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2011年1月の投稿

2011年1月 2日 (日)

中学生年代・・・

(通信No.104おまけより)

卒業生が遊びに来てくれた時のこと。
親御さんも一緒に来て下さり、「まだサッカー選手になる夢を持っているみたいで・・・」と。
子供の可能性を信じていないわけではなくても、親としてはこういう言い方になってしまうんですよね。
子供の方は・・・あきらめないでいたい、でも、まだ追いかけていいのか・・・少しだけ迷っているようでした。
私からは、素直な気持ち(あったっけ?)で、「中学生の頃はとんでもなく伸びる」ことを話しました。
気休めでもなく、軽く言うのでもなく。だって、本当ですから。
体の発達段階も精神的な発達段階も、小学生と中学生とでは違います。
わかりやすい体の部分で言えば、小学生の頃との大きな違いは、心肺機能がもっとも発達する時期であり、また、強い筋力も発揮できるようになる時期だということです。
小学生の頃、疲れてしまうとミスが増えていた子や、見えないところでとても動いているために、自分のところにボールが来た時には疲れてしまっていて失敗することの多かった子が(こういう子は、みんなが見ている部分は「失敗」の部分が多くなってしまい、「ヘタクソ!」と言われることもあります←他の部分を見えない人による完全な誤解ですが!)、スタミナがつくことにより、長時間、技術を発揮できるようになります。
そういう子は、自分に対する評価もガラッと変わるでしょうし、成長に加速度もつくでしょう。
もちろん、これだけでなく、背がグーンと伸び(一時的に体のバランスが崩れ、動きがぎこちなくなることもありますが、バランスは戻るので大きな問題ではありません)、また、強い力を発揮する筋力が発達するので、小学生の頃は体で当たり負けをしてなかなかテクニックを発揮できなかった子がテクニックを発揮できるようになったり、相手をかわした後のキックの飛距離が伸びることでテクニックの効果がより出るようになったり・・・他にも、体が年代特有の成長をすることで、急成長する部分がたくさんあるのです。
そんな中で、私が特に面白いと思うのは、心肺機能が最も発達するということです。
中学生になると、サッカーを好きな気持ちはどんどん強くなっていきます。
また、理論的に物事を考える傾向も、目的意識を持って練習に取り組む傾向も、小学生の頃よりも強くなり、計画を立てて練習をしたり、効果的に練習しようと意識したり、サッカーへの取り組み方、取り組む時間も大きく変化していくでしょう。そうした姿勢での自主練なども、きっと増えていくはずです。
「行動は動機を強化する」・・・サッカーをして、サッカーがより好きになって、もっと練習したくなる。練習して、またさらに好きになって、またもっと練習する。これを繰り返していきます。そして、それが可能な体なんですよね。心肺機能の発達する時期ですから、こういったことが可能になり、また、そのようにトレーニングをどんどんすることで、さらに心肺機能が発達していきます。
心肺機能はすぐにつくものではありませんが、(心肺機能に対する)トレーニング効果が最も高いこの時期は、努力すればするほどサッカーの技術を上達させながら、サッカーに必要なスタミナがついていくのです。
本当に、心と体の発達って、(この年代に限らず)その時の心と体で自然に取り組んで行くことができれば多くのものを吸収できるようにできていて、不思議というか、良くできているなって思います。
こういう時期ですから・・・とんでもなく上達するのです。
小学生の頃に目立たなかった子が中学生になってからすごく目立つようになった(またはその逆に目立たなくなった)という話を聞くことがありますが、それも納得なのです(こういった点からも、小学生の時点での技術を見て、大人が勝手に色々推測し、多くのことを決めてしまうことがどんなにもったいないことか、おわかり頂けると思います)。もちろん、努力したらの話、サッカーが好きだったらの話ですが。
だから、そんな話をしたのですが・・・帰りの車の中で、「あきらめなくていいって言ってたよね」と、なんかスッキリしたように言っていたそうです。私がそんな話をしなくても、この子はあきらめなかったと思いますが。
あきらめる必要はないー無責任な発言だと思われるかもしれませんが、本当に伸びる時期ですからね。
それに、あきらめないことで得るもの、思う存分挑戦することで得るものの大きさは計りしれません。
しかも、真に目的に向かう挑戦には、必ずある程度の責任が課されます(自分で課します)。
中学生 - まだ成長途中。まだまだ知らない力や可能性が、自分の体につまっているんです。

