のことであまりにも埋めてしまったら、もったいないなって思います。
こういう時間をお互いに持てなくても、どちらかが持てればいいなと思います。そうすれば、次に会った時に、また色々なことをお互いに知ることができます。お互いのズレを感じ、もしかしたらちょっと嫌な思いをすることはあるかもしれませんが、でも、表情を見ることができれば、お互いの関係をより深くできるでしょう。
ソラで私たちが子供たちに会うのは週に一度か二度です。
少ない時間です。
でも、私たちも子供たちや皆さんと同じように、実際には、ここで会った後の時間、会う前の時間で子供たちを追いかけています。ですから、少ない時間ですけど、会って、離れて、また次に会うまで、ちゃんと時間が流れています。
先日、ここでの一回の時間をとても大切に思ってくれているというお話を伺いました。卒業までにここに来ることができるのはあと何回かと、まだ卒業まで何年かある方からも言って頂きました。そう、回数で数えると少ないですもんね。でも、だからこそ、毎回、ちゃんと心を入れていますから。そして、心を入れてしまうから、入ってしまうから、その後が気になります。一日、一年、二年、こうして時間が流れます。ですから、大丈夫。
ここにいる時間は、後で振り返れば短く感じるかもしれませんが、生きた時間で、次に続く時間ですから。そして、次に進んだなら、また次の場で、子供たちは新しい時間を進んで行くでしょうから。もうその時には、ソラでの時間は子供たちにとって、小さなものになっていくでしょうけどね。少しずつ忘れていくでしょう。それでいいんです。それがわかっている上での、でも、ちゃんと流れる時間、流す時間です。
そういう時間を一緒に過ごしてきた6年生がいよいよ卒業です。
最後ぐらい、怒らず、ニコニコしたまま卒業でもいいのでしょうし、そういうつもりではいますけど・・・どうなるのかは、私にはわかりません。そういうつもりでいても、時間は止まってはいないので、色んなものが色々と流れ、予定通りにならないことがあるので。
卒業の一週間前の練習で怒ることはあたり前、卒業する最後の練習でも怒ることがあるかもしれません・・・。でも、それはそれで、また今度会う時までの時間をつなぐことになりますからね。いいですよね。
この3月、中学生の子も数名、二度目の卒業をします。今度は高校生です。次の段階で、またソラのことがもっと小さなものになってしまうくらい、新しい時間を過ごしてほしいと思います。新しい空間を進んで行ってほしいと思います。そういえば、この子たちが小学生の頃も、卒業間近の練習でさえ、すごく怒っていましたね、私。
さて、今年はどうなるんでしょう。
=書籍のご案内=
タイトル 「サッカー、上達の素」 使えないワザには気をつけろ!
内容 ・・・ 使えないワザ紹介、プレーの改善方法紹介、
大切な要素解説、 自主トレ時の工夫例紹介、他 ・・・
¥1400です。
◆お申し込み受付中!
◆書店の店頭には並びません。ご注文はソラまでお願いいたします。
お渡しは6月下旬を予定しています。
◆お支払い・・・ご注文受付後、代金のお支払いに関するご案内をお送りいたします。
一般の方からのご注文の場合、払い込みの際の手数料をご負担頂きます(価格をかなり抑えているため、ご理解いただきますようお願いいたします)。
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1冊なら210円。2冊なら290円。3冊以上はこちらで負担します。
内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
★サッカーをする子、サッカーをする子を持つ親御さん、チームで指導をするコーチの方などにオススメです。
=サッカースクール ソラ=
■TEL : 042-534-3766
【練習会場:スカイランド】千葉市稲毛区長沼原町261番地
■ソラ・HP→ http://www.sonoyosade.com
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(2012年9月通信No.131より)
■働きかけの加減
私たちは子供たちに色々な働きかけをしていますが、働きかけたことをどれぐらいの強さで認識してほしいかというと、内容や子供たちの発達段階により違いがあります。
その時だけ覚えておいてほしい(=数日後には忘れてOK)、次回まで覚えておいてほしい、ずっと覚えておいてほしい・・・様々です。
子供が理解できる範囲を考え、目的に応じて、色々な言葉、強さ、行動で表すので、外から見ていたらわかりにくいこともあるかもしれませんが、覚えるべきことがその時の空間に合っているものでも、他の場や他のケースには当てはまらないことがあるので、「覚えてほしい」「忘れてほしい」ということも含め、色々と考えて働きかける強さを調整しています。
そういえば・・・先日、保護者の方に話をしている時、子供がチョロチョロと動き回ってしまいまして・・・。
保護者の方が抱えてもキャッキャと抜けだし、興味があるところに行ってしまうのです。これは子供ならよくあることで、悪いことではないのですが、子供がケガをしたら危ないし、保護者の方も子供が気になって話を聞くことができないし・・・そこで、子供をつかまえちゃいました!
