子供のプレーに詰まったもの

子供のプレーを理解しよう

2016年5月 6日 (金)

ある日の、あたり前のソラッ子たち(通信171より)

A君が、「ねえ、なんでBは、名前を呼んだりしないのに、みんなからパスをもらえるんだろう・・・」と私に聞いてきました。

A君とB君は兄弟。2人はU-12クラスの中では、一番下の学年です。
A君はパスをもらうためにたくさん声を出していてもパスが来ない時がありますが(状況的にパスが出せない状況の時もあります)、B君はそういう声を出さないのに、確かにパスが行くんです。なぜでしょう。
B君は、「サッカーに対して熱血」という感じではなく(それで全然いいんです。そういう子も、熱血の子も、ここでは絶対にプラスに影響を与え合います)、技術的にも5・6年生の子のレベルにはまだまだ及ばないこともあり、年上の子にとっては、「助けてあげなきゃ」という気持ちもあるんでしょうね。それで、声を出さなくてもパスをたくさんもらえ、また、そういう雰囲気を持つパスなので、映り方も違うのでしょう。
一方のA君は、すごく技術が上がっているのです。上手になっているし、いつも頑張っているように見えます。だから、周りの子も、「助けなきゃ」というよりは、自分達と同じように、「自分から頑張れる」子として見ているのでしょうね。そして、他の子に対するプレーと同じように、パスをする時もしない時もあるのでしょう。
ですから、2人以外の子の動きや関わり方に違和感はないのですが、ただ、同じ兄弟で、一人はそのようにパスをもらえるのに、自分は同じようにしていてもパスが来なければ、ちょっと寂しくなったり、悲しくなったりしますよね。(兄弟でなくてもこのように感じることはあるでしょうから、こうしたことを頭に入れながら、現場では様子を見ています。)
B君の嬉しそうな様子を見て、A君は、うらやましく思ったり、逆に、うらやましく思ったらいけないと考えたり、きっと、色んな思い、複雑な思いになることがあると思います。 最初の質問をする時も、私に一度聞きかけ、「やっぱりいいや…」と。色んな気持ちがあるのでしょう。その様子を見て、気になって聞いてみたら、一生懸命、「普通に」質問してきて。 A君の気持ち、色々な気持ちを想像しながら、私は必要な内容を必要な量だけ(ここには書いていない内容も含めて)、答えました。
さて、そんなことがあった後のゲームで。
やっぱりB君はパスをたくさんもらっていました。
A君は、B君にパスが行く理由を少し聞いたとはいえ、それを見てきっと複雑だろうなと…。
この日、そのような質問をしてきたということは、この子にとっては、ちょっと整理に困っている状態になっていたということなのかもしれません。 そうならないように、ここ数か月、特にA君の様子には気をつけてきたのですが…そのような状態になってしまったのでしょう。それぞれの子の優しさや良さが生み出していることなので抑えつけるのはもったいなく、みんなを抑えずにA君をフォローしようとしていたのですが、それがうまくできませんでした。(ごめんなさい。)
ですから、その質問を受けた時には、「そうか…。さて、今日、どうしようかな」と。
幸い、周りの子たちにたくさんの力があるので、こういうことがあっても、ある程度の筋道は考えられます。それがこの空間の強みです。子供たちの力がすごいんです。
この日は、「6年生にそっと話すのがベスト」だろうと。
その後は、きっと何とかしてくれるだろうなと。あとはタイミングを計るだけ。 ですが、そのタイミングが難しいんですよね。
この日のゲームでは、A君がボールを取りに行く時、なんか、すごく一生懸命で。「俺だって」とか「なんでBだけ…」とか、色んな思いが含まれていたかもしれません。だから、少し、激しくて。そこには悔しさもあるように感じて。 …そして、相手の子の足を蹴ってしまうこともありました。大ケガをさせるような雑さや荒さはありません。ただ、蹴られた側にとっては、文句を言いたくなってもおかしくない、そんな感じの蹴り具合、蹴られ具合です。特にこの日は5年生のC君(この頃、ドリブルが多めなので)の足に、A君の足がよく当たり…。
最初は、A君も「ごめん」と謝れましたが、その後は謝らないことも。これは気づけていないのか、気づいているのか、とても微妙なところです。ただ、そのタイミングで私がそこに入っていったら(この日は)ダメだなと。大ケガをするような形にはなっていないので、あと少しだけ、様子を見ようと。まだタイミングを作れる状況でもないので。 ですが、その後、(蹴られた)C君が、ちょっと怒り、プレーにその気持ちが入ってしまい、ボールを取りに行く時に、必要以上に相手に強めに当たり…。それまでは平気だったのですが、ちょっと、C君のプレーの質に変化が。とはいえ、これも、大ケガをさせるような雑さはありません…。 どういう気持ちなのか。A君に蹴られて痛くて、その怒りが他の人へ出たのか、それとも、自分がボールを取られることが多くなり、責任を強く感じたのか。他の理由から本気モードの上に行ってしまったのか。 …それでも、乱暴さはなく、ある程度動きも心もコントロールしているので、子供のサッカーの範囲内。この辺は、さすが…。ただ、当たり方がちょっとキツイですね。 そして、ボールを取りにいく時、今度はC君が、普段、仲良くしているD君の足をちょっと蹴ってしまいました。
先ほど書いたように、ある程度コントロールできているので、蹴ってしまいましたが故意ではなく、また力もそこまで強くありません。でも、D君、痛そう…。しかも、C君は謝らず。
このままでは、6年生に話す前に、色々なところが壊れてしまいそうなので、中に入って聞きました。
ただ、私はこの時、蹴った側のC君に、「大丈夫か?」と声をかけました。 細かい心までは確認していませんが、C君がこんな風に相手の足を蹴ってしまうのは、その前に自分がA君に蹴られたことが原因の一つにはなっているでしょう。だから、私はC君に対して、「大丈夫か?」と聞いたのですが、普通は逆ですよね。この場面ではC君は蹴った側なので。 でも、この時に、蹴られたD君に「大丈夫か?」と聞けば、C君は、「俺だって蹴られたんだ」となるでしょう。 そうしたら、自分なりに耐えていたC君の良さが出ないままの形になり、しかも、こうなれば、C君の足を蹴ったA君を注意する必要が出てきます。でも、スタート時の質問や様子から、できれば、そのタイミングではA君を注意したくはなかったのです。 ですから、その場では注意をせず、違うタイミングで、それぞれの子に話すようにしたくて。
D君の普段の様子を見ているので、この時はC君に声をかけることができました。 そして、次に、D君を呼び、なぜ、C君がD君の足を蹴ってしまったのかと言うことを説明。 普通、自分を蹴った相手に注意せず、逆に心配するような声をかけたら(しかも、蹴られた自分に対しては心配する声がかけられていない)、プレーが悪くなります。 D君はそんなことはない子ですが、誤解をしたままプレーを続けさせるのは良くないので、一応、説明を。
D君への説明 - この子には、C君のプレーの理由を話さないといけません。 「今日は、ある子がCの足を蹴っちゃってる。だから、たぶん、Cのプレーがあんな感じになった」と私が言うと、「わかってる」と。A君が蹴っているということもわかっているようなので、この日の最初にA君から私に質問があったことも話しました。そして、「きっと、Aはこういう気持ち(先ほど書いたような、悲しいような、複雑な気持ち…)だから、今日は注意したくないんだ」と私が言うと、「うん、わかってる。大丈夫」と。…すごいな、すごいですよね、D君。優しくて、強くて。ありがとう、です。
続いて、C君を呼び、さっき、A君がC君の足を蹴った時に、A君のことを私が注意しなかった理由を説明。
D君にした説明と同じです。 すると、「ああ、わかってるよ。大丈夫」と。私がもう少しA君の気持ちを説明しようとしたら、「なんとなくわかるから、大丈夫」と。 う…すごい。なんとなくわかっていたんですね。だから、蹴られた後のプレーも微妙にコントロールできていたんですね。この子にも、ありがとう。
そして、その後、6年生に話を。みんな、B君に対してはすごく気をつけて見ているし、また、B君も性格的に色々なことを年上の子に話すので、自然にそういう関係が強まりますが、そのせいでA君に対する感じ方が薄れてしまっているかもしれないので。 だから、A君がその日、私にこんなことを質問してきた、ということを話しました。
6年生の子たち…普段、ふざけているようなこともある子たちですが、こういう話はスッと吸収するんです。すごいんです。
そして、6年生にそんな話をした後で、さあ、ゲームの続きを。
ですが、A君は足が痛いと言っていまして。だから、6年生が声をかけて走らせようとしても、走れない時もあって。ただ、その足の痛さには、きっと色んな思いも詰まっていたと思うので、できれば、何かを感じて帰ってもらいたい、そう思っていました。 少なくとも、最初にした質問に対する別の答えを、自分で感じて帰って欲しいと。 でも、走れないかな、A君。そして、走らせられないかな、6年生。 …と思っていたら、さすがさすがの6年生。そして、A君。
「足が痛い…」という感じで立っているA君の足に、6年生からのパスが当たり、そのままゴール。 「マジ?」の流れです。私はウヒャヒャ。そういう奇跡的な場面(そうなる~?的な場面)をたくさん見てきましたからね。 そして、それが元になり、A君の目から赤さが消えました。実は、このゲームを始める前、A君の顔を見ると、目が赤かったんです。でも、その赤さが消えました。その後も、6年生のパスは正確で、強く、優しく。そして、A君はその後もゴール。今度はボールを蹴る足も固まっている、力も入っている。
残り数分ですよ。もう、すごいでしょ、子供たち。
こうした時に、自分の技術を、友達のために使える子供たち。そして、さらに自分の力を高めていく子供たち。そして、また、その力を友達のために、自分たちのために…。 本当にすごくて…ありがとう、です。
※ここに登場していない他の子も、もちろん、グッドですよー。それから、今回は周りの子に助けてもらっているように思えるA君、B君ですが、この2人が他の子に与えているプラス面もたくさんあるんですよ。

