子供らときたら・・・②
(2012年2月通信No.122おまけより)
U-12クラスでは、2月に入り、卒業の近づいてきている6年生が、各曜日で様々な表情を見せています。
もうすぐ卒業、このまま順調に卒業まで・・・という時期ではありますが、私は曜日によっては、この6年生たちにとんでもなく吠えています。
だって、彼らの力に見合うチャレンジをしていないから。
これまで、6年生には、機会を見て、年下の子の力を引き出すように話してきました。
こういうことを強く意識させると、年下の子に「技術」や「やる気の強さ」を合わせるようで、本人たちの技術が上達しないような印象があるかもしれませんが、そういう取り組ませ方はしません。
本人たちの力にもなるような形でそれらのことを意識させるようにしてきましたし、また、年下の子たちと6年生の子たちのそれぞれの(技術と心の)成長の段階を見て、強調の仕方も度合いも考えてきました。
そして、技術面の成長を考えても精神面の成長を考えても、十分に成長してきた彼らは、もう、自分たちの持っているあたり前の力で、あたり前のように、年下の子に力を出させることができる段階にきているのです。
1月に入ってからは、6年生に対して、具体的な行動として、これからどのようにすべきかを話したこともあります。ですが、どうもその部分を捉えている曜日とそうでない曜日があり、また捉えていても実際に挑戦をしている曜日とそうでない曜日があり・・・2月に入り、それらのことに対してあまりに挑戦をしない曜日があったので、私は怒りました。
その曜日の子たちには、前の週にも同じような話をしています。その次の週であったのに、「年下の子の気持ちをしっかりと考えろ」と言ってもそれをせず、具体的な話も含め、何度話しても年下の子の表情を見ようとする、感じようとする行動を起こさなかったので。
時期的に、6年生は卒業を控え、6年生同士で、たくさん話をしたり、盛り上がってプレーをしたくなったりする時期ではあります。ですが、その時間を取った上で、そのあたりを差し引いても、あまりにも周囲の子に対する気持ちや自分たちで挑戦しようという気持ちが足りませんでした。
その日の練習終了時にも話し、それでわかる部分もあったはずですが、段階的に、翌週まで待って、また同じことを話すわけにはもういかないので、私は、その日に来ていた6年生に対し、翌日の練習に来るように声をかけました。
そして、特別に集めた翌日の練習でも、前日と全く同じ様子、昨日話したことを受け止めていない雰囲気、行動に対して、私は激怒しました。
年下の子と一緒にプレーをする時に、その子たちの力を出させようとしてプレーをするとどれだけ成長できるのか。
パスの正確性はより高くする必要があり、さらに、状況によって、右足に出すべきか左足に出すべきか、強いボールがいいのか弱いボールがいいのか・・・パスの強さ、方向、タイミングの全てにおいて、より高いコントロールが必要になる機会が増えます。
さらに、パスをした後も、すぐにサポートをする必要がありますが、そのサポートの動きにおいても、ただ早く動いてあげるだけでなく、よりわかりやすく動いてあげる必要、より助けることができる場所に動いてあげる必要が出てきます。走るスピードも距離も角度もタイミングも、より高める機会が増えます。
パスを受ける場合も、年下の子からパスを受ける場合には、自分の思っていたところにボールが来ないこともあるはずですが、プレッシャーの高い試合では、そういうパスが来る方が自然なので、その時でもしっかりと受けることができるのか、来たボールを自分の思ったところにコントロールできるのか - 自分が今、持っている技術がよりはっきりします。
判断力にしても、味方と相手の状況から、より良いサポート、効果的なサポートをどうすれば良いのかを短時間で考える必要があります。なぜなら、年上の相手選手が多い中で、年下の子がゆっくりと自由にボールを持てる時間はゲーム中にはそう長くはないからです。これらを繰り返せば、判断力も向上していきます。
さらに、これらを可能にするために、どのようなタイミングで、どのような声のかけ方が適しているのかを考える必要もあります。
当然、「関わろう」として関われば、たくさんの子たちの、色んな状況にある表情をよりたくさん見るようになり、心の部分、精神的な部分でも大きな成長をしていきます。
・・・今、ここに書いたことは、年下の子の力を出させようと努力した時に成長する部分の、ほんの一部分です。
わかりやすいものだけを取り上げましたが、実際にはこれらの他に、もっと多くの成長できる部分、自分を高められる部分があります。
これらをしようとするのか、それとも、これらをせず、6年生同士の、仲間内だけのゲームで力を出すことや、年下の子との技術差を考えずにプレーして、ただの技術の優劣上の達成感を得ることだけで満足するのか。
これらをしない6年生同士のままで残り時間を共有するのでいいのか、別れを惜しむのでいいのか。
・・・技術面の単純な「上手さ」だけの向上を考えたなら、または、精神面での単純な「強さ」だけの成長を考えたなら、「上手な子を集めてゲーム」という形や、単純に技術レベルの合った子や同じ意識の子を同じグループにするというやり方がいいのかもしれません。
でも、それだけじゃつまらないのです。もったいなさすぎるのです。
年下の子の力を出させようとしている子を見ると、技術面での(先程書いたような)成長をしっかりと見せています。また、強さと優しさがより大きなものになっています(優しさを持つ強さとそうでない強さには、大きな違いがあります)。
そして、スキルと心を合わせることで、大人の考えで組み立てたプレーの何倍も面白いプレーをします。
大人の考えで組み立てるようなキレイさという面では、まだまだですが、そんなものは、これからいくらでも磨きがかけられるのです。そんなキレイさよりも大きな可能性を含んだ、すごく面白いプレーをするんですよ。
そういう、成長していく力があるのは明らかなんです。
だから、思うんです。
子供なんだから、もっとでっかく成長しろよって
勝手に天井なんて作るな、作らせるなって。
可能性だけをめいっぱい積んで、飛んで行けって。
残り一カ月・・・
彼らが、年下の子の力を引き出すことはもちろん、自分たちの力を最大限に引き出し、自分たちの力をより感じ、より大きく成長した姿で飛び立っていくことを期待しています。
=サッカースクール ソラ=
千葉市で開校中 TEL : 042-534-3766
★ソラ・HPに戻る→ http://www.sonoyosade.com
★ソラ的な日々 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/sola
★通信の「おまけ」 http://solasolasola.cocolog-nifty.com/omake
« 子供らときたら・・・① | トップページ | 「子供らときたら」の中の「エイヤー」の補足 »
「子供とのやりとり」カテゴリの記事
- いきなりの「“おめでとう”と言っておいて」(2015.11.01)
- おふざけっぽく見えますが―いいんです!…たまにダメだけど( ̄∇ ̄メ)(2015.10.10)
- そこまで理解してしまうとは?!(2015.06.15)
- 大丈夫だよ!(2015.06.15)
- もうこのスクール、来たくない!(2014.09.07)