目的は、子供の安全確保と保護者の方に話を落ち着いて聞いてもらうためです。
この時に考えたことは、「(子供はまだ小さいので)サッと離すとすぐにまたどこかに行ってしまうかもしれない。だからギュッとつかまえた方がいい。そして、離した時に、どこか楽しい場所に行きたいと思うのではなく、安全だと思う場所(=親御さんのところ)にいたいと思うようにさせる。でも、ギュッとつかまえすぎて、この子が恐怖を感じてしまったらいけない。次から私と遊べなくなってしまう。しかし、ある程度は強く抱える必要がある」・・・そこで狙ったのは、この子が恐怖を抱かない程度の強さ、でも、「ここよりも親のところの方が安全だ!」と、親の方に行きたいと思ってくれる強さ。そして、親のところに行ったなら、しばらくそばにくっついていたいと思うようになるだけの(私に抱えられてしまう)時間。・・・でも、長すぎたら、離した途端に怖さや逃げたい一心から「ダッ」と走り出して思わぬケガをするかもしれないから、そこまで長くならないように・・・。
「かかえる強さ×かかえる時間」で、そういう効果を狙ったわけです。
そして、強さと時間を計算し(長年の経験が役に立つ)、パッと手を離したら、親御さんのところにサッと行ってしっかりつかまり、親御さんも話を落ち着いて聞いて、なんてならず! その後も楽しそうに動き回ってしまいました。痛恨の計算ミス(長年の経験、役に立たず)。
まあ・・・失敗してしまったわけですが、子供たちに対する働きかけは、このあたりの加減(方法×強弱×時間等々)が非常に難しいわけです。難しいのですが、これがとても大切なことなので、こうして色々と考えながら、子供たちと接しています。
*スクール中は、状況がどんどん変化するので、どの問題をどの強さで解決していくことが望ましいのかということを適した時間で計算しなければなりません。そのためには空間の様子を的確に捉える必要があります。そして、空間をより的確に捉えるためにも、(以前からお話ししていますが)子供たちの状況・背景をより把握していることが望ましいのです。ですから、スクール外の時間で、子供に何か変わったことがあった場合や、気になることがある場合は、遠慮なく、ご連絡、ご相談頂きますようお願いいたします。
■うちの子は・・・
子供がコーチの話を聞かずに“プリーッ”と走り出してしまうと、「うちの子は・・・」と思うかもしれませんが・・・今、
しっかりと話を聞けるようになった子の中にも、小さな頃には“プリーッ”と動き出してしまう子がたくさんいました。
以前、通信のおまけに登場したこともある、他の子のために力を使え、自分も成長し、友達も成長させているナイスボーイも、幼稚園の頃は話を聞くよりも目に入るものが気になって仕方ない子でした。そのため、当時は、練習中はコート内にほとんど物がない状況にし、さらに、練習で使う道具も、その子が興味を持つようなものを作って用意したことが何度もあります。実際にそれが効果があったのかどうかはわかりませんが、少なくとも、話をまったく聞かなかった子も、段階を経て、しっかりと話を聞けるようになるということで・・・。
親御さんは、自分の子供の行動を見て、他の子に迷惑をかけていると思うと外から注意をしたくなることがあるかもしれませんが、実際には自然な行動であることもありますし、みんなが多少は同じようなこと(一見、迷惑に見えるような行動)はしています。もちろん、自然なことだから何でもOKというわけではありませんが、見た目の行動はその子の発達段階をただ少し示しているにすぎないこともありますし、もともと、小さな頃は体格・行動・理解の仕方など、様々な部分で違いが見られる時でもありますから、ソラでは、他の子に対して迷惑かどうかという部分に関しては、親御さんはあまり気にしないようにお願いいたします。私もソラの子は好きなので、ソラの誰かがその場に合わないことをしていたなら、その子の成長のためにも、他の子の成長のためにも、我慢などできませんから、必要な注意はします。
そうして、みんなが多少の善し悪し・凸凹を見せながら空間を作り、順番にお互いをへこませたり、引っぱったりしながら、空間を成長させています。
ソラに子供を預けて下さっている皆さんは、余裕を持って子供を見てくれていると思いますが、これからもほどよく子供を見てくれたらと思います。
■まったくもう・・・
子供たちは話を聞いていない時に注意をされます。それを繰り返している子の親御さんは、「まったくもう」となるかもしれません。私たちも「まったくもう」となることがあります・・・。
ですが、ソラでは、繰り返してもいいこともたくさんあるので、親御さんはあまり気にしないで平気です。親御さんにも気にして頂いた方が良さそうな場合はちゃんとお話ししますので、私たちからお話しをさせて頂くことなく、子供がそういうことを繰り返している場合は、気にしなくてもよい段階だということでご理解下さい。