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2014年4月25日 (金)

協調性・達成感の元

(2013年11月 通信No.146おまけより) 
ある日のU-12クラス。
1グループは3~4人ぐらいで、数グループ作り、他のグループと競争させました。
投げたボールを蹴り返し、それを次の人がキャッチ。それを順繰りに行い、連続で10回できたら終わり。ここでは練習内容はあまり重要ではないので、詳しい説明は省きますね。
この競争は、「ボールを落としたら、ゼロ回からやり直し」です。
競争を行う前に、それぞれのグループで練習を行っていたので、まだボールを取るのがあまり得意ではない子、ボールを蹴ることが難しい子、器用にそれらをできる子がいることを、グループ内の子はお互いに認識しています。
でも、競争です。やっぱり勝ちたいはずなのです。まだボールを取ることが得意じゃない子は「ヤダな」と思う部分もあるでしょうけどね。でも、やりますよ~、競争。
さて、あるグループの様子。
競争開始前、S君(その子のイニシャルではありません)がO君(これもイニシャルではありません)に「絶対取れよ!」と言いました。O君は浮いたボールを取ることがまだ難しそうな時もあります。だから、ちょっとドキドキしたでしょう。S君も、そういうことはわかっているのです。ですが、勝ちたいのです。それに、応援もしたいのです。その「絶対取れよ!」です。言い方には強い部分も雑な部分もありましたから、プレッシャーになるかもしれないですが、応援にもなる、カラッとした、ちょうどいい感じの声でしたね。競争ですから、ドキドキしていいんですもん、O君も。
そして、競争が始まり、ボールが投げられ、S君が蹴り、ポワーンと浮いたボール。
O君にとっては、ちょっと取るのが難しいんじゃないの~? というボールを、はい、O君が取りました。取るまでの動きは、やっぱりドキドキですよ。でも、手をちょっとぎこちなく伸ばして、本人なりに一生懸命、ちゃんと取りました。その瞬間、それを見たS君は「やったー!」ですよ。取ったO君も嬉しそう。
競争に勝ったわけではなく、ただ浮いた球を、もしかしたら落としちゃうかもしれないぞという段階の子が取っただけ、それで嬉しいのです。
友達の様子をよく見ている子は、友達を適切な大きさで支えること、応援できることがあります。
そして、自分とグループの目標を達成するための、たった一つのこと、小さなことでも、こうして嬉しく感じることができます。そういう子に接する子も、自分の行うたった一つのこと、小さなことから、自分の中に、友達との関係の中に、嬉しさを感じて行くことができます。
こういう子たちも、サッカーの練習に来ていますが、多くの子は本当はゲームが一番楽しみ。その前の練習メニューは、できれば早く終わってほしいと思うこともあるでしょう。その練習の中の一つの競争での様子。そして、その競争の中でも決着をつける段階のものではなく、たった一つの過程。それも、何回も取ることが繰り返されるはずの中の、たった一回、一つのボールを取っただけ。それでも、この嬉しさ、表情。
こうした子たちがするサッカーには、どれだけ多くの楽しさが詰まっているのでしょう。本来、どれだけの楽しさが詰め込まれているべきなのでしょう。
子供たちには、こうして、瞬間瞬間で、ふさわしい栄養を得て行ってほしいと思いますよね。
ちなみに、この競争で、そのグループはですね、その後も「やったー!」と連続でボールを取り続け、ちょうどいい頃にL君がボールを蹴るのをちょっと失敗。ボールが落ちてしまいました。
ドキドキが少しずつ大きくなっていったんでしょうね。その後の足が一瞬、“あらら足”。おそらく顔も“あらら顔”。そして、グループも一瞬、あらら。でも、もちろん、「・・・うわー! でもやろうやろう!」です。まだ終わってないし、勝てるかもしれないし、楽しいし。
こうして目の前の友達とのやりとりから、協調性の素をたくさん学んでいってほしいですね。
色んなことがたくさんたくさん起こるソラの練習。
子どもが怒ることもたくさん、泣きそうになることもたくさん、笑うこともたくさん。
コーチが怒ることも、笑うこともたくさん。
でも、本当に楽しいです。

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2013年4月24日 (水)

