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2012年5月15日 (火)

見守ってもらえて感謝です

(2012年5月 通信No.127おまけより)
※今回のおまけは4年前に書いたものです。いつも色んなことが起きるので・・・書きたいことが次から次へと出てくるため、こうしてパソコンで眠るおまけが結構います・・・。ちなみに、今回載せるものは、前回のものと似ている部分があるので、「またか」と思うかもしれませんが・・・みんな、少しずつ成長してきたということがよくわかると思いますので載せますね。
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U-6クラス、3月の練習時、ゲームの時に、相手チームの方が強いと、すぐに「もうやだ」と言って、プレーをやめてしまう子がいました。
すると、この子と仲のよい子たちが、「相手が強いとか言うなよ(そう言ってあきらめるなよ)」とか「俺と同じチームになるかもしれないからがんばろうよ」と声をかけてあげていました。
その日までにも、この子はそうなることがよくあったので(この子だけではなく、子供はよく、こんな感じになります)、私もその度に「あきらめないでがんばろう」と話してきましたし、この日は友達が何度も声をかけてあげているので、この時は、私はちょっと様子を見ることにしました。
結局、友達が声をたくさんかけても、「もうやだ」と言ってプレーをやめ、ネットに寄りかかってしまいました。
少ししてから、どうしたのかと聞くと、やはり「相手が強いからやらない」と。
この日までにこの子としてきた約束や過程もありますし、また、この日は友達が何度も声をかけてくれているので、それでも頑張ろうと思えないのであれば、今日、ここで、私まで友達と同じように優しくすることはないかと思い、ここは、友達が声をかけてくれることがどんなに嬉しいことなのか、あきらめてしまってやらないことがどんなにつまらないことなのか、一人でいることがどれだけつまらないことなのかを知ってもらおうと、「じゃ、やらないでいいや」とだけ言い、私はゲームをしている子供たちにだけずっと声をかけることにしました。とはいっても、もちろん、その子のことは頭に入れていますし、視野には入れていますが。
さて、ゲームの方ですが、この日は3チーム作ったので、交代で試合を行います。
1試合目を終えたところで、試合をしていた2チームのうち、どちらかの1チームと、休憩していたチームとを交代させるのですが、この子のいるチームを続けて試合にしてしまうと、この子をゲームに復活させるためには、この時点でこちらから声をかける必要が出てきます。でも、まだこの子は一人でいることに対して、友達が言葉をかけないようになったことに対して何も感じていません。ここで声をかけたらこれまでと同じです。ですから、ここでは声をかけません。でも、ここで声をかけずにこの子のチームに試合をさせたら、たぶんこの子が立ち直れないうちに試合が終わってしまうでしょう。
ですから、この子のいるチームを先に休憩にし、この子が最後に試合をできるような順番にしました。
そして、この子のチームが試合をしていない2試合目の間も、いっさいこの子には声をかけませんでした。
すると、しばらくしてこの子が泣き始めました。が、私はそれでも声をかけません。
この試合が終わって、この子のチームが試合になった時に声をかけるつもりです。それまでは声をかけません。その日までの様子から、おそらくこの子が立ち直るなら、そのタイミングで声をかけるのがベストだと思います。あとは、この子が子供なりにどれだけのことを感じたか、一人の時に、誰も来てくれない時にどんな気持ちになったか、です。ふさわしい大きさでそれを感じる時間は作ったつもりです。
声を出して泣くのは少しで収まり、しくしくしているところで、この子のチームの出番になりました。
ここでようやく声をかけます。「お前、やるのか?」。
この子はうなずき、話を少しだけ聞けそうな状態なので、「相手が強いからやらないなんてダメだろう。やるんなら早く来い」・・・乱暴な言葉ですが、これでOKです。ゲームもかなり頑張っていました。
練習が終わった後、「あきらめてやらないより、やる方が楽しいでしょ」「一人はつまらないでしょ」と言うと、うなずいていましたが・・・全てをわからなくても、肌にバシーンと、ちょっとでも何かが入ればいいと思います。
このケースでは、「働きかけを一切しない」という働きかけが重要でした。中途半端なタイミングで働きかけていては、それまでの、「あきらめて、励まされて何となくちょっとやって、またあきらめて」を繰り返してしまいます。それではあきらめることのつまらなさ、一人のつまらなさ、友達が声をかけてくれることの嬉しさを十分に感じることができません。ですから、この時点ではここまでする必要があったのです。
もちろん、同じことを伝える場合でも、その子に合ったやり方があります。また、同じ子でも、その時点で合ったやり方があります。今回は、それまでの経過を見てきた上で、この子に対して、この時点での、この状況での働きかけとして、この方法が良かった(と私的には判断した)ということです。
コートの中で起きていることには、必要に応じて注意をすることもありますし、注意をせず経過を見守ることもあります。褒めるべきことでも、褒める場合も褒めずに様子を見る場合もあります。
働きかけは、その時のことだけを見て行うのではなく、それまでの経過を見て行うもの、子供同士の関係を見て行うもの、その日の隠しテーマを達成するために行うものなど、様々です。
また、働きかけは、中途半端に行うと、効果が全く出ないことや、本来出るべき結果とは全く逆の結果を生むことがあります。ですから、バシッとしっかり行いたいところですが・・・実際に働きかける時には、起きている事柄が一人だけの問題のことも、そうでないこともあり、一人に働きかけることが必要な場合も、他の子も含めることが必要な場合もあり、さらに、注意を事前にした方が良いことも、その時点では注意をせずに後で話す方が良い場合もあり…その場の空気や空間をつかんでいないと、バシッとはなかなか行けないものです。そして、そのような働きかけの中でも、私が最も難しいと思うものの一つが、先ほどのケースのような、声をかけないというものです。
声をかけないと言っても、ただ声をかけないだけでなく、例えば、一人のコーチが声をかけないようにして、もう一人が声をかけた方が良い場合や、二人とも声をかけない方が良い場合もあります。
こうした場面で、コーチ同士の連携が少し狂うと、それで全てがやり直しになってしまうこともあるのですが、同じコート内にいるコーチ同士でも、子供を良い方向(失敗を経て成長していく方向)に持っていくための意思疎通(働きかけの方法、役割分担)はかなり難しい場合があり、また、コート内の子供たちが複雑に絡みあっていることもあるのです。
保護者の皆さんは、自分の子が周囲の子に迷惑をかけているように見える時は(他の子に迷惑をかけるのは申し訳ないと)、子供に注意をしたくなると思います。
そのような時でも、スクール中は子供たちに声をかけないようにお願いしているので、皆さん声をかけずに見てくれていますが、それには、このような理由もありますので・・・本当に感謝しております!

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