子供が私たちの話を聞いていない時は、べつに注意をしなくても、その後、練習を始めてしまえば、話を聞いていなかった子が「どうしよう・・・」と困ることがあります。そういう経験をすれば、次からは、私たちが話をしている時に、「後で困らないですむようにしなくちゃ」と思い、話を聞くようになることがよくあります。ですから、注意をせず、放っておくこともあります。子供がこういう形で学べばいいだけのこともありますから。
が・・・、「話を聞かずに困った経験をして、子供たちが話を聞くようになる」とわかっていても、困っている子供を放っておくのではなく、「ほーら、わからんだろうが!」と、だめ押しすることが私はあります。
こういう時の子供は、素直にそれを受け入れる場合もあれば、「逆ギレ+超ウソ」を堂々とついてくることもあります。「今、全然、見ても聞いてもいなかったじゃん」という時でも、私が「ほーら」というと、それに対して“超”強気で、「は? 見てたしぃ」と言ってくるヤツもいます・・・。あ、たくさん。
子供が「どうしよう」と困っている最中に私がこうして声をかければ、声をかけずに一人で困らせる場合に比べ、その反省効果はおそらく半減します。
それなのに、私は「ほーら、わからんじゃん」と言ってやることがあるのです。
それは、文句を言いたいからです、ウフ・・・いや、ウフじゃない・・・違います違います。子供の反省効果が減るとしても、私が「ほーら」と言うのは、多少繰り返してもいい部分があるからです。
「困るから」という理由ですべてを解決しちゃってはもったいないこともたくさんあるのです、子供たちには。
友達に迷惑をかけることがあることも知らなくてはいけないし、
仲が良くなれば、ダメだとわかっていても話しかけてしまうことがあることも知らなくてはいけないし、
誰でも怒られちゃうことはあるということも知らないといけないし、
人に興味を持つこと、関わること、関わられることの嬉しさも知らないといけないし・・・
とにかく、私の説明を聞かないことがあっても、人に話しかけちゃうこと、何かに興味を持つことで学べるたくさんの良いことも悪いこと(=長期的には良いことに変化する)もあるのです。それらを素通りさせるようなことはもったいないので、(様子を見た上で)素通りさせないこともあるのです。
こういうことは、子供たちの日頃の関係や様子から、その子やその空間にいる子たちにとって、どんなことがその時に最も必要なのかを考えて行います。ただ技術面での上達だけでは寂しすぎます。その時のその子たちに大切なものを学んでほしいということが目的なので、放っておけば練習がいずれスムーズになることがわかっていても、放っておかずに注意をすることなどが私はあるのです。
・・・それに、子供が困った結果、困らないように話を聞くようになったとしたら、それもコーチングスキルと言えばスキルといえるかもしれませんが、実際にはこっちの腕には関係ないし、誰が説明しても同じ態度になるだろうし、そんなの、つまらないですからね。また、放っておいて困らせようとしても、その困らせる瞬間に起きてはならないケガが起きることもありますから。このような理由からも、説明している内容やその時の空間によっては、放っておいてはいけないことや待ってはいけないこともあるのです。
もちろん、学校などで絶対に守らなくてはならないことを先生が話している時に、話を聞いていず、取り返しのつかない事故などが起きてはいけません。そういう時のことを考えると、いつでも「よく聞く」という習慣を身につけることも必要です。聞いていなかったではすまないこともありますから(ただ、こういう部分では、伝える側の気持ちも重要なので、「一方が困るから」ではなく、その前に、「お互いに気持ちを伝える・受け取ることをしたい」という気持ちを強く持つ関係になっていることが大事かと思います)。
子供は興味があることはどん欲に吸収しようとします。
行動改善のスタートは、「困るから」よりも、「より楽しむために」の方がいいと私は思います。もちろん、「困るから」が大切なこともありますが、内容などにより、「楽しむため」の方が大切なこともあるでしょう。
放っておくことと注意することは、表面上は真逆の行為ですけど、私がスクールで子供たちに働きかける強さには、こういう幅がたくさんあるんです。わかりにくいですよね、すみません。ですが、こんな感じですから、ソラでの子供たちの「まったくもう」という行動については、あまり大きく捉えなくて平気ですからね。
<修了証>
年度末などに修了証を渡すことがありますが、言葉の受け取り方は、それぞれの子の受け取る強さでOKです。
例えば、注意されるような内容だったとしても、ある子は「まったく気にせず」、ある子は「へこむ」ということがあっていいですし、「嬉しそうにする」ことがあってもいいのです。実際に、読んでニヤニヤしている顔を想像しながら、「こら、お前」と書いていることもたくさんあります。ですから、子供の様子が気になって修了証を読む場合は、「ふーん、そんな様子なんだね」と半笑いで読む程度がちょうどいいかと思います。注意される内容でも、「ぷ、怒られてやんの」でOKです。以前から、通信で、ソラの子の良さや、注意される子が決して悪い子なのではないということなども書いていますし、皆さん、余裕を持ってご覧になっているかと思いますが、修了証はそのような形で捉えて下さいね。