「やれやれ・・・」と「やれた!」と「やったね!!」ですね

(2013年3月 通信No.138おまけより)
今年度から始まったソラ・リーグ。その締めくくりとなる第四回「4・5年生大会」の最終週で・・・やりやがりました。
試合の得点は自分たちで数えさせているのですが、最終戦の後、どっちが勝ったか、お互いに何点取ったかで、すっきりまとまらず。子供たちが立ったまま、ずっと、もめています。その前の試合でもそういうことがあり・・・。
しばらくして、今度は座りながら・・・まだ、もめていて。どうにもならないので、私が少しだけ話を聞き、勝手にスコアを決めました。もう、スクールの終了時間が来ちゃうので。もちろん、内容によっては、終了時間に関係なく、エンドレスで言い合いをさせてもいいのですが、その前の時点で、すでに空間として到達すべきところまでは行ったと判断していたので、私がスコアを決めちゃいました。
当然、私に対する文句は出ましたけどね。だから、「その前の試合でもスコアでもめることがあった。そういうことがあったのだから、試合中に“1対1ね”とか、得点を数えながらやればよかったのに、そうしなかったお前らが悪い!」と言ったところ、それに対しては文句が出ず。だいたい、そうなのです。点を取るたびに、「今、○対○」とか言いながらやっていれば、そういうズレは生まれないのです。もめた経験があるなら、みんなで協力すればいいだけのこと。ですから、そういう話をして、「お前らが悪い」と言ってやりました。
・・・とは言っても、いちいち、「今、何対何ね」なんて言わなくても本当はいいと思いますし、言いながらやっていたとしても、途中でわからなくなることもあるので、後でこうしてお互いの言い分にズレが出てもべつにいいんですけどね。ズレが出た時にこうして言い合ったり、もめたりできればいいだけのことなので。「お前らが悪い」とは言いましたが、実は私は怒ってもいないし、こんなことがあっていいんだよ、と思っていました。それに、そんなことより大事なことだって、今はあるだろう、とも。
試合のスコアでもめていた時、これまでに見せたことがないぐらい、その試合の得点数に執着している子がいました。その子が、その試合の途中にあった、微妙なゴール(相手の得点)を振り返って、「あれはナシだよ」ということを私に言ってきました。「それは試合中に相手に言いな」と言いましたが、その私の言葉を聞いて、その子は顔がさらにひくひくとしていました。ひどいコーチですが、子供たちで行うソラ・リーグ。私に言ってもダメなんです。でも、私が「相手に言いな」と言った後の、その子のやるせない表情を見て、私は「いい」と思いました。
そこまで行く数分前、まだ相手チームともめている段階の時に、その子といつも仲良くしている子が普段のようにその子のところに近寄ったんです。冗談を言おうとしたのか、からかおうとしたのか、それとも普通に話しかけに行ったのかはわかりませんでしたが、その子の必死になる様子を心配しつつも、いつもの、おふざけっぽいやりとりをしに行ったのだろうと私には見えました。すると、そのもめていた子が、近寄った子のことを「あっち行ってて」と、突き飛ばしましたからね。だから、この子がこうなるサッカーをその前にできていた時点でもう十分で、その後のひくひくで、さらに十分で。
もう順位は最下位決定なんですよ。でも、その一点、一勝にこだわっていたのでしょうね。それまで、試合でまったく勝てなくてもいつも楽しく感じていたのに、この時は違ったのでしょうね。それならそれでいいじゃないですか。
その後、そこに全員で座らせ、スコアにこだわっていたその子の様子を話しました。
それまでのその子の様子を見て、また、私が話し始めた段階での様子も見て、「ここでこの子のことを話題に取り上げたら、泣くかもな」とは思いました。おそらく、私じゃなくてもわかるでしょうね。
こういう時、その子のことを泣かせちゃいけない状況、泣かせちゃいけない話なら、普段なら、私は本人だけ違う場に移すか、様子を見ながら途中で話の展開を変えてしまいます。でも、この時は、その子の表情を確認した上で、話し続けました。
案の定、泣きました、その子。私が取り上げなかったなら、その場ではまず泣かなかったと思います。でも、取り上げたので、泣きました。なんでそこで取り上げる? と思われるかもしれませんが、泣いていいんですもん。こらえる必要のない涙です。私が取り上げたとはいえ、この涙は本物の涙ですから。
他の子にも教えたいんです、この子がそれだけこだわっていたこと。他の子にはそこまでわからなかったかもしれませんが、そこまで譲れなかったこと。
・・・こういうものが、子供だけのゲームには詰まっているんですよ。
非公式のゲーム。ルールは「ずるいことはダメ」ぐらいで、審判もいないゲーム。メダルも賞状もない、歓声もない大会。ただ、仲間だけのいる試合。そこに、これだけのものが詰まっているんです。そして、この子の他にも、それぞれの子にとって、色んなことが詰まっていたはずで。
こういうことを教えたかったんです、もともと。教えたいというか、そこにあるものを感じさせたいというか。こういうものが詰まっているサッカーを経験させてあげたかったんです、たくさん。
まだ歴史の浅いソラ・リーグですが、これまでの大会上、ベストの大会です。今までの大会も良かったですけどね。子供たちが、そこで起きていることを子供たちの心と体でのみ感じるサッカーが溢れる大会になりました。
その子の泣く様子を、みんなが見ていました。必要なものがそれぞれの子に入ればいいと思います。
そして、その後も泣き続けるその子に近寄り、うずくまっているその子の顔をのぞこうとする子。興味本位でのぞくというより、ふざけたことをして笑わせてあげたいという気持ちなのでしょう。心配なのでしょう。同じように、心配でそっと声をかける子、心配だけど声をかけるのではなく、ただそばにいる子も。距離を取る子も。
こういうことを繰り返し、他の子の気持ちを感じるようになると、一つ一つのプレーの質がどんどん変わっていきます。反則を取る審判なんかいなくても、やっていいことかどうか、自分たちで判断できるようになります。仲間や相手に対して、ふさわしくない行動を取れば、そばにいる誰かが声を上げるはずです。そして、自分たちで不要なものは削り取り、自分たちが最も楽しめるプレー、行動をするようになります。すでに、今回のソラ・リーグでも、随所にそういう様子を見ることができていましたが、それをさらに進めていくために、おそらく、この日の涙が生まれたのでしょう。
グラウンドの中には、ザクザクとした、あたり前の子供の言葉が溢れていましたからね。ちょっともったいない言葉もたまに聞かれましたが・・・サッカーに関する情報が飛び回っているこの時代、多少は教わっちゃった言葉やどこかで聞いたような言葉が出てくるのは仕方なく(諦めではなく、現状の理解です)・・・でも、そういうものは本当に少しで、逆にそのような言葉が浮いてしまう、完全な子供空間でした。だから、いいんです。私が順位結果の発表を忘れてしまうくらい、満足した大会でした。その子がうつむいたまま、全員で写真撮影。この時にその子がうつむいたままでいたかったなら、それでいいので。顔を上げても、どちらでもいいと思っていましたが、この子はうつむいたままでした。それでいいので。
すごいな、そして、やったね、ソラッ子。
あ・・・そういえば、この日、解散する前に、私のところにある子が近寄ってきました。そして、小声で、「あのさ、また、俺のことを、○○と××と同じチームにしてよ」と言ってきました。○○君とは、泣いていた子のことです。前の大会で同じチームにしたことがあり、その大会でそのチームは負けてばかりでしたが、それでも楽しいことがたくさんあったのでしょうね。ちなみに、××君とは、先程書いた、もめていた最中の○○君のそばに行き、突き飛ばされた子です。いいでしょ、関係。
そして、この「○○と同じチームにしてよ」と言った子は、さらに、帰る直前、私に向かって、「あ~あ、コーチが○○のことを言うからさ、泣いちゃったじゃん」って言いました。なるほど、この子もそういう時に取り上げられたり優しくされたりして泣いちゃった経験があるんですね、きっと。だからかな、この子、いつもふざけてばかりなんですけど、私からのマジ話をちゃんと聞くことができるんです。偶然ですが、数日前のブログにも、そんなことを書きました。
この子みたいに、自分が経験して、たくさん感じて、色んな行動を取れるようになるといいですね。本人が経験していないと、こちらで言葉で伝えてもなかなか伝わらないので。経験をしていれば、「あの時な、こうだったろう・・・」と話すと理解をできて、多くのことを吸収できるのですが。こういうことからも、初めから正解とか理想的な行動ばかりが溢れてしまうより、自分たちにあった行動をして、ちょうどいい失敗を繰り返していくことができる方が、後の大きな成長、実のつまった成長をすることができるのだろうと私は思います。
子供だけの試合には、ここには書ききれない、本当にたくさんのものが詰まっています。たくさんのことを経験できる機会で溢れています。
子供たちにとって本当に大切なのは、いいプレーをすることよりも、いい結果を得ることよりも、成長することです。もちろん、いいプレーをすると、それで楽しくなるし、自信もつくし、成長のきっかけになることもありますから、それが最も大切なことに見えることがあるかもしれませんが、それよりも、成長することが大切なことです。成長した時の嬉しさとかは、本人ははっきりと認識しないことがあるかもしれませんが、体の奥に刻まれるのでしょう。だから、負けてもやりたいし、嫌なことがあってもまたやりたいと思うのでしょうね。
今回のソラ・リーグ参加者は、全員「大」合格です。ちなみに、今回のソラ・リーグで、涙を見せている子を見ても私が笑っていたのは、べつに「かわいいな」と思って笑っていたのではなく、「できたじゃん、子供の試合」ということで笑っていたんです。他の子たちも、みんな、「できたじゃん」です。
ソラ・リーグでは、本当は、今回のようなことが毎回あってもいいんです。公園でサッカーをして遊んでいる子がいると思いますが、公園での遊びのサッカーは(本来なら)こういうものばかり。これを毎回繰り返したら、どんどんプレーも上達するし、心も成長するのがわかりますよね。だから、サッカーをして遊びなよって、思います。
自分たちの心と体にあったものほど子供たちを成長させるものはないですからね。遊べ、子供たち!

