おふざけっぽく見えますが―いいんです!…たまにダメだけど( ̄∇ ̄メ)
(2015年10月通信より)
ある雨の日、スクールに来た低学年の子が、「もっと遊びたかった!」とプリプリ。
雨で練習が中止になればもっと友達と遊べたのに、中止にならなかったので遊べず。だからプリプリしているんです。その様子を見ながら、「あはは、子供ってそうですよねー」と親御さんに話していると、違う子が突然来まして。開口一番、「やめる!」とΣ( ̄ロ ̄!!)
と、突然なんだ?! 後でちょっと書きますが、この子、せっかくいい感じになってきたところなのに!
うーん、恐るべしソラッ子、色んな意味で想像を超えてまーすヽ(T▢T)ノ
ちなみに、この子も、雨の日は「友達と遊べる!」となり、雨でも練習があると「行くのヤダー」になるそうなのです。プリプリ君と同じですね。2人とも、練習が始まればいつもすごく楽しそうなんですけどね…。
気持ちはわかりますけどね。友達と予定が合わず、学校の友達とゆっくり遊べる日もなかなかないのでしょう。…ですが、こうして子供がプリプリしても、ここに連れて来てくれた親御さんに感謝です。
はい、ここは子供が嫌がっても「無理やりでも連れてきちゃって下さい」空間なのです。
ちょっと話がそれますが…今回の子たちには関係のないことですが、子供同士では、誤解からお互いがすごく離れてしまうことがあります。(全ての場にこの考えを当てはめることはしませんが)それでも同じ場にいれば、誤解を解くことができます。ここでは、そういう経験を大事にしていますが、それは、自分や友達を肯定する力をたくさんつけることができるからです。こうしたことを経てすごく仲が良くなった子、成長した子がここにはたくさんいまーす。
…話を戻しますね。そう、こんなことから始まった日でした。
出欠確認時、プリプリ君が涙目になっている様子を心配そうに見ている子がいました。また、「やめる」と言った子も、プリプリ君と同じ気持ちがその発言に影響しているのは明らかなので、「コイツとコイツは、今日、練習があったから、友達と遊べなくなってがっかりしてるんだよ」とみんなに説明しました。(こういう時、その子に注目が集まらないように触れないでいることもありますが、ここでは色々と狙いがありまして、説明しました。)すると、3年生の子が「普通、そう(友達と遊びたい)でしょ」と。あはは、そうだよねー。
でも、ここにだって友達はいるからね。毎日会うわけじゃないから、学校の友達のようにはなれないかもしれないけれど…ここの子とも遊ぶのを楽しみにしてほしいんです。(ここに来ること、ここの友達に会うことをすごく楽しみにしている子が多いことも、皆さんから話を聞いているので、ちゃんとわかっていますからね!)
ここに来ている、それぞれの子の良さを私は知っているので、そういうことを知らないでいるのは、子供たちにとって本当にもったいなくて。みんな、自分では気づかないかもしれませんが、お互いを助け、助けられ、とても成長しています。だから、ここでたくさん関わってほしいなって思います。…また脱線…すみません!
