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2012年9月20日 (木)

働きかけの強弱

(2012年9月通信No.131より)
■働きかけの加減
私たちは子供たちに色々な働きかけをしていますが、働きかけたことをどれぐらいの強さで認識してほしいかというと、内容や子供たちの発達段階により違いがあります。
その時だけ覚えておいてほしい(=数日後には忘れてOK)、次回まで覚えておいてほしい、ずっと覚えておいてほしい・・・様々です。
子供が理解できる範囲を考え、目的に応じて、色々な言葉、強さ、行動で表すので、外から見ていたらわかりにくいこともあるかもしれませんが、覚えるべきことがその時の空間に合っているものでも、他の場や他のケースには当てはまらないことがあるので、「覚えてほしい」「忘れてほしい」ということも含め、色々と考えて働きかける強さを調整しています。
そういえば・・・先日、保護者の方に話をしている時、子供がチョロチョロと動き回ってしまいまして・・・。
保護者の方が抱えてもキャッキャと抜けだし、興味があるところに行ってしまうのです。これは子供ならよくあることで、悪いことではないのですが、子供がケガをしたら危ないし、保護者の方も子供が気になって話を聞くことができないし・・・そこで、子供をつかまえちゃいました!
目的は、子供の安全確保と保護者の方に話を落ち着いて聞いてもらうためです。
この時に考えたことは、「(子供はまだ小さいので)サッと離すとすぐにまたどこかに行ってしまうかもしれない。だからギュッとつかまえた方がいい。そして、離した時に、どこか楽しい場所に行きたいと思うのではなく、安全だと思う場所(=親御さんのところ)にいたいと思うようにさせる。でも、ギュッとつかまえすぎて、この子が恐怖を感じてしまったらいけない。次から私と遊べなくなってしまう。しかし、ある程度は強く抱える必要がある」・・・そこで狙ったのは、この子が恐怖を抱かない程度の強さ、でも、「ここよりも親のところの方が安全だ!」と、親の方に行きたいと思ってくれる強さ。そして、親のところに行ったなら、しばらくそばにくっついていたいと思うようになるだけの(私に抱えられてしまう)時間。・・・でも、長すぎたら、離した途端に怖さや逃げたい一心から「ダッ」と走り出して思わぬケガをするかもしれないから、そこまで長くならないように・・・。
「かかえる強さ×かかえる時間」で、そういう効果を狙ったわけです。
そして、強さと時間を計算し(長年の経験が役に立つ)、パッと手を離したら、親御さんのところにサッと行ってしっかりつかまり、親御さんも話を落ち着いて聞いて、なんてならず! その後も楽しそうに動き回ってしまいました。痛恨の計算ミス(長年の経験、役に立たず)。
まあ・・・失敗してしまったわけですが、子供たちに対する働きかけは、このあたりの加減(方法×強弱×時間等々)が非常に難しいわけです。難しいのですが、これがとても大切なことなので、こうして色々と考えながら、子供たちと接しています。

*スクール中は、状況がどんどん変化するので、どの問題をどの強さで解決していくことが望ましいのかということを適した時間で計算しなければなりません。そのためには空間の様子を的確に捉える必要があります。そして、空間をより的確に捉えるためにも、(以前からお話ししていますが)子供たちの状況・背景をより把握していることが望ましいのです。ですから、スクール外の時間で、子供に何か変わったことがあった場合や、気になることがある場合は、遠慮なく、ご連絡、ご相談頂きますようお願いいたします。