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内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
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*プロフィールページ、カテゴリー「ソラって」「ソラの紹介」でスクールについて紹介しています。

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2012年6月16日 (土)

新しい課題というわけではありませんが・・・

(2012年6月通信No.128おまけより)
子供たちのプレーで直してあげたい部分があります。
それは、自分でゴールに向かう場合(向かえる場合)の、ドリブルのコースについて。
ゴールに向かおうとすると、当然、相手チームの選手が守備をします。ドリブルを仕掛けていく場合は、主に、「相手に向かってドリブルを仕掛け、抜いていく」パターンと、「相手がいない・空いているところをついて進み、相手が取りに来たところをかわして行く」パターンがありますが、子供たちの様子を見ると、そのどちらの場合でも、ゴールからそれすぎたり、相手守備者を避けすぎたりする子がいるのです。
どちらかと言うと、サッカーを始めたばかりの子よりも、経験もあり、技術的にも成長している途中の子に見られる現象です。こういう傾向のある子は一人や二人ではなく、また、今になって新しく出てきた課題というわけではありませんから(何年も前から、このような現象を見ています)、こういうことが「悪い」とか「技術的に劣っている」ということではありません。
ただ、悪いことではありませんが、身につけるべき技術を考えた時に、これではもったいなさすぎることが多いので、改善したいと考えています。
ソラで教えていることは共通なのに、こうしたプレーの差が生まれる原因を理解するために、ソラ以外の場での子供の様子を実際に自分の目で確認することもあります。また、幸い、ソラには色んな子が来ているので、こういうドリブルをする子たちとそうでない子たちの普段の様子やソラ以外の場でのプレー環境などを考え、比較しながら、原因を探っていくこともできます。
さて、こうして色々と見てきて、ドリブルのコースがこのようになることの原因は、おそらく、ボールを取られることに対して必要以上に「ダメなこと」という意識が働いているからだと私は考えています(実は過去の特別スクールでも、こういう部分にアプローチをかける必要があると強く感じ、テーマを設定したことが何度もあります)。
また、「ダメなこと」だと思ってしまう根本的な問題はある程度想像できますが、その「根本」から生まれる原因を、さらに細かく分けて考える必要のある場合もあります。
例えば、「チームでレギュラー争い中だから、ミスをしてコーチから減点されたくない」「チームの試合や友達と遊ぶ時にはいつも守備のポジションをしていて、ボールを取られるとすぐに自分のチームがピンチになる」「単純に自信がない」「エリアごとのプレーを(形式的に)覚えてしまっている」など・・・他にも色々と理由が考えられます。
こうしたことを含めてプレーを改善するためには、子供の性格や置かれた状況によって、技術部分だけの働きかけでいいことも、意識部分だけの働きかけでいいことも、その両方が必要なこともあります。
何人かの子に見られるこのような現象については、適切に働きかけながら、様子を見ていきたいと思います。
ところで、先ほど、「根本」と書きましたが、その根本から出てきていると思われる原因に対して、今は、その中でも子供たちが伸びるようにはどうしたらいいかと考えている状況です。
「根本」が良い方向に変われば、様々な原因がなくなる可能性もあります。でも、根本はなかなか変わらないものでもあります。
ですから、プレーやサッカーへの思いに対して、今、改善や回復(栄養)が必要な子に対しては、少なくともここではそれらの子に対して必要なことをして、そして、同時に、外でも子供たちがより伸びるようにするために、根本部分を少しでも変えたいと思っています。
同じような目で子供を支えてくれる方、子供の伸びを見てくれる方が子供たちのまわりに増えれば、子供たちは外でもよりプレーをしやすくなります。そういう環境なら、伸びる環境の中で切磋琢磨していくことができ、(そういう経験を今のうちにできていれば)よりサッカーを好きになり、中学・高校と進んで行っても、それぞれの年代でまだまだ(今は知らない)サッカーの面白さも感じていくことができるでしょう。
なんて・・・いきなり話が飛んだようですが、子供たちのプレーの一つ一つをこれからもよく見ていきたいと思います。そして、子供たちがより伸びていくように、根本の部分にちょっとでも良い効果を与えられるように、もっと私たちもたくさんの人に理解してもらえるよう努力していきたいと思います。

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内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
★サッカーをする子、サッカーをする子を持つ親御さん、チームで指導をするコーチの方などにオススメです。

=サッカースクール ソラ=
千葉市で開校中 TEL : 042-534-3766
★ソラ・HPに戻る→ http://www.sonoyosade.com
★ソラ的な日々 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/sola
★通信の「おまけ」 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/omake

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2012年5月15日 (火)