さて、こういう雨の日は…はい、水たまりがあるんです。施設の方が水たまりをなくそうとしてくれるのですが、私が「そのままにしておいて下さい」とお願いしています。だって、子供たちにとって、水たまりは最高の遊び道具。それに、水たまりで遊んでいると、サッカー技術の素もすごく身につくんですもん。そして、はい、さっき涙目になっていたプリプリ君も、このコートの中ですっかり元気に。これでプリプリ君はもう大丈夫ですね。良かった良かった、です。
…あ、書き忘れていましたが、この曜日はおふざけ感が強く、毎回、「まったくもー」です。ですが、ちょうどイイ感じのことも多く、実は、この曜日の「おふざけ感」がそこにいる子たちに与えるプラス要素はとてもたくさんあります。気をつけないとマイナス要素を生んでしまうことがあるので、そうならないように気をつけていますが、かなり面白い空間です。
― さてさて、そんな日のゲームのチーム分けでは ― この日、特におふざけ感を出していたA君、B君、そして、いきなり「やめる」と言ったC君を同じチームにしました。
A君のふざけ方とB君のふざけ方はちょっと違っていて、A君はどんな状況でもおふざけ感が変化することなく、その上に楽しさのみを乗っけていく感じで、B君は、おふざけ感があるものの、プレーが良くなかったり、負けてきたりすると悔しさが勝っていく感じ。この微妙な違いで、C君の良さも出してくれると思うんです。
私は、この3人に特別な働きかけはしていないですよ。ただ、それぞれの子に良さがあるから、一緒のチームにしただけです。そして、事の成り行きを見守ることにしました。
すると、ゲームでは、A君もB君もおふざけ感はありますが、頭も体もすごく動いていて、いい状態。C君は…時折がんばるものの、まだ100%じゃないですね。惜しい、もうちょっとですね。でも、このもうちょっとを得るのが難しい。
1ゲームめはそのような「惜しい感じ」で終了し、休憩を与えると3人で遊び始めました。イイ感じです。ですが、もうちょっと3人の距離を縮めたいので、この日は、休憩中は水たまりの方で遊んでいいことにしました。すると、「やったー!」と水たまりの方に行き、3人で遊び始め・・・なんか、さらに、イイ感じに。
ゲームの順番が来て、そこから帰ってくると、さっきのゲームよりもくっついている感じが。
A君とB君は、これまで同様、おふざけ感ありのお楽しみモード。C君もさっきよりも明るく、元気。おふざけ感もあり。ただ、少し、A君、B君と離れている感じ。本人は、頑張っているつもり、楽しんでいるつもりだと思うんですよ。でも、おふざけ感、頑張る感が、自分だけのものになっていたんです。それでいい年代であることは確かなんですが、この子がもっと楽しむには、この部分が他の子とくっつく必要がありまして。(私がそう思っているだけなんですけどね。)
こうしたチグハグな感じの中で、ゲームの流れは相手の方がイイ感じに。そして、プリプリしだすB君。次第に、A君とB君のおふざけモードが組み合わさりにくくなってきました。これだと、A君も自分らしいプレーができません。
私は外から、もうちょっとC君がプレーに関われるといいなと思って見ていました。C君は頑張っていないのではないのです。ですが、この時、C君は楽しみながら(セリフ付きで)ボールを取りに行くものの、いつもかわされていました。その動きがさっき書いたように、(気持ちの面から考えて)自分だけのものになっていて、他の2人と離れていたんです。ここが(他の2人に)引っかかればなぁと。
こういう時の言葉かけは難しく…。この子の、この楽しむ要素はとっておきたい。でも、このままでは楽しい結果を生まない。そして、声をかけようか、声をかけずに変化が出るのを待とうかと考えていると…同じ抜かれ方を繰り返していたC君の両肩にA君が手をかけ、顔をじっと見て何かを言いました。どんな言葉を言ったのかはわかりませんが、表情からは、おふざけ感も含みつつ、セリフっぽく、でも、「今だけは頑張ろうぜ」ということをちゃんと伝える強さ(押し付けるようなものではありません)があるものだったと思うんですが…。どんなことを言ったのか気になりましたが、もし、ちょうどいい言葉を言ったのだとすると、そこの空気を壊すわけにはいかず…。ですから、様子を見ることに。
