欲張りです
(2012年6月通信No.128おまけより)
ある日のU-12クラス。
ゲームの順番待ちをしている4年生の子たちに、6年生の子が注意をしていました。当然の注意です。その注意をちゃかす4年生の子たち。まったく・・・。ある程度までは、まあいいでしょう。
が、様子を見ていると、6年生の子が一生懸命に注意を続けているにも関わらず、ちゃかしっぱなし。
その態度に対し、6年生がちょっとムッとしたようです。そりゃそうだ。注意すべきことを注意しているのに、あんな感じでいられたら・・・。そして、ムッとした様子の6年生に対し、4年生が「あ、暴力ぅ?!」と、これまたちゃかしまして。本当にもう・・・・。そこで、“ペシッ、ペシッ、ペシッ”と(=愛すべきおバカさん3人)、頭を叩いてやりました。あ、叩いたのは6年生ではなく、私です。
6年生は「うぅ、こいつらに何て言うべきなのか・・・」というところだったと思いますが、もしもこの子が、“ウオーッ”となったら大変なので(そう簡単にはならないですよ。ただ、もしなったら、この子の場合は、軽くペシッとやっただけでも相手はかなり痛いだろうし)、その子の代わりに私がペシッといきました。
この6年生の子ではなく、他の子で、他の場だったら、間違いなくもっと早く、“ボコッボコッボコッ”となっていると思います。だから、子供の世界ではおそらく当たり前であろう範囲で、私がボコッよりも優しいペシッをプレゼントしておきました。まあ、ちょっとは痛かったと思いますが。
その日の練習後、子供たちに少し話をしました。
子供たちは、ここを卒業して中学生になると、親、先生、大人の目の届かない場での行動が増えていきます。そして、その時の体は今とは比べものにならないぐらいの大きさ、強さになっています。
そうなった時に、相手の表情から気持ちを理解することや、力を出すにしてもやっていいこと・悪いことを理解することができるようになっていないと、とても悲しいことが起きることがあります。「そんなつもりじゃなかった」ではすまされないことに発展してしまうこともあります。だから、今のうちに知っておけ、ということです。
子供たちにも言いましたが、子供同士で押したり叩いたりしながら「お前が悪い」「何だよ」とやり合っていることに対して私が注意しないことがあるのは、そういうことを「やっていい」と言っているのではありません。そういうことから、相手をぶつということ、ぶたれるということ、力、痛さ、気持ち…そういうことを「学べ」ということです。
大人になってから知ることができることよりも、子供のままでも知ることができること、子供の時に知るべきことを、(大人の目が届かなくなる場での行動が増える年代になる前に)十分に知っておけということです。
話はちょっと変わりますが、少し前に、いくつか子供たちの運動会を見に行きました。
スケジュール的に行けることも行けないこともあります。なぜ行くかと言えば、子供たちの普段の様子を見ることができるからです。そして、そこで見たもの、感じたものを現場に生かすことができるからです。
生かし方は色々ありますが、何よりも、普段の表情や動きを見ていると、ソラ空間での子供たちを見るときの見方が、より適切になります。
そうして現場での感じ方、捉え方がより的確になれば、より適した働きかけをすることができ、子供たちを伸ばすことができます。
そして、ソラ以外の場でも子供たちが伸びていくためにはどうすればいいのかということも、より的確に考えていくことができます。子供たちは私の目の前にいる時間、ソラにいる時間よりも、ソラにいない時間の方が圧倒的に多いので、そういう時間でも伸びるように考えます。
この繰り返しで、相乗効果で子供たちが伸びていく、それが私の理想です。
スクールの時間内だけでの成長ももちろん大事ですから、スクールの時間・空間の中でできる限り成長するように、練習の計画を立て、空間づくりもしています。でも、スクール時間外を含めての成長、ここを卒業した後の時間での成長も考えているので、こんな、ワケのわからんスクールになるのです・・・。
すみません、私、欲張りなんです。
時に、やりすぎたか? と思うこともあります。でもたぶん、子供たちが本来持つ「成長欲」よりも、私の「成長させたい欲」の方が小さいんだろうなと思います。ですから、子供たちの欲に負けないように、私も欲張りでいきます。
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