子供が育つ「あたり前」の範囲

(2012年5月 通信No.127おまけより)
※今回のおまけは4年前に書いたものです。いつも色んなことが起きるので・・・書きたいことが次から次へと出てくるため、こうしてパソコンで眠るおまけが結構います・・・。ちなみに、今回載せるものは、前回のものと似ている部分があるので、「またか」と思うかもしれませんが・・・みんな、少しずつ成長してきたということがよくわかると思いますので載せますね。
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U-9クラス、4月の火曜日。
ゲームをしていると、1年生の子の足にボールが当たり、しゃがみこんでしまいました。当たったのはそんなに強いボールではなく、他の子もそういうことはたくさんあるので、友達がちょっとしゃがんだくらいではプレーは止まりません。それに、このしゃがんでいる子が相手からボールを奪おうとする時には友達の足を蹴ってしまうこともよくあるのですが、そういう時でも友達はそれを気にせずにボールを追い続けているので・・・。
みんな、自分もそれぐらいは乗り越えてきたこともあるし、ゲーム中なので、目も心もボールの行方が気になるのです。
こういう、[足が当たった・当たらない]は、蹴った側・当てた側の子が気づかないことがよくあります。
もちろんケガをしそうな場合は注意しますが、ボールを奪い合う時は、少しは足が当たるのが普通で、それを少し蹴られたからといってプレーを止めていたら、子供たちもつまらないんです。
もし、その「ちょっとの接触」をみんながやらないようにプレーしたら、おしとやかでキレイかもしれませんが・・・子供たちには逆効果です。
足がちょっとぶつかる経験を重ねると、(大けがをさせる前に)相手を蹴ったことを自分で感じられるようになったり(ちゃんと謝れるようにもなったり)、足を出すタイミングや力加減を覚えていったり、さらに、足を出される側もとっさに相手の足を避ける身のこなしを覚えていくことができます。
体の発達的には、このような素早い身のこなしは小さい時ほどよく身につくものなので、中学生や高校生の段階になってから身につけようとすると、かなり大変です。ですから、小さなうちにそういうプレーを経験できることは良いことだと私は思います。
さて、話を戻して・・・
この子がしゃがみこんでいる状態でもプレーが続いています。危ない状況ではなく、他の子がこの子に対してどうするかを見たいので、ちょっと様子を見ていました。
しゃがんでいる子は泣いているようですが、まだ様子を見ます。
すると、ある子がこの子の様子(ずっとしゃがみこんでいる)に気づきました。
気づいて、様子を見て、「どうしよう、声をかけようかな」「みんな気づかないかな?」という感じです。少し困っている様子もわかります。そして、「コーチ、どうしよう」と、こっちを見るぞという瞬間に私は全然関係ない方に顔を向けました。『どうする?君しか気づいてないよ』・・・意地悪ですが、この、しゃがんでいる子を助けようとしている子のことも、私は助けませんでした。
助けようとしている子はおとなしい子です。コーチも見ていないし、周りの子は気づかずに走り回っているし・・・さて、この子はどうするのかな。
すると、困りながらも、しゃがんでいる子に声をかけました。
自分はボールを追いたい、でも、この子が泣いている。コーチに言いたい、でも、コーチはこっちを見ていない。どうしよう・・・、かわいそう、どうしよう・・・。そんな感じで、困っていましたが、ちゃんと声をかけました。ですが、声をかけてもすぐにはしゃがんでいる子が動かないので、その後も、「どうしよう」という顔で、ボールとその子を交互に見ていました。
すると、他の子も、気づきはじめ、声をかけたり、近寄ったりする子が増えてきました。でも、プレーを全員が一度に止めるという状況にはなりません。
みんな、「しゃがんでいる子のことが気になるけど、ボールを蹴りたい」「気になるけど、これぐらいなら大丈夫だろう」という感じです。
私はこれでいいと思います。
友達のことが気になるし、かわいそう。でも、大丈夫そうでもある。声をかけ、助けようとしても、なかなか復活しない。「困ったな、もう一回声をかけよう。でもダメだ。もう僕はボールを追うよ」。
冷たいようですが、これで私はいいと思います。
しゃがんでいるこの子に足をさっき蹴られた子も、声をかけてあげています。「俺はお前に蹴られた時に頑張って続けたのだから、お前だって頑張れよ」でもいいと思います。もちろん、友達が元気になるまで、ずっと応援してあげるのもいいことだと思います。
助け方は一人一人違っていいと思います。性格によって、色んな行動があっていいと思います。
この時、子供たちには、気づいてあげて、助けることも、(助けられる側が)自分で頑張ることも、両方とも大切だと言いました。助けてもらっている子は、友達が自分のことを考えてくれているのだから、応えなきゃ、頑張らなきゃね。
子供たちの、こういう助ける範囲、自分で頑張らせる範囲はとても適当なことが多いです。
適当だからこそ、頑張れる子が多くなるということも、実際に見てきて感じています。
子供たちの持つ、こういう大きさを大切にしたいと思っています。
ちなみにこの日、その後にも、その子にボールが当たった時がありました。
さっきと同じように、ちょっとしゃがみこみました。
すると、さっき気づいた子が、またすぐに気づきました。そして、私になんて頼らずに、自分から、「大丈夫?」を表す行動をすぐにとっていました。しゃがみこんだ子は、すぐに立ってボールを追いました。
両方の子が頑張るから遊べる。
あたり前ですけど、大切なこと、大切な経験ですよね。
こういう場を大切にしていきたいと思います。

=書籍のご案内=
タイトル 「サッカー、上達の素」 使えないワザには気をつけろ!  
内容 ・・・ 使えないワザ紹介、プレーの改善方法紹介、
大切な要素解説、 自主トレ時の工夫例紹介、他 ・・・
¥1400です。

◆お申し込み受付中!
◆書店の店頭には並びません。ご注文はソラまでお願いいたします。
お渡しは6月下旬を予定しています。
◆お支払い・・・ご注文受付後、代金のお支払いに関するご案内をお送りいたします。
一般の方からのご注文の場合、払い込みの際の手数料をご負担頂きます(価格をかなり抑えているため、ご理解いただきますようお願いいたします)。
◆ご郵送をご希望の場合は別途送料を頂きます。
1冊なら210円。2冊なら290円。3冊以上はこちらで負担します。

内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
★サッカーをする子、サッカーをする子を持つ親御さん、チームで指導をするコーチの方などにオススメです。

=サッカースクール ソラ=
千葉市で開校中 TEL : 042-534-3766
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見守ってもらえて感謝です