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内容 ・・・ 使えないワザ紹介、プレーの改善方法紹介、
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なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
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(2012年6月通信No.128おまけより)
ある日のU-12クラス。
ゲームの順番待ちをしている4年生の子たちに、6年生の子が注意をしていました。当然の注意です。その注意をちゃかす4年生の子たち。まったく・・・。ある程度までは、まあいいでしょう。
が、様子を見ていると、6年生の子が一生懸命に注意を続けているにも関わらず、ちゃかしっぱなし。
その態度に対し、6年生がちょっとムッとしたようです。そりゃそうだ。注意すべきことを注意しているのに、あんな感じでいられたら・・・。そして、ムッとした様子の6年生に対し、4年生が「あ、暴力ぅ?!」と、これまたちゃかしまして。本当にもう・・・・。そこで、“ペシッ、ペシッ、ペシッ”と(=愛すべきおバカさん3人)、頭を叩いてやりました。あ、叩いたのは6年生ではなく、私です。
6年生は「うぅ、こいつらに何て言うべきなのか・・・」というところだったと思いますが、もしもこの子が、“ウオーッ”となったら大変なので(そう簡単にはならないですよ。ただ、もしなったら、この子の場合は、軽くペシッとやっただけでも相手はかなり痛いだろうし)、その子の代わりに私がペシッといきました。
この6年生の子ではなく、他の子で、他の場だったら、間違いなくもっと早く、“ボコッボコッボコッ”となっていると思います。だから、子供の世界ではおそらく当たり前であろう範囲で、私がボコッよりも優しいペシッをプレゼントしておきました。まあ、ちょっとは痛かったと思いますが。
その日の練習後、子供たちに少し話をしました。
子供たちは、ここを卒業して中学生になると、親、先生、大人の目の届かない場での行動が増えていきます。そして、その時の体は今とは比べものにならないぐらいの大きさ、強さになっています。
そうなった時に、相手の表情から気持ちを理解することや、力を出すにしてもやっていいこと・悪いことを理解することができるようになっていないと、とても悲しいことが起きることがあります。「そんなつもりじゃなかった」ではすまされないことに発展してしまうこともあります。だから、今のうちに知っておけ、ということです。
子供たちにも言いましたが、子供同士で押したり叩いたりしながら「お前が悪い」「何だよ」とやり合っていることに対して私が注意しないことがあるのは、そういうことを「やっていい」と言っているのではありません。そういうことから、相手をぶつということ、ぶたれるということ、力、痛さ、気持ち…そういうことを「学べ」ということです。
大人になってから知ることができることよりも、子供のままでも知ることができること、子供の時に知るべきことを、(大人の目が届かなくなる場での行動が増える年代になる前に)十分に知っておけということです。
話はちょっと変わりますが、少し前に、いくつか子供たちの運動会を見に行きました。
スケジュール的に行けることも行けないこともあります。なぜ行くかと言えば、子供たちの普段の様子を見ることができるからです。そして、そこで見たもの、感じたものを現場に生かすことができるからです。
生かし方は色々ありますが、何よりも、普段の表情や動きを見ていると、ソラ空間での子供たちを見るときの見方が、より適切になります。
そうして現場での感じ方、捉え方がより的確になれば、より適した働きかけをすることができ、子供たちを伸ばすことができます。
そして、ソラ以外の場でも子供たちが伸びていくためにはどうすればいいのかということも、より的確に考えていくことができます。子供たちは私の目の前にいる時間、ソラにいる時間よりも、ソラにいない時間の方が圧倒的に多いので、そういう時間でも伸びるように考えます。
この繰り返しで、相乗効果で子供たちが伸びていく、それが私の理想です。
スクールの時間内だけでの成長ももちろん大事ですから、スクールの時間・空間の中でできる限り成長するように、練習の計画を立て、空間づくりもしています。でも、スクール時間外を含めての成長、ここを卒業した後の時間での成長も考えているので、こんな、ワケのわからんスクールになるのです・・・。
すみません、私、欲張りなんです。
時に、やりすぎたか? と思うこともあります。でもたぶん、子供たちが本来持つ「成長欲」よりも、私の「成長させたい欲」の方が小さいんだろうなと思います。ですから、子供たちの欲に負けないように、私も欲張りでいきます。
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