■うちの子は・・・
子供がコーチの話を聞かずに“プリーッ”と走り出してしまうと、「うちの子は・・・」と思うかもしれませんが・・・今、
しっかりと話を聞けるようになった子の中にも、小さな頃には“プリーッ”と動き出してしまう子がたくさんいました。
以前、通信のおまけに登場したこともある、他の子のために力を使え、自分も成長し、友達も成長させているナイスボーイも、幼稚園の頃は話を聞くよりも目に入るものが気になって仕方ない子でした。そのため、当時は、練習中はコート内にほとんど物がない状況にし、さらに、練習で使う道具も、その子が興味を持つようなものを作って用意したことが何度もあります。実際にそれが効果があったのかどうかはわかりませんが、少なくとも、話をまったく聞かなかった子も、段階を経て、しっかりと話を聞けるようになるということで・・・。
親御さんは、自分の子供の行動を見て、他の子に迷惑をかけていると思うと外から注意をしたくなることがあるかもしれませんが、実際には自然な行動であることもありますし、みんなが多少は同じようなこと(一見、迷惑に見えるような行動)はしています。もちろん、自然なことだから何でもOKというわけではありませんが、見た目の行動はその子の発達段階をただ少し示しているにすぎないこともありますし、もともと、小さな頃は体格・行動・理解の仕方など、様々な部分で違いが見られる時でもありますから、ソラでは、他の子に対して迷惑かどうかという部分に関しては、親御さんはあまり気にしないようにお願いいたします。私もソラの子は好きなので、ソラの誰かがその場に合わないことをしていたなら、その子の成長のためにも、他の子の成長のためにも、我慢などできませんから、必要な注意はします。
そうして、みんなが多少の善し悪し・凸凹を見せながら空間を作り、順番にお互いをへこませたり、引っぱったりしながら、空間を成長させています。
ソラに子供を預けて下さっている皆さんは、余裕を持って子供を見てくれていると思いますが、これからもほどよく子供を見てくれたらと思います。

■まったくもう・・・
子供たちは話を聞いていない時に注意をされます。それを繰り返している子の親御さんは、「まったくもう」となるかもしれません。私たちも「まったくもう」となることがあります・・・。
ですが、ソラでは、繰り返してもいいこともたくさんあるので、親御さんはあまり気にしないで平気です。親御さんにも気にして頂いた方が良さそうな場合はちゃんとお話ししますので、私たちからお話しをさせて頂くことなく、子供がそういうことを繰り返している場合は、気にしなくてもよい段階だということでご理解下さい。
子供が私たちの話を聞いていない時は、べつに注意をしなくても、その後、練習を始めてしまえば、話を聞いていなかった子が「どうしよう・・・」と困ることがあります。そういう経験をすれば、次からは、私たちが話をしている時に、「後で困らないですむようにしなくちゃ」と思い、話を聞くようになることがよくあります。ですから、注意をせず、放っておくこともあります。子供がこういう形で学べばいいだけのこともありますから。
が・・・、「話を聞かずに困った経験をして、子供たちが話を聞くようになる」とわかっていても、困っている子供を放っておくのではなく、「ほーら、わからんだろうが!」と、だめ押しすることが私はあります。
こういう時の子供は、素直にそれを受け入れる場合もあれば、「逆ギレ+超ウソ」を堂々とついてくることもあります。「今、全然、見ても聞いてもいなかったじゃん」という時でも、私が「ほーら」というと、それに対して“超”強気で、「は? 見てたしぃ」と言ってくるヤツもいます・・・。あ、たくさん。
子供が「どうしよう」と困っている最中に私がこうして声をかければ、声をかけずに一人で困らせる場合に比べ、その反省効果はおそらく半減します。
それなのに、私は「ほーら、わからんじゃん」と言ってやることがあるのです。
それは、文句を言いたいからです、ウフ・・・いや、ウフじゃない・・・違います違います。子供の反省効果が減るとしても、私が「ほーら」と言うのは、多少繰り返してもいい部分があるからです。
「困るから」という理由ですべてを解決しちゃってはもったいないこともたくさんあるのです、子供たちには。
友達に迷惑をかけることがあることも知らなくてはいけないし、
仲が良くなれば、ダメだとわかっていても話しかけてしまうことがあることも知らなくてはいけないし、
誰でも怒られちゃうことはあるということも知らないといけないし、
人に興味を持つこと、関わること、関わられることの嬉しさも知らないといけないし・・・
とにかく、私の説明を聞かないことがあっても、人に話しかけちゃうこと、何かに興味を持つことで学べるたくさんの良いことも悪いこと(=長期的には良いことに変化する)もあるのです。それらを素通りさせるようなことはもったいないので、(様子を見た上で)素通りさせないこともあるのです。
こういうことは、子供たちの日頃の関係や様子から、その子やその空間にいる子たちにとって、どんなことがその時に最も必要なのかを考えて行います。ただ技術面での上達だけでは寂しすぎます。その時のその子たちに大切なものを学んでほしいということが目的なので、放っておけば練習がいずれスムーズになることがわかっていても、放っておかずに注意をすることなどが私はあるのです。
・・・それに、子供が困った結果、困らないように話を聞くようになったとしたら、それもコーチングスキルと言えばスキルといえるかもしれませんが、実際にはこっちの腕には関係ないし、誰が説明しても同じ態度になるだろうし、そんなの、つまらないですからね。また、放っておいて困らせようとしても、その困らせる瞬間に起きてはならないケガが起きることもありますから。このような理由からも、説明している内容やその時の空間によっては、放っておいてはいけないことや待ってはいけないこともあるのです。
もちろん、学校などで絶対に守らなくてはならないことを先生が話している時に、話を聞いていず、取り返しのつかない事故などが起きてはいけません。そういう時のことを考えると、いつでも「よく聞く」という習慣を身につけることも必要です。聞いていなかったではすまないこともありますから(ただ、こういう部分では、伝える側の気持ちも重要なので、「一方が困るから」ではなく、その前に、「お互いに気持ちを伝える・受け取ることをしたい」という気持ちを強く持つ関係になっていることが大事かと思います)。
子供は興味があることはどん欲に吸収しようとします。
行動改善のスタートは、「困るから」よりも、「より楽しむために」の方がいいと私は思います。もちろん、「困るから」が大切なこともありますが、内容などにより、「楽しむため」の方が大切なこともあるでしょう。
放っておくことと注意することは、表面上は真逆の行為ですけど、私がスクールで子供たちに働きかける強さには、こういう幅がたくさんあるんです。わかりにくいですよね、すみません。ですが、こんな感じですから、ソラでの子供たちの「まったくもう」という行動については、あまり大きく捉えなくて平気ですからね。