(2012年5月 通信No.127おまけより)
※今回のおまけは4年前に書いたものです。いつも色んなことが起きるので・・・書きたいことが次から次へと出てくるため、こうしてパソコンで眠るおまけが結構います・・・。ちなみに、今回載せるものは、前回のものと似ている部分があるので、「またか」と思うかもしれませんが・・・みんな、少しずつ成長してきたということがよくわかると思いますので載せますね。
****************************
U-6クラス、3月の練習時、ゲームの時に、相手チームの方が強いと、すぐに「もうやだ」と言って、プレーをやめてしまう子がいました。
すると、この子と仲のよい子たちが、「相手が強いとか言うなよ(そう言ってあきらめるなよ)」とか「俺と同じチームになるかもしれないからがんばろうよ」と声をかけてあげていました。
その日までにも、この子はそうなることがよくあったので(この子だけではなく、子供はよく、こんな感じになります)、私もその度に「あきらめないでがんばろう」と話してきましたし、この日は友達が何度も声をかけてあげているので、この時は、私はちょっと様子を見ることにしました。
結局、友達が声をたくさんかけても、「もうやだ」と言ってプレーをやめ、ネットに寄りかかってしまいました。
少ししてから、どうしたのかと聞くと、やはり「相手が強いからやらない」と。
この日までにこの子としてきた約束や過程もありますし、また、この日は友達が何度も声をかけてくれているので、それでも頑張ろうと思えないのであれば、今日、ここで、私まで友達と同じように優しくすることはないかと思い、ここは、友達が声をかけてくれることがどんなに嬉しいことなのか、あきらめてしまってやらないことがどんなにつまらないことなのか、一人でいることがどれだけつまらないことなのかを知ってもらおうと、「じゃ、やらないでいいや」とだけ言い、私はゲームをしている子供たちにだけずっと声をかけることにしました。とはいっても、もちろん、その子のことは頭に入れていますし、視野には入れていますが。
さて、ゲームの方ですが、この日は3チーム作ったので、交代で試合を行います。
1試合目を終えたところで、試合をしていた2チームのうち、どちらかの1チームと、休憩していたチームとを交代させるのですが、この子のいるチームを続けて試合にしてしまうと、この子をゲームに復活させるためには、この時点でこちらから声をかける必要が出てきます。でも、まだこの子は一人でいることに対して、友達が言葉をかけないようになったことに対して何も感じていません。ここで声をかけたらこれまでと同じです。ですから、ここでは声をかけません。でも、ここで声をかけずにこの子のチームに試合をさせたら、たぶんこの子が立ち直れないうちに試合が終わってしまうでしょう。
ですから、この子のいるチームを先に休憩にし、この子が最後に試合をできるような順番にしました。
そして、この子のチームが試合をしていない2試合目の間も、いっさいこの子には声をかけませんでした。
すると、しばらくしてこの子が泣き始めました。が、私はそれでも声をかけません。
この試合が終わって、この子のチームが試合になった時に声をかけるつもりです。それまでは声をかけません。その日までの様子から、おそらくこの子が立ち直るなら、そのタイミングで声をかけるのがベストだと思います。あとは、この子が子供なりにどれだけのことを感じたか、一人の時に、誰も来てくれない時にどんな気持ちになったか、です。ふさわしい大きさでそれを感じる時間は作ったつもりです。
声を出して泣くのは少しで収まり、しくしくしているところで、この子のチームの出番になりました。
ここでようやく声をかけます。「お前、やるのか?」。
この子はうなずき、話を少しだけ聞けそうな状態なので、「相手が強いからやらないなんてダメだろう。やるんなら早く来い」・・・乱暴な言葉ですが、これでOKです。ゲームもかなり頑張っていました。
練習が終わった後、「あきらめてやらないより、やる方が楽しいでしょ」「一人はつまらないでしょ」と言うと、うなずいていましたが・・・全てをわからなくても、肌にバシーンと、ちょっとでも何かが入ればいいと思います。
このケースでは、「働きかけを一切しない」という働きかけが重要でした。中途半端なタイミングで働きかけていては、それまでの、「あきらめて、励まされて何となくちょっとやって、またあきらめて」を繰り返してしまいます。それではあきらめることのつまらなさ、一人のつまらなさ、友達が声をかけてくれることの嬉しさを十分に感じることができません。ですから、この時点ではここまでする必要があったのです。
もちろん、同じことを伝える場合でも、その子に合ったやり方があります。また、同じ子でも、その時点で合ったやり方があります。今回は、それまでの経過を見てきた上で、この子に対して、この時点での、この状況での働きかけとして、この方法が良かった(と私的には判断した)ということです。
コートの中で起きていることには、必要に応じて注意をすることもありますし、注意をせず経過を見守ることもあります。褒めるべきことでも、褒める場合も褒めずに様子を見る場合もあります。
働きかけは、その時のことだけを見て行うのではなく、それまでの経過を見て行うもの、子供同士の関係を見て行うもの、その日の隠しテーマを達成するために行うものなど、様々です。
また、働きかけは、中途半端に行うと、効果が全く出ないことや、本来出るべき結果とは全く逆の結果を生むことがあります。ですから、バシッとしっかり行いたいところですが・・・実際に働きかける時には、起きている事柄が一人だけの問題のことも、そうでないこともあり、一人に働きかけることが必要な場合も、他の子も含めることが必要な場合もあり、さらに、注意を事前にした方が良いことも、その時点では注意をせずに後で話す方が良い場合もあり…その場の空気や空間をつかんでいないと、バシッとはなかなか行けないものです。そして、そのような働きかけの中でも、私が最も難しいと思うものの一つが、先ほどのケースのような、声をかけないというものです。
声をかけないと言っても、ただ声をかけないだけでなく、例えば、一人のコーチが声をかけないようにして、もう一人が声をかけた方が良い場合や、二人とも声をかけない方が良い場合もあります。
こうした場面で、コーチ同士の連携が少し狂うと、それで全てがやり直しになってしまうこともあるのですが、同じコート内にいるコーチ同士でも、子供を良い方向(失敗を経て成長していく方向)に持っていくための意思疎通(働きかけの方法、役割分担)はかなり難しい場合があり、また、コート内の子供たちが複雑に絡みあっていることもあるのです。
保護者の皆さんは、自分の子が周囲の子に迷惑をかけているように見える時は(他の子に迷惑をかけるのは申し訳ないと)、子供に注意をしたくなると思います。
そのような時でも、スクール中は子供たちに声をかけないようにお願いしているので、皆さん声をかけずに見てくれていますが、それには、このような理由もありますので・・・本当に感謝しております!

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2010年9月26日 (日)

最後のチャレンジ・・・

(2010年7月 通信No.99より)

※これも、先程の日=前年度の最終週の話です。
練習開始前にある6年生の子と話をしたら、「俺、ドリブルで相手を抜くの苦手だから」と・・・。
「えぇ・・・最後の最後でそんなこと言う~?」と内心思いながらも冷静に何故だか話を聞きました。
どうやらチームではディフェンスをやっていて、やはりそこから、「ボールを奪われてはいけない」ということがかなり体・心に刻まれてしまっているようでした。
これは責任感の強さの表れでもあります。ですが、責任感の強い子が成長しないのは納得いきません。
なので、チャレンジを要求。最後の練習なので、ここでできなければ、結構キツイ気持ちを残すことになりますが、でも、まだやれる時間はあるので、要求。
毎年、最後の練習はとくに何も言わずに、ただ様子を見ている感じですが、今回に関してはそんなこと関係なしです。
さぁ、要求・・・きっと、やるのは大変だったと思いますが・・・やりました。一回目のチャレンジ成功。
一回目のチャレンジの時、思わず私は声をあげてしまいました。
イカン・・・これでノる子もいるのですが、今回は、(この子の性格的に)ここで注目をしてしまうと、もう一回はチャレンジしにくくなるようなケースでした(あちゃ~、やってしまった、失敗失敗。ま、許せ!)。
まずかったかなぁと思い、慌てて静かにして・・・・
すると、その子は2回目のチャレンジを! 
しかも成功! 
さすが6年生。最後の最後に挑戦できた子、なかなかすごいじゃないか。
これからもあきらめずに挑戦を続けて欲しいものです。
さて・・・実はこの日、練習中に昔の教え子から電話がかかってきました。
この子は幼稚園の頃、転んでよく泣いていました。もう、まったく普通の幼稚園の子。その後、私はそのスクールを離れたのですが、違う場で再開。そこでも、その子はまったく普通の3年生、4年生だったので、私に怒られることもよくあり(そこでも怒っていたか、俺…)、泣いたこともあります。
その後も離れることになったのですが、さすがにその後は一緒にはサッカーはできず・・・ですが、その後もこの子は普通の小学生で、たまに突然連絡をくれ、何事かと思ったら「何となく」だったり、メールを開けたら「コーチの顔、ウンチみたい」という内容だったり・・・(小学生はウンチ大好きですからね・・・大好きなものに例えたのだから許そう・・・・って許すか!)。
あ、お食事中の方、すみません。クレームは、コイツまで。
・・・そんな子がいつの間にか高校生。
木曜日コースの最後のスクール中で、しかも出にくいタイミングだったのですが、子供からの電話なので、何事かと思い、出てしまいました。
電話で聞いたこと、話したことは・・・さすが、4月から高校生。ちょっとは成長したようで、「コーチの顔、・・・」とは言いませんでした(・・・ホッ、もしこのタイミングでそんなことを言いやがったら、マユ毛をマジックでつなげてやるからな←良い子はマネしちゃダメですよ~)。
電話で話したこと・・・まさにこの日の子たちに話すとちょうどいい内容でした。
自分のできることを少しずつやる。その結果、今の自分からはとてもできないと思うようなこともできるようになる。それをしっかり証明する、この子からのお知らせの電話でした。
すごいじゃんか、やるじゃんか、クソー。
それにしても、この電話のタイミング、なんかウソみたいです。すごいタイミング。
電話を終えたすぐ後、あまりの電話のタイミングの良さと話の内容のピッタリ感に驚き、ちょっと真面目顔で、不思議な気持ちになっていると、そんな表情の私に、練習中のある子が何かを言おうと近寄ってきました。
「お、コイツにも何か伝わったか?」と思い、話を聞くと、
「コーチ、すごいよ!  ○○が、すごいダジャレを考えたの!」
「・・・お、おう・・・」・・・・これがソラの子です。これはこれで、すごいでしょ。
でも、こんなあたり前の子供に、たくさんの可能性、力が秘められているんですよね~。
楽しみ楽しみ。

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不自然なことを教えると・・・

(2010年7月 通信No.99より)

