協調性・達成感の元
(2013年11月 通信No.146おまけより)
ある日のU-12クラス。
1グループは3~4人ぐらいで、数グループ作り、他のグループと競争させました。
投げたボールを蹴り返し、それを次の人がキャッチ。それを順繰りに行い、連続で10回できたら終わり。ここでは練習内容はあまり重要ではないので、詳しい説明は省きますね。
この競争は、「ボールを落としたら、ゼロ回からやり直し」です。
競争を行う前に、それぞれのグループで練習を行っていたので、まだボールを取るのがあまり得意ではない子、ボールを蹴ることが難しい子、器用にそれらをできる子がいることを、グループ内の子はお互いに認識しています。
でも、競争です。やっぱり勝ちたいはずなのです。まだボールを取ることが得意じゃない子は「ヤダな」と思う部分もあるでしょうけどね。でも、やりますよ~、競争。
さて、あるグループの様子。
競争開始前、S君(その子のイニシャルではありません)がO君(これもイニシャルではありません)に「絶対取れよ!」と言いました。O君は浮いたボールを取ることがまだ難しそうな時もあります。だから、ちょっとドキドキしたでしょう。S君も、そういうことはわかっているのです。ですが、勝ちたいのです。それに、応援もしたいのです。その「絶対取れよ!」です。言い方には強い部分も雑な部分もありましたから、プレッシャーになるかもしれないですが、応援にもなる、カラッとした、ちょうどいい感じの声でしたね。競争ですから、ドキドキしていいんですもん、O君も。
そして、競争が始まり、ボールが投げられ、S君が蹴り、ポワーンと浮いたボール。
O君にとっては、ちょっと取るのが難しいんじゃないの~? というボールを、はい、O君が取りました。取るまでの動きは、やっぱりドキドキですよ。でも、手をちょっとぎこちなく伸ばして、本人なりに一生懸命、ちゃんと取りました。その瞬間、それを見たS君は「やったー!」ですよ。取ったO君も嬉しそう。
競争に勝ったわけではなく、ただ浮いた球を、もしかしたら落としちゃうかもしれないぞという段階の子が取っただけ、それで嬉しいのです。
友達の様子をよく見ている子は、友達を適切な大きさで支えること、応援できることがあります。
そして、自分とグループの目標を達成するための、たった一つのこと、小さなことでも、こうして嬉しく感じることができます。そういう子に接する子も、自分の行うたった一つのこと、小さなことから、自分の中に、友達との関係の中に、嬉しさを感じて行くことができます。
こういう子たちも、サッカーの練習に来ていますが、多くの子は本当はゲームが一番楽しみ。その前の練習メニューは、できれば早く終わってほしいと思うこともあるでしょう。その練習の中の一つの競争での様子。そして、その競争の中でも決着をつける段階のものではなく、たった一つの過程。それも、何回も取ることが繰り返されるはずの中の、たった一回、一つのボールを取っただけ。それでも、この嬉しさ、表情。
こうした子たちがするサッカーには、どれだけ多くの楽しさが詰まっているのでしょう。本来、どれだけの楽しさが詰め込まれているべきなのでしょう。
子供たちには、こうして、瞬間瞬間で、ふさわしい栄養を得て行ってほしいと思いますよね。
ちなみに、この競争で、そのグループはですね、その後も「やったー!」と連続でボールを取り続け、ちょうどいい頃にL君がボールを蹴るのをちょっと失敗。ボールが落ちてしまいました。
ドキドキが少しずつ大きくなっていったんでしょうね。その後の足が一瞬、“あらら足”。おそらく顔も“あらら顔”。そして、グループも一瞬、あらら。でも、もちろん、「・・・うわー! でもやろうやろう!」です。まだ終わってないし、勝てるかもしれないし、楽しいし。
こうして目の前の友達とのやりとりから、協調性の素をたくさん学んでいってほしいですね。
色んなことがたくさんたくさん起こるソラの練習。
子どもが怒ることもたくさん、泣きそうになることもたくさん、笑うこともたくさん。
コーチが怒ることも、笑うこともたくさん。
でも、本当に楽しいです。
四街道、佐倉、八千代、船橋など、市外からの参加も多数!
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