<修了証>
年度末などに修了証を渡すことがありますが、言葉の受け取り方は、それぞれの子の受け取る強さでOKです。
例えば、注意されるような内容だったとしても、ある子は「まったく気にせず」、ある子は「へこむ」ということがあっていいですし、「嬉しそうにする」ことがあってもいいのです。実際に、読んでニヤニヤしている顔を想像しながら、「こら、お前」と書いていることもたくさんあります。ですから、子供の様子が気になって修了証を読む場合は、「ふーん、そんな様子なんだね」と半笑いで読む程度がちょうどいいかと思います。注意される内容でも、「ぷ、怒られてやんの」でOKです。以前から、通信で、ソラの子の良さや、注意される子が決して悪い子なのではないということなども書いていますし、皆さん、余裕を持ってご覧になっているかと思いますが、修了証はそのような形で捉えて下さいね。

=書籍のご案内=

タイトル 「サッカー、上達の素」 使えないワザには気をつけろ!  
内容 ・・・ 使えないワザ紹介、プレーの改善方法紹介、
大切な要素解説、 自主トレ時の工夫例紹介、他 ・・・
¥1400です。

◆お申し込み受付中!
◆書店の店頭には並びません。ご注文はソラまでお願いいたします。
お渡しは6月下旬を予定しています。
◆お支払い・・・ご注文受付後、代金のお支払いに関するご案内をお送りいたします。
一般の方からのご注文の場合、払い込みの際の手数料をご負担頂きます(価格をかなり抑えているため、ご理解いただきますようお願いいたします)。
◆ご郵送をご希望の場合は別途送料を頂きます。
1冊なら210円。2冊なら290円。3冊以上はこちらで負担します。

内容について補足を・・・
なんと、昨年の春空で大好評だった「使えないワザ」も入っています。
なぜかと言うと、「使えないワザ」には、大切なことがたくさん詰まっているからです。
本には、一般的なサッカー環境などから考えても伝えておいた方がよいと思うことを書きました。また、ソラを卒業した子が中学生、高校生になってから連絡や相談をくれることがあるので、そうした内容も踏まえ、大切だと思うことを書いています。
内容的には、小学生高学年、中学生年代(+高校生くらいまで)をイメージして作りましたが、サッカーの情報・知識のとびかい方を見ていると、低学年の子の親御さんにも(子供が小さいうちに)読んでおいてもらえると安心です。
高学年以上であれば、子供が読んで、わかる部分も多いでしょう。
小学生から高校生の各年代の子供、親御さんが読んで、それぞれに合ったものを吸収できるように考えました。同じ文章でも年代や経験により、イメージの仕方が違い、それぞれの年代で大切な要素が伝わるのではないかと思います。
★一般の方からもご注文いただけます。
★サッカーをする子、サッカーをする子を持つ親御さん、チームで指導をするコーチの方などにオススメです。

=サッカースクール ソラ=
■TEL : 042-534-3766
【練習会場:スカイランド】千葉市稲毛区長沼原町261番地
■ソラ・HP→ 
http://www.sonoyosade.com
■深めの通信 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/omake
■ブログ*ソラ的な日々 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/sola

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