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2012年10月 5日 (金)

経験値の全く違う二人

(2012年10月通信No.132「おまけ」より抜粋)
一般的には、経験値や技量の違う子が多く集まる場では、それぞれの子が伸びないと思われることや、実際にそれぞれの子が力を伸ばせないことがあるかもしれませんが、ソラの子を見ていると、経験や技量、それに性格など、色々な子が集まることによって成長しているということを長い間、強く感じています。もちろん、いつもスムーズに進むということはありませんが、だからこそ、ソラの子はみんなで関わりを持ちながら成長しているのだと私は思います。
こういう空間に毎日いながら、経験値や技量の違う子の集まる空間に対する一般的な捉え方と実際の子供たちの成長力とのギャップを見ていて、「本当はもっとスゲーぞ、子供たち」と思う機会が最近もあり…そんな中、卒業生のある二人のことを思い出すことがありまして…。サッカーの経験値の全く違う二人のことを。
■経験値のまったく違う二人・・・
子供は色んなことに興味を持ったり、色んな習い事をしたりします。そういうことの中で、「サッカーが一番好き」というわけではなかった子がいました。ですが、練習はすごく頑張るし、楽しんでもいました。休憩中にワザの練習をしていたり、「こんなことができるようになった」と見せてくれたり。この子はチームには入っていませんでしたが、卒業するまでソラを続けました(この子をA君としますね)。
A君が通っている間、まわりには、チームに入っていて、色んなことの中で「サッカーが一番好き」という子もたくさんいました。そういう子に囲まれてA君はプレーをしていたわけですが、ゲームでは、A君は、サッカーを毎日やっている子のようには器用にプレーができませんでした。ですが、サッカーをいつもやっている子と同じようにできる部分もありました。それは、味方がボールを持つと、一生懸命走ってパスをもらおうとすること。この、自分にできることを一生懸命やるので、相手のゴール前に走ってパスをもらい、ワンタッチでシュートを決めることがたくさんありました。しかし、みんな、守備も上手になるので、ずっとそのプレーで通用するわけではありません。子供たちは相手に対して手を抜かないので(相手を対等に見ているということで、これは良いことです)、A君と同じチームの子が、A君が取り易いようにゆっくりめのパスを出すと、相手チームの子は容赦なくカットするのでした(これも当然のこと、いいことです。ここで手を抜くとお互いにつまらないですから)。こういうことが続くと、当然、味方からA君へ出すパスのスピードが速くなります。速いスピードのパスをワンタッチで上手にシュートするのはなかなか難しいものです。ですから、A君がシュートを決めることができないことや、出されたパスが速すぎて、A君が触れないことが増えた時期もありました。
ですが、そのままではみんな終わらないのです。
長い間、A君の頑張る姿を特によく見ていた子がいます(この子をB君としますね)。
B君は、サッカーを小さな頃からやっていて、動きも速く、テクニックもある子です。チームにも入っています。初めて会った友達ともスムーズにプレーができ、また、ゲーム時のチーム分けでは、誰と同じチームになってもプレーを楽しめる子でした。ただサッカーが好きで、プレーすることが好きな子でした。味方の子が上手いとか、自分のチームが強いとかでサッカーへの意欲が変わることがなく、その時に自分にできることをただするのです。色んな子と関わり、友達のことを良く見て、気持ちを考えてあげられる子。A君のこともずっと見てきていたから、A君にできること、まだ難しそうなこともよく把握していて、ゲームの時には、よくA君を助けるような動きをしていました。
さて、色々と考えるB君ですが…さすがです。
A君がシュートを決められないことやボールに触れないことが増えると、パスの出し方や助け方をどんどん増やしていきました。
頑張るA君に点を取らせたい。パスはゆっくりだとカットされてしまう。でも、速いパスは方向が少しずれると通りにくい…それでもA君に点を取らせたい…ということで、B君は、相手チームの子とA君の状況を見て、タイミング良く、A君の足元に速いパスをピシッと出すことが増えました。そして、A君もパスされたボールを頑張って押さえ、そのままシュートをして点を取ることが増えました。
…ですが、こういうことが増えれば、当然、相手チームの子の守備もさらに厳しくなり、自然な流れで、A君はパスをもらっても次のプレーを有利にできないことが増えました。
さて、だったらどうする? こんなこと、友達のことをよく見るB君には簡単なこと。
ボールを触らせてあげたいA君にパスを出したけど、A君が困っている。困っている様子を見たら助けたくなるのがこの子。これも自然な流れで、パスをした後にA君からボールを返してもらうように、すごく速く動くようになりました。A君からパスを返してもらうためにB君が走るコースも、(サッカーを好きなB君にピッタリの)攻撃につながるコースです。シュートをすぐ打てるコース。だから、B君からゴール前にいるA君にパス→A君から走ってきたB君にパス→B君がシュートというパターンも生まれました。これは、大人の試合でもよく見られる、立派な攻撃パターン。
B君はもちろん頭を色々と働かせてはいますが、ほぼ無意識にこういう攻撃パターンの動きをできるようになりました。もちろん、A君も。こういうパターンが生まれたら、相手もそれを防ごうとするでしょう?
すると、今度は以前の攻撃パターンがまた有効になることや他の攻撃パターンが有効になることがあるのです。ここでは詳しく説明しませんが、「なるほど」という、自然なことばかりです。
これを繰り返すと、子供たちのサッカーはどんどん面白くなっていき、自分の力をより出せるようになったり、自分の力をより磨けるようになったりします。当然、味方や相手の力も磨くことになり、みんなで成長しあっていきます。
今はサッカーの技術や戦術に関する色々な情報を子供たちが与えられていることもありますし、遊びの環境も変わってきています。ですから、それぞれの子の覚えていることやその覚え方などを考えた上で働きかけをし、子供たちの動きや関係を調整する必要はありますが、ソラでは、こうして、チームに入っている子と入っていない子、学年・経験の違う子が入りまじりながら、「子供」という共通部分を生かして、みんなで成長しています。
ちなみに、ソラの子はグングン成長していますが、まだまだ伸びしろありまくりで(この話はまた後で)、まだまだ可能性を秘めた状態ですからね。見ていればわかると思いますが、「もう完成」という様子の子はいないでしょう。本人たちは、伸びしろをより大きくする色んなことを、気づかぬうちに身につけています。
ちなみにB君は、色んな友達に対してこういうプレーができるので(もちろん、自分自身でサッカーをめいっぱい楽しんでいます。ただ、サッカーとは、こうやって仲間とのプレーを含めてメチャクチャ楽しむものなのだということをわかっているということです)、自然に、動きの部分以外のことも覚えています。
例えば、声をかけるタイミング - パスを出す相手や状況により、直前に声をかければいいことや「今度、俺がボールを持ったらパスするよ」と前もって言っておく方がいいケースがあることなど。声のタイミングと動きのタイミングの組み合わせ次第で攻撃がうまくいく・いかないということもありますが、こういうものを自然にできるようになりました。
また、攻撃を成功させるために必要になるのが、テンポの変化です。同じテンポでプレーをしていれば、B君がA君にパスを出すタイミングが相手にもわかってしまうので、そうはさせないように、また、A君の状況がいい時にパスを出せるように、「ここでゆっくりボールを持っておいて…今だ!」と急にテンポを上げることなども自然にするようになりました。チームとしての攻撃でも、こうしたテンポの変化は大切ですが、そういうものの元を十分に学んでいます。
こういうものは、上手くいくことと上手くいかないことがちょうどいい割合であると、少しずつ精度が上がり、「こういう場合はこうだな」というものを自分たちで身につけていくことができますが、子供のゲームは、この割合もちょうどいいので、A君、B君のように色んなものを吸収していくことができるのです。
ところで…何で今回こんなことを書いたかと言うとですね、卒業後にA君が来た時のこと…
あまり話をする時間がなかったのですが、その短い時間の中で、A君がすごく自然に「B、すごく頑張っているよ」って教えてくれたんです。なんか、すごいでしょう? 自分がここにいた時に、自分のことを一番助けてくれた子のことを自然に話しちゃう。そういう友達の存在を感じることやそういう友達を持っている自分を感じられることって、すごく大切だと思いません? だから、書きたくなったのです。
子供たちがここで作っているもの - 表面上はなかなか見えにくいし、サッカーの技術部分からだけ見たら、成長にとってあまり関係のないことのように思えるかもしれませんが…こうして友達と関わる中で感じること、身につけるものは、私は、時間がたてばたつほど力を発揮すると思っています。大きな大きな、強い強い、土台の部分ですから。
スキルの上達だけを追求していった場合と、他の多くの宝を得ていった場合とでは、後に大きな違いが出てくるのではないかと思うのです。
そういうところまで考えた上で、ソラの子を見ていると、色々な子が集まる中で、ソラの子はすごく大きな、しっかりとした土台を作り、大きな可能性を含んだ、大きな成長をしていると私は思うのです。
だから、こういう土台を築ける今の雰囲気を、色んな子が来ることができて、成長していけるこの空間の雰囲気を、これからも大切にしていきたいと思います。さあ、来い、子供!