※今年度の話ではありません。
ある日のU-9クラス、1人対1人の対決形式の練習をしている時のこと。
ドリブルをしている子に対して、ボールを奪いに行った子が肩でドン!  
この「ドン」がちょっと強すぎ。
当たられた子が「押すなよ」と言うと、当たった子は、「肩なら当たってもいい」ということを教えてもらったか覚えたかしていたようで、「肩だからいいんだよ」と言いました。
プレーしている相手の肩に、肩を当てて押すのは反則ではありません。でも、過剰な力やプレーできない状況(ボールが離れているなど)では反則になります。
さて、その当たられた子は、相手に文句を言ってもそう答えられてしまったので、気持ちがおさまりません。
この1対1の練習では、その後のゲームで子供たちがどんな感じになるのかを見ておくために相手を決めていたので(対戦相手が変わらないようにしているので)、もう一回順番が回ってきたら、また同じ相手と当たることになっています。
・・・もうどんな感じになるかはだいたいつかめたし、どうしようかな? 
もう一回やらせるのはちょっとな・・・ということで、さらっと順番を変えちゃいました。
順番を変えずに、気持ちのおさまらない子に「あれはワザとじゃないんだよ」と予め説明し、プレーが荒れないようにしておいて対戦させるのも一つの方法としてありましたが、あの当たり方をされたら、説明を受けてもおさまらないのが普通だろうし・・・。
それに、説明を聞いて「はい、わかりました」も、このケースではちょっと違うような気がするし(私なら納得はできないでしょう)。
なので、ここでは話をせず、その後、間を置いてから話しました。
話した内容は、
その当たった子が、まだ(その時点では)スクールに入って間もないこと、
ソラには、チームに入っている子、他のスクールに通う子、チームやスクールに入っていない子など様々な子がいること、
それぞれのチームやスクールでは、まったく違うことを教えることがあるということなどなど・・・。
そんな話をしたら、まず、「えっ、入ったばかり?」と言い、その後の話も聞き、わかってくれたようでした。
また、当たりに行った子には、「相手が痛がっていたら、自分がしたことが反則じゃなくても、“別にいい”ということはないだろう?」と話しました。
さて、当たられた子は、この後・・・けっこうケロッとしています。
この子の、こういうところが私は好きです。
悪いことやずるいことをした奴には「なんだ、てめー」となりますが、相手が勘違いをしている場合や、「なるほど」という理由がある場合は、ほどよくわかってくれる。この大きさが子供らしくていいのです。
・・・ところで・・・
不自然なことを教わり、それを意識してやると、一生懸命やっているのに、それが「反則」につながることや、成長にとってあまりプラスに作用しないということが、たまにあります。
自然にやらせておけばいい感じでプレーできる、いい感じで覚えていけるのに、段階や状況などを考慮せず、形を教えてしまったりすると、今回のようなことになってしまうことがあるのです。
同じように、子供が相手に抜かれた後、ボールを奪い返す時に、“まず体を当てに行く”ことを“意識して”やろうとするのを見かけることもありますが、“体をぶつける”をまず意識していることで、かえって動きが遅くなったり、不自然になったりして、しかも後ろから相手を押す形になってしまうこともあります(後ろから押すのは反則です)。

そんなことを考えずに相手やボールの動きに反応して素直に動けば、どこに戻ったら守れるか、どういう風に動けばボールを奪えるかという“本能的な部分”で、すごく良い動きをできるのに・・・と思うことがあります。
子供たちのサッカーでは自然にボールを追いかけていれば、自然に、結果的に肩で相手を押すような格好になったり、上手に体を使いあったりしていくものなのですが・・・。
ちなみに、そういう不自然な動きでボールを取れることがあっても、私は子供を一切褒めません。
その子は一生懸命ボールを取ろうとしていると思うので、それを否定することは避けたいものです。ですから否定はしませんが、その代わり、褒めてそれを強化してしまうようなことも絶対にしないようにしています。
そして、改善できるように違う方法でアプローチをかけるようにしています。
ちょっと、話が専門的になってしまいましたね。わかりにくくてすみません。
さてさて、実はこの前、「私はサッカーの経験がないので」と、ある指導者の方がおっしゃっていました。
ですが、ルールを知らない子供でも、「自然にボールを追う、触る」ことをしていれば、「反則」って実は起こりにくいものなんです。
「ルールがわからないから、どう教えていいかわからない」という方は、子供に自然にプレーさせることができたら、それだけで十分、子供のためになっていると思います。ですから、そのような方も安心して下さい。
子供のサッカーでは、「子供らしく」がとても大切なキーワードなのです。

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大人のいないサッカー・・・・ その2 

(2010年7月 通信No.98より)

今(これを書いている時点)、まさにワールドカップ期間中ですが、ワールドカップの歴史を振り返る時に必ず出てくるのが、1974年にオランダが見せた、「トータルフットボール」・・・全員攻撃、全員守備のサッカーです。
この時のサッカーが、その後のサッカーに与えた影響はすごく大きいと言われていますが・・・私が考えるに(とか偉そうに言ってみたりして)、多くの人を魅了したこのトータルフットボールの本質は、「サッカーを大好きな子が自然にするサッカー」です。
今は色んなことを教わっている子も多そうで、また、チームで好成績を上げることに満足する子も多いかもしれないので、どうなるかはわかりませんが・・・一昔前は、監督のいない中で子供たちが空き地で繰り広げるサッカーは、全員攻撃、全員守備が当たり前でした。
みんな、サッカーがやりたくてやっているのでボールを触りたくてうずうず・・・ポジションを「バック」と決められても、攻めたくてうずうず・・・だから、味方ボールの時には攻めてしまう。そして、守りの時には必死に戻る。
守るのももちろんバックだけでなく、フォワードとか攻撃のポジションになっても、守りの時には守る。ついボールを追いかけちゃってものすごく守っちゃうこともあるし、「俺はフォワードだから守らないよ」みたいな顔をしていたら、「お前も戻って来いよ!」と味方に怒られて守ることもある。怒られるのもあたり前で・・・「自分たちが苦しんでいる時に何もしないヤツになんて、パスなんかするもんか」ってなるのが普通ですから。
攻めの時だって、(守りの子が疲れたりして後ろの方にいて)味方の人数が少なくてうまく攻撃ができない時には、守りのポジションの子に向かって「お前らも(攻めに)来いよ!」って。
勝ちたいけど、それよりもサッカーが好きでやっているのだから、ただ要領のいいヤツや気分的にプレーするヤツになんか、サッカーで楽しい思いをさせるかって感じです。
結果的に、全員で守り、全員で攻めることに。
プレーに絡まずに仲間に怒られることもありますが、基本的にはみんな「ボールが触りたい」からやっているので、ボールを触れそうなところを探してどんどんそこに入り込んでいく動きが自然に多くなります。
また、「もし味方がボールを奪われたら、俺が拾おう」と、味方の後ろからちょうどいい距離で付いて行く動きも増える。そうすると、結構いい感じで、みんなが流動的に動けるものなんです。
ポジションは、「一応ある」って感じですね。ポジションを決めないこともよくありますし。
スクールでのゲームを見て私が楽しいと思うのは、こういうサッカーを子供たちがしている時です。
とにかく自由に動き回る。得点パターンや誰がどこでどんなプレーをするかなんて決まっていない。予測できない、連動した動きがたくさんあふれている時、「ああ、子供らしくていいじゃないか。サッカーを好きな子の動きでいいじゃないか」と思います。こういうサッカーは見ていて本当に魅力的です。
大人のいないサッカーは、実はこういう大きな魅力、可能性も含んでいるのです。

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大人のいないサッカー・・・・ その1 

(2010年7月 通信No.98より)

