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2011年2月 2日 (水)

お正月と言えば・・・

(通信No.105おまけより)

通信No.100で、ある高校生の子の話を載せましたが、この子と同じクラスにいた子が、今大会では得点を重ねるなど、チームの主力として頑張っていました。
全国大会で活躍するくらいだから、小さな頃から「超熱血」だったのかと言えば、少なくともスクールではそうではなく、私は3・4年生の頃の様子しか知りませんが、(前通信にも似たような子の話を書きましたが)やっぱり普通の子でした。
私の説明中にそばの子と話したり、ゲーム中も笑いながらドリブルしたり・・・。
また、その子は(体が大きかったのですが)体の大きさに頼らず、ボールを扱う技術を身につけようと、これまた子供らしく、ゲーム中によくチャレンジしていました。
体が大きいので、相手をブロックして簡単にシュートもできますし、遠くからシュートを打っても入るのですが、そういうプレーを控えるように言うと、素直に力任せのプレーをやめ、技術で勝負をしていました。そのため、ボールを取られることもありましたが、そういった、プレー自体を楽しむ姿勢があったから、(各環境で彼を支えた方々と本人の努力で成長したことは言うまでもありませんが)各年代で必要なことを吸収していけたのでしょう。・・・話はそれますが・・・発育差により、キック力や体格に差のある低学年の子たちは、シュートコースに相手の子がいても、強くシュートを打ち、ボールが誰かに当たって入っても、本来なら入らないそのシュートの不適当さには気付けず、そういうプレーを続けることがあります。現時点での身長差や力の差は、単純に発育が早いかどうかによる一時的な場合が多く、今、体格差や力に頼ってプレーしていると、後で他の子の発育が追いついた時に、途端に思うようなプレーができなくなってしまうことがあります。ですから、そのようなプレーを私は褒めません。・・・
今、その子が長身を生かすだけでなく、技術を生かし、活躍しているのを見て、彼の持っていた、プレーを楽しみながら成長しようとする姿勢の大切さを痛感しました。
先程お伝えしたように、その子も、3・4年生の頃は“イタズラ”好きのソラっ子と同じ、普通の子でしたので、(当時から努力家だった子がそのまま大きく育つケースももちろんありますし、小学生の頃はとてもおとなしかった子がプロになったりするケースも当然あるので、イタズラッ子のみがいいと言いたいのではなく)ただ、普通にサッカーをしたいと思っている子が続けられるのが、やはり子供に必要な、子供のサッカーなのだと(いつも言っていて、しつこくてすみませんが・・・)改めて思いました。
また、今回の全国大会では、小学6年生の頃に少しだけ(ソラの前身の)スクールに来たことのある子もプレーしていました。
先程の子とこの子の高校が3回戦で当たってしまい・・・接戦の末、この子の高校が負けてしまいましたが、この子もチームの主力としてここまでチームを引っ張り、小柄ながらもゴールに向かう姿勢には自信・迫力があり、かなりかっこ良かったです。
この子はスクールにいた期間が短かったにも関わらず、中学生になっても遊びに来てくれ、その後もこの子や保護者の方と話す機会があり、ここまでの道のりも多少は理解していたので、全国大会出場が決まった時に連絡をさせて頂きました。
小学生の頃にスクールに来ていたと言っても、「リハビリ」という感じで一緒にボールを少し蹴っていただけなので、私が教えたことは何もありません。本当に何も教えていないのです。それは、保護者の方も、子供もわかっていると思います。
だからこそと言いましょうか、保護者の方が面白いことを言ってくれました。
当時のスクールの雰囲気が、当時のその子には合っていたと。ありがたい言葉ですが、これだけだと、ただの社交辞令っぽいじゃないですか。ですが、「なるほど」という言葉を加えて頂いたお陰で、「ほんの少しだけ、役に立ったかも?」と思えました。
どうやら、「ゆるい、力の入っていない感じ」が良かったらしくて・・・何も教えていない私にはピッタリの表現! この方もよく練習を見て下さっていたので、「ゆるい」というのは私たちが手を抜いていたと言っているのではありません、たぶん・・・ん・・・。
この子は、この子なりに色々あり、たまたまスクールに来ることになったのですが、その時の彼の体・心の状態を考えると、「熱血」なスクールでは、もしかしたらサッカーが続かなかったかもしれないと言っていました(この方の言う「熱血」とは、大人から見た「やる気」のあるなしを押しつける環境や、そういう「やる気」のあるプレーをしない子ではサッカーから離れたくなる環境を指しているのだと思います)。
私も「やる気」は大切だと思いますし、スクールでも要求しますが、大切なのは、大人目線ではなく、子供目線での「やる気」なのだということなのでしょう。
少年サッカーコーチの最大の役割であり醍醐味は、サッカーをする子を応援することです。子供の段階や状況に合わせ、環境や対応を変えるのは当然ですから(もちろん、不変のもの、芯となる部分も必要ですが)、当時、そのクラスでそのような雰囲気にしていたのも自然なことですが、あの環境で続けられたことがありがたかったと言って頂き、(本当に何も教えていないのに)ありがたいと思うと同時に、ここでも、子供が自然に努力して続けられる環境の大切さを改めて感じたのでした。
子供たちは、彼らの世界でサッカーを続ける限り、成長するんですよね、必ず。
それをしっかり頭に入れ、これからも自分のすべきことをやっていこうと思います! 

*私がこの子の今の技術の高さを褒めたところ、親御さんは、この子が飛躍的に伸びたのは中学生の頃なので、中学生の時の所属チームの指導者の方にしっかり教えてもらい、今の土台となる技術を身につけることができたのだろうとおっしゃっていました。中学生の時は本当に伸びます。そこまで、みんながサッカーを楽しみ、続けられますように。

*全国大会に出ていない子たちにも良い選手、大きく成長している子がたくさんいます。また、サッカーを続けている・いないに関わらず、子供たちが様々な分野に対して大きな可能性を持っているということは言うまでもありません。
可能性がどうのこうのという前に、社会にとって大切な存在だということも、どの子も同じです。そういう子に関われることの大切さや嬉しさを、常に頭に入れておきたいと思います。

*ここに取り上げる子たちを小学生の頃にどこかで見ていたことがあるからと言って、自分のコーチングが良いということにつながるなどとは、まったく思っていません。そこまで愚かではありません。彼らを伸ばしたのは、各育成年代でのコーチや彼らを支えた人の努力、本人の努力だということを十分に承知していますので。
また、皆さんに、指導が良い(?)と誤解をさせるために載せているのでもありません。
ただ、昔の様子を知っている子たちが大きく成長しているので、普通の子が続けられる環境が大切なこと、普通の子でいいのだということ、「子供のサッカーは子供のものなんだ」ということを伝えたくて書いているだけです。
普段、好き勝手なことばかり書いていますが、(私が考えているだけでは信頼性がないでしょうけど)一応、根拠があることもおわかり頂けるでしょうし・・・。
そういうことですので・・・。
もちろん、スクール、コーチングの質の向上は永遠のテーマです。
これからも、妥協せず、頑張っていきます。

=サッカースクール ソラ=
千葉市で開校中 TEL : 042-534-3766
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