■経験や考えの違う子と一緒にプレーをすることで自然に身につく技術
経験・考えが違う子と一緒にプレーをすれば、「あそこに仲間がいるはずだ」と思ってそっちを見た時に、「味方がそこにいない」ということも出てきます。すると、自分で思っていたプレーをできず、ボールをまたキープする必要が出てきます。当然、タイミングや状況を変える・整えるために様々なボールタッチやキープ力が身につきます。また、「この状況では相手はボールを取りに来ないだろう」と思っても、相手チームの子がボールを取りに来ることがあるので、それらに対する反応の仕方も色々なものが身につきます。こうして、チームに入っている子が、チームに入っていない子によって思い出させてもらえることや磨きをかけてもらえることもありますし、チームに入っていない子がチームに入っている子から覚えさせてもらえることもあります(こういうことは、年上の子と年下の子が一緒にプレーをする場合でも、やり方次第で得ることができます)。
色々な子とプレーをする時に、お互いに「考えが合わない」と片付けてしまい、関わりを持とうとしなければそこで成長が止まってしまう可能性がありますが、関わろうとしていれば、自分だけでは知ることができない・磨くことができない部分での成長も得ることができます。
スクールでは、覚えた方がいい基本的な部分をしっかりと覚えさせますし、教えるテクニックは覚えて損のないものばかりです。しかし、極端に多くのことや変わったことを教えるわけではありません。教わることにより身につけるよりも、こうして自然に身に付けた方が良い部分は、そこにいる仲間とお互いに良い形で関わり続ければどんどん身につけていくことができます。
スクールをご体験頂いた時にお渡しする資料の中に、教える部分と教えない部分のバランスについてご案内しているものがありますが、それは、このような技術面においても同様で、子供たちの成長力を見ながら、そのようなバランスに気をつけています。そして、こういう部分に対する考え方が変わらないのは、長い間、そのような環境の中で子供が成長を見せ続けてくれているからです。

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