U-12クラスの話です。
たくさんの子のドリブル技術が向上していますが、その中に、いつも順調という感じではなく、よく自分で悩み、解決しながら成長を続けている6年生の子が一人います。
とても上達していますが、技術を身につけ満足するのでも傲慢になるのでもなく、アドバイスするとそれが自分のプレースタイルとは合わなくても吸収しようと試み、ちょっとつまずき、またさらに成長するという感じ。
見た目は凸凹。ですが、凸凹凸凹凸凸凸という感じで、長い期間で確認すると、大成長しています。
ちなみに私の髪の毛、見た目はモジャモジャ。ですが、モジャモジャモジャモジャジャという感じで、うっかり見ると大爆笑してしまいます。整えるのが面倒くさいだけです。クセっ毛が悪いのではありませんよ。
失礼・・・・・・(真面目な話をしていたんだった・・・・)話を戻して・・・
こういう成長は強いです。体や心が、成長していく時の達成感を刻んでいくでしょうから。
そんな子がいるクラスに、新しく5年生の子が入りました。
入ってから少し時間がたち、周囲の子のプレーを把握し始めた頃に、私は「この中でだれがうまいと思う?」と聞いたことがあります。みんながそれぞれ異なる部分で良いところがあり、だれがうまいとは本当は言えないのですが、この子が周囲の子のプレーをどれぐらい把握したのか、ちょっと聞こうと思いまして。
そして、この質問をした時に、この5年生の子が答えたのが、その6年生の子の名前でした。
さて、その数ヶ月後のゲームで・・・
この5年生の子が、その6年生の子からボールを取りました。
すると、その6年生の子は、すぐにボールを取り返しに動いたのですが、この時、その子はサッと腕をひっぱり、ボールを奪い返したのです。反則です。らしからぬプレー。
ちょっとぐらいの引っ張り合いなどがあっても、私はゲームを止めませんがこの時は止めました。
だって、こんなプレーをしていたら、上手にならないと私は思いますから。
正しい方法でボールを取ろうとすれば、頭の回転も体の動きもどんどん素早くなるし、多くのアイデアも浮かぶのに。この時のこの子の動きは「悪質」という感じは全くありませんでしたが、わざと腕を引っ張るのは、「取ろう」という気持ちだけでなく、「ちゃんとしたやり方では取れない」という考えが多少なりともあるからです。
これは、自分の力を成長させる考え方ではありません。
よく日本人はずる賢さが足りないと言われ、そのずる賢さの中には、こういう腕の使い方なども、場合によっては含まれていることがあります。ずる賢さは、反則でないものならいいでしょうが、反則になるものは、例え賢くても、私は認めません。審判に見破られる、見破られないに関わらず、反則は反則なのです。
だいたいそんなプレーをして、審判にバレずにボールを奪い返せたとしても、サッカーを好きなヤツがやって嬉しいプレーだとは思いませんから。そして、サッカーを好きなヤツがやられたら、すごく腹の立つプレーだと思いますから。私のスクールでは間違いなく、こういった部分は成長させません。ですから、こういう部分も含めサッカーを上達させたい人には不向きなスクールです。すみません。
プロ選手もこのような反則をすることがありますが、ここで触れると長くなるので触れません(豊田が長い話を聞く犠牲になりました)。ですが、私はそんなものないのが本来のサッカーだと思っています。
この日の練習後は、全員に対し「そんなプレーは覚えるな」と言いました。
その子はおそらく軽い気持ちでやったのでしょうし、悪意などないでしょう。
でも、この子、本当にサッカーを好きになっているのに、どんどん上手になっているのに、こんなの覚えてサッカーの“最上級の楽しさ”を味わう時間を減らしたら、もったいなさすぎるでしょう。体と心でバシッと味わうことのできる達成感。サッカーをすごく楽しみ、すごく成長しながらプレーしている時に勝手に入ってくる感覚 ― こういうものを感じる機会がたくさんあるのに、その機会をなくすのなんて、なんてもったいない。
その日は、それ以上は言いませんでしたが、言い方としてはかなりキツイもの。
こういう言い方は場合によっては逆効果にもなりますが、この子がちゃんと受け止め、また元の彼に戻ってくる自信が私にはありました。
だって、絶対に体と心に今までの成長の過程で、強い達成感が刻み込まれているはずですから。
もちろん、もう、そういうずるいプレーもサッカーの一つというような感覚が入りきっていて、私に言われても気付かなくなっている可能性もあります。
そういう段階であれば、先程のような言われ方をすれば、私に反感を持ってもおかしくありません。
さてさて、翌週の練習・・・
その6年生の子に、先週の(腕を引っ張った時の)話は特にせず、「アイツ(腕を引っ張られた5年生の子)が、お前のことを一番うまいと言っていた」ということだけをサラッと伝えました。
そうしたら、その子、「でも俺、やっちゃったじゃん」って。先週の話なんてこっちからはしていないのに。
さすがでしょ、この子。自分で覚えているし、自分から言うし。
その後、その子のプレーがまた超成長モードに戻ったのは言うまでもありません。
この子はかなり上達してきていますし、こういうずるいプレーや軽いプレーに走り出してしまってもおかしくないところまでは来ています。
でも、間違いかけても、自分でちゃんと基準の道まで戻って来ることができる。どんなプレーが楽しいのか、やっていて嬉しいのか、それをわかっている。心と体に良いものを詰め込みながら成長している証拠です。
自分で努力して技術を身につけてきた子ですから、できなかったことができるようになった瞬間や、サッとプレーがひらめいた瞬間、体がとっさに反応した瞬間の感覚、達成感を体と心が覚えているのでしょうね。
凸凹のある成長ですが、大切なものを身につけながらの成長に拍手。ついでに私のモジャ毛にも拍手。
さてさてさて、まだ話は終わらず・・・(「えーっ」という声が聞こえてきそう・・・)
一般的な話で・・・サッカーを好きな子が公園で繰り広げる「大人のいないサッカー」、いいですよ。
ムキになって、相手からボールを取りたくても、まず反則はしない。
結果的に反則になってしまうことはあっても、故意ではない。仮に一回、出来心でわざと相手の足を蹴ってしまっても、嫌な気持ちを感じたり、適当なしっぺがえしを食らったりするから、そういったことが繰り返されることがまずない(完全におふざけで、なんでもありという感じで、反則を楽しみながらサッカーをしていることはありますが、それは、それが「最高」とは思っていない上でのことですから「あり」です)。
もし本気の相手に軽い気持ちで反則をしたら、すごく怒られたりして。
お互いにかなりムキになってやりますが、反則ばかりでは絶対に成り立ちませんから、みんなで調整しながら進めるはずです。大人なんていなくても、審判なんていなくても。
なんで、こんな風にできるのかと言えば、サッカーが好きで、サッカーをやりたくてやっているからです。
何にも縛られずに、単純に、サッカーを、プレーを、楽しんでいるのです。ですから、無意識のうちに、(やってもつまらないし)反則をしようなんて思わないサッカーになっているのです。
あたり前ですよね。
審判に気付かれないように相手の服を引っ張ったり、足を蹴ったりできるようになった時の達成感と、相手を抜くことができたり、狙った所にボールを蹴れるようになったりした時の達成感と、どちらの方が強いか、どちらの方が心と体が喜ぶか、サッカーを好きな子ならわかるはずですもん。相手をあざむく達成感よりも、自分自身をより強く肯定することができる達成感の方が、人としての成長にも大きな力になるでしょうから、きっと本能でこっちを選ぶのでしょう。
― もうすぐ夏休み。子供たちはたくさんサッカーをして遊ぶと思いますが、サッカー自体、プレー自体を楽しむ経験、たくさんのことを吸収できるこういうサッカー、めいっぱいするといいと思いますよ。
どんなことが楽しく、嬉しいのか、体と心でよくわかりますから。

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