すると、明らかにC君の動きが良くなったんです。ボールを取りに行くタイミング、足の出し方、動きの素早さ…すごくいい! もちろん、何かを言われてイヤイヤやっているというのではなく、自分から動いていて、伸び伸びしていますよ。動きも言葉も、独立したものではなく、一緒に遊んでいる(プレーしている)他の2人とくっついています。
なんじゃらほい、魔法の言葉? そして、A君、B君、C君、かなり良くなりまして…「すごいね!」です。
以前も、直接的・間接的に関係し、プラス効果を生み出した3人のことを書きましたが、今回もそのような感じですね。
B君のプリプリはA君からC君への働きかけを生み、A君の一言はC君に動きと関わりを持たせ、C君の最初の離れた感じとその後のナイスプレーが、B君のガマンの幅を広げました。(B君はたまにイライラが強くなり過ぎ、自分の良さを出せなくなることや周囲に自分を誤解させてしまうこともあったのです。ですから、ガマンできる範囲を少しずつ広げてきているところで。そして、その範囲が大きくなるにつれ、周囲の子がこの子の良さをよりよく知り、また、自分でも自分自身をより認め、自信を大きくしているところでして。この子には、こうして、ほどよくプリプリし、そして、イライラしないことでプラスを得る経験が必要なんです。あ、この子、すごく優しくて、年下の子をよく助けてくれていまーす。)そして、A君はまた自分のお楽しみモードをレベルアップさせました。
ふざけているように見えることもある○曜日ですが、実は、それぞれの子を成長させる、大きな力があったのでした。
なので…いいんです、あんな感じで。
◆ちなみに、この次の週のこの3人は、さらに自分を進化させていましたね。「やめる」と言った子は、続けることに。3人の自由度、伸び伸び度はさらに上がっていましたよ。もちろん、関わり方も。良かったですね。
◆「やめる」と言った子は、以前から、友達と遊びたいためにここに来るのを渋る日があったそうなのですが(それが今回の発言にも結びついています)、そういう時でも、ここでの練習後のすごく気持ちよさそうな表情を見て、他の場ではそこまでの表情は見せることがないと保護者の方が感じて下さっていました。そして、そういった子供の様子から、親御さんとしては、ここに通わせたいと思って下さっていたそうです。一見、「なんだここは?!」と見えることもあるような空間なのですが、こういう捉え方をして頂いて、とてもありがたいです。
私は私で、この子の表情がずっと気になっていて、今のような感じに早くしたいと思っていました。そして、実は、この「やめる」発言の前の週にイイ感じになっている様子を見て、ブログに「やったー! 溶けたー!!!」と書くほど喜んでいたところでした。(空間へのこの子の「溶けた感」が嬉しかったので、「融合、YOU GO、優×5」なんて下らないことまで書いてましたー。)その後、ま、まさかの「やめる」発言を聞くことになるんですけどね…。(←保護者の方と話したところ、深刻な発言ではなかったようです。)まったく、ソラッ子ってば…。
◆ついでに書いておきますね。さっきのゲーム中、A君が相手チームの子(年下)の足をちょっと蹴って転ばせてしまった場面がありました。イイ動きで足を出したのですが、相手の子の動きとの関係で、引っかかってしまったんです。すると、その子が転んだ瞬間に、「あ、ごめん! 大丈夫?! ここから(スタートして)」と言って、謝ると同時にプレー再開の準備をサッとしました。謝り方も表情も大マジメ。おふざけのように見えて、気づきにくいものに気づき、行いにくいことも行えるんですよね。こうしたことからも、心と体がすごくいい状態で動いているのがわかります。
◆ちなみにちなみに…この曜日の、こうした雰囲気の中で、なかなかボールを取りに行けなかった子が取りに行けるようになったり、人のいる密集地帯に入っていけなかった子が入っていけるようになったりしています。それは、そこにある雰囲気が楽しそうだからなのだと思います。自然に、心と体がそこに向かうような。そして、それぞれの子が、改善すべき部分を、いつの間にか改善、克服しているんです。
◆そうそう、魔法の言葉? どんなことを言ったのか、練習後に、A君に聞いたんですけどね、「忘れちゃった」って…。きっと魔法じゃなく、子供たちにとってはあたり前の言葉なんですよね。魔法使いを超える素の子供。もうー…グッド。
…こうしたことが、ここでの「おふざけっぽい」空間の中には溢れているんです。いいですよね、ソラッ子の作る空間。
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