言いあい
(通信No.106おまけより)
昨年のU-12クラスで、2人の子が練習中にちょっとした言い合いをしていました。
それぞれに必要な話はしましたが、2人とも気持ちが簡単には治まらないようで。
その翌週 ― 練習が始まり、みんながドリブルをしている中、2人のうちの1人の子が私の方に来ました。
そばに来て、普通に話しているだけなんですけど。・・・ちょうど、その頃、言い合いをした、もう1人の子が登場。
練習が始まっているので、すぐにみんなに混ざった方がいいのに、「服がヘンでしょ」なんて言っています。
別にどんな格好でもいいと私は思っていますが、なんか、気になるようで(良い感じなのに)。
先にそばに来ていた子(前に言い合いをした子)が、私のそばにいるのをわかっていながら、近寄って来まして。みんなは練習をしているので、私のそばにいるのはこの2人だけ。お互い、「あいつが来たから違うところに行こう」なんて様子はないので、先週のことが少しは心にあるのかな? なんて思っていました。
そして、2人の会話ですが・・・「シャツがヘンだ」と言っていたのを聞いていた子は、さすが! 先週の仲直りも込めて、「ヘンじゃないよね、コーチ!」と・・・普通は言うと思うのですが、「確かにヘン!」って(さすが子供)。
まあ、このぐらいの距離がちょうどいいか、なんて思ったりもしまして。
今までの2人なら、これでまた言い合いになってもおかしくないのに、ならないから、ちゃんと成長したようです。
なので、ついでにこの後の練習では、この2人をずっと一緒に。他の子たちがみんな4人組で練習している中、この子たちだけをずっと2人組に。フフフ、これは仲直りのご褒美ではなく、2人を確かめる試練です。
さて、そんな2人組の練習で・・・
1人の子は、練習するワザをまだスムーズにできません。この子は、こういう時、私が言葉をかけると、「できない!」とあきらめ姿勢になることもあります。実は、そういうところを直す努力を、この子は一年ぐらい続け、かなり成長もしていましたが、子供ですから、まだあきらめてしまうことがちょくちょくあるのです。
もう一人の子は、たまにちょっと強い口調で友達にものを言ってしまうことがあるようで、前回の言い合いで、この「強く言い過ぎる」点を反省したようです。
「こんな2人で平気かな?」なんて見ていると、見事にやりきりました。やっぱり、すごいですよ、子供。
しかも、2人とも努力をしていたと思います。
1人の子はあきらめないように、もう1人の子は言い過ぎないように、心をたくさん使っていたと思います。
私は、指示を出す時以外は、その2人とは最も離れた場にいたので、「大人がいるから頑張る」というのではありません。ずっと続けることができたのは、本当にお互いの努力、相手のことを考えての努力の表れなんです。
ケンカや言い合いの後、急に「すごく仲良し」になんてならなくてもいいんです。
でも、お互いのことを意識し、認める、相手のことを思う経験は、絶対にしてほしいと思っています。
何かを言っちゃったり、やっちゃったり・・・色んなことが起きますが、こういうことって、人に興味を持つことの表れですよね。人に興味を持つのは自然だし、良いことです。ですから、良い方向に持っていくことができれば、必ず大きな成長につながります。そういう成長につながる種を、子供たちはたくさん持っているんですね。
そういう種を持つ子たちにとっての、「水」や「光」になれたら・・・なんて私が思うわけはなく、はっはっは、自分の力で水を得よ、光を得よ、しっかり育って見たまえ、なんて思っているのでありました。失礼。
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