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2013年3月 5日 (火)

すっげー言葉

(2013年3月通信No.137「おまけ」より)
ある曜日のU-9、いつも通りのやりとりがありまして…と、その前に…この後、「ふざける」という言葉を使います。「ふざける」は、子供たちにとって、「楽しむ」「一生懸命」とほぼ同義語だとも言えますが(子供たちは気づいていないこともありますが)、とりあえず、ここでは細かいことは考えず、普通に捉えて頂いて構いません。
では改めまして・・・ゲーム中にある子がふざけていて、一生懸命にやっているチームメイトが、怒っていました。
何回も、「○○もやってよ」「走ってよ」と声をかけていたのですが、動きも態度も変わらないので、言葉も強くなり、文句のようになりました。この時のこの言葉や言い方は、私は「あり」だと思います。まあ・・・怒っているこの子も、自分がふざけて、他の子にそう思われることや言われることもたくさんあるんですけどね。
さて・・・それでもふざけている子に変化はなく・・・なので文句は続き・・・。すると、相手チームの子から、「○○だって、ちゃんと走ってたじゃん」「なんでイヤなところばかり言うんだよ」と。この声は、「いいところだってあるだろ」という思いを持つ声でした。そして、ふざける子に対して文句を言っていた子が、逆に、おふざけ君を守ろうとする子たちから文句を言われるような感じになりました。さらに、○○君が、「俺、××(文句を言っていた子)、イヤだ」と。この言葉も、「あり」です。ずっと文句を言われていたら、そう言いたくなるでしょうし。とはいえ、最初に普通の感じで自分にかけられた「やってよ」という言葉を受け止めていれば、その後に文句を言われることもなかったこと。ですから、一緒に遊ぶ子同士で「あり」の言葉を発した子が「悪い」ような感じになるのもちょっと違います。
文句を言う側も言われる側も、自分自身で考えるべきところがあります・・・どちらの子も私は「いい」と思いますが。これから色んなことを学んでいく子たちですからね。
この時は、どの言葉まで放っておき、どの言葉から拾うか、彼らの空間をどこまで見守り、どこから入るか、そういうことを考えながら、一緒にサッカーをしていました。あまり大人が入っていっても良くないですし、でも、放っておいては(子供だけでは)わからないこともありますし。
子供にサッカーを教える時、こういう部分は難しいところですが、もっとも気をつけるべき部分です。「サッカー技術の上達」という観点から見ても大切なことです。心はプレーに大きく影響しますからね。
この時は、ある段階で、子供たちに話しました。その時に必要だと思った範囲の話だけを。文句を言っていた子も、言われていた子も、他の子も、ちゃんと受け止めていましたよ、ふさわしい大きさで。
外から見ていたら、落ち着きがないように見えるかもしれないですけど、私としては、とても「イイ」「子供」たちに集まってもらったと思っています。すごく怒ることもありますけどね。ちなみに、怒っている時でも、子供たち一人一人に対する気持ちは変わりません。全部、子供、空間のことを考えて行っていることですから。
…ところで、「なんでイヤなところばかり言うんだよ」と「○○だって、ちゃんと走ってたじゃん」と言った子は別の子ですが、今、こんな風に言っているこの二人も、これまでに「誰々がイヤだ」と言ったことも、お互いに相手のことを「嫌い」「ムカつく」「絶対イヤだ」と言ったこともあります。それが今では、言い合いもするけど、その後にもう一回くっつくことができたり、思ったことを言ったり言われたりしてムッとはしても、その後に時間をかけて自分のしたことや相手の言葉を吸収しようとしたりして。さらに、どちらかが困っている時には助ける、そんな関係になりました(もちろん、他の子が困っていても助けてあげています)。この日にふざけていた○○君も、そういうことをこの二人と繰り返してきました。そういうことがあって、あたり前のように、「なんでイヤなところばかり」とか「○○だって」という言葉が出たのでしょう。
こういう声をあたり前のように出してくれる友達がいたら、どうですか、皆さん。すごいと思いませんか。
周りからイヤなことを言われても、自分のことを認めてくれる人がいる。自分の良さをわかってくれている人の存在。自分にだっていいところがあるのだということを教えてくれる人の声、存在。
大げさじゃなく、こういう言葉を発したり、受け取ったりする経験が、子供たちの成長、人生に大きな役割を果たすと私は思っています。自分の存在、友達の存在を大切に考えられる、あたり前だけど、決して見失っちゃいけない柱をしっかりと作るのに、大切だと考えています。だから、サッカースクールなのに、そういう話が多くて、練習が止まることもありますけどね。でも、子供たちの成長を大きな視点から見た時に必ず力になるものが、それよりも小さな範囲のサッカーのことに影響しないはずはないんです。子供たちの動き、プレーを見ればはっきりわかりますけどね、こういうことも。とんでもなく上達していますもんね。
今回出てきた子たち「も」たくさん私に怒られたことがある子たちですが、私にとっても、他の子にとっても必要な存在です。
子供たちには、それぞれ、色んな仲間が必要です。色んな良さを持った友達が。それぞれの子が自分を出して存在しなくては、自分から出さない時には友達が引っ張り出さなくては、色々な良さを見ることはできないし、色々な良さを持った友達も見つけられません。自分を出していい空間。自分を出させる空間。長所・短所、様々な性格…凸凹溢れるこの空間、最高のものが溢れるこの空間を大切にしていきたいと思います。

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内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
★サッカーをする子、サッカーをする子を持つ親御さん、チームで指導をするコーチの方などにオススメです。

■sola(ソラ) TEL 042-534-3766
サッカースクール・ソラ。千葉市で開校中。四街道、佐倉などからも子供が通っています。
■ソラ・HP(PC)→ http://www.sonoyosade.com
■ソラの「おまけ」→ http://solasolasola.cocolog-nifty.com/omake
*深めの話は「ソラ的な日々」よりも、この「おまけ」の方にあります。
■ソラ的な日々 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/sola
*プロフィールページ、カテゴリー「ソラって」「ソラの紹介」でスクールについて紹介しています。

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