この子のスッキリした顔、目に浮かびました。
希望と責任の中で、悩みながら、また、たくさんのものを手にしながら、きっと大きく成長していくことでしょう。
近頃、子供たちが夢を持てなくなったという話をテレビなどで聞くことが多かっただけに、嬉しかったです。

*話は少しそれますが・・・①
外国の話で、子供にどんなことが合っているのかということを小さなうちから試験や検査をし、その結果から、子供に合ったものを習わせる、というような話がありました。その話では、子供に合っているものを探すのは、子供が将来、成功するためであったり、子供が失敗しないためであったりするようでした。
こういう、その子に合ったことを用意してあげるという親心もわからないではないですし、そういったことで実際に幸せになる子もいるのかもしれません。親に用意されているものをやっているうちに、それが好きになり、その分野で成功することを子供自身が望むようになることもあるでしょうから。それに、人生における成功や失敗の定義なんて、人によって違うと思うので、色んな考えがあっていいと思います。
ですが・・・それにしても、あらかじめ成功する可能性の高い道を用意することで失うものはないのだろうか、多少困難なことがあったり、結果的に失敗したりすることがあっても、本人が好きなものに向かい努力する中で得るもの、後に大きな財産となるであろう多くのものを得ることの大切さに、もっと目を向ける必要はないのだろうか、なんて、思ってしまいました。
私だって、自分が失敗をするのはどちらかと言えばイヤですが、必要ないものだとは思いません。
もちろん、してはいけない失敗、許されない失敗もあると思っています。
ですが、私は、失敗するか成功するかを心配することよりも、失敗から立ち直る力を育てることや、そういう力が自分にあると信じられる経験をさせることの方が、大切だと思います。
「試験・検査により導かれた、成功する可能性の高いことをやり、成功すること」と、「自分がやりたいことを思いきり追いかけ、挑戦し、失敗すること」と - 本人が、より幸せを感じるのはどちらなんでしょう。
一人一人違う考えがあって当然ですし、簡単には答えは出ないことだと思いますが・・・でも、目的に向かって走っている時って、やっぱり最高ですよね・・・話がそれすぎたのでこのへんで・・・・。

*話は少しそれますが・・・②
私はスクールで冗談を言ったり、バカなことを言ったりしていることがよくありますが・・・それは、今後のことを考えた時に、今、こうすることが、今、ソラに来ている子たちにとっては必要だと思っているからです。
プレーに関して言えば、真剣にプレーした時に得られる達成感や楽しさ、嬉しさを超えるものは、ふざけたような雰囲気の中では絶対に得られないと私は考えています。
また、千葉で指導を始める前、埼玉、神奈川、東京などで指導をしていた頃は、もちろん、そこに集まっている子の様子や環境なども考慮してのことですが、今のように「おふざけ」は多くはありませんでした。
ですから、現在のスクールでの指導、雰囲気作りは、慎重に考えた上で行っていることではありますが、自分で決める問題としては、かなり難しい問題なのです(子供たちの様子や子供たちを取り巻くサッカー環境、その中での子供たちの様子を見た上で、長期的に子供たちが成長していくことを考えた場合に、今は、スクールにおいてはこの雰囲気で行うことが良いだろうと判断し、行っています)。
さて、なぜ、こんな適当人間の私なのに、この問題を難しい問題だと考えるのか。
それは、この雰囲気で良かったのかどうかは、卒業してからでないとわからないからです。
失敗したとすぐにわかる問題なら、取りかえす時間もあるかもしれませんが、そういう問題ではありません。
先程の話では、失敗を肯定的に書きましたが、それとは違う話なのです。
判断が正しくても、彼らに大きな影響を与えられるほどの力はありません。
彼らの持っているプラスの可能性はとんでもなく大きいので、それに対して私たちスタッフが与えられるプラスの影響なんて、たとえあるとしても、本当に微々たるものです。

ですが、判断が間違っている場合は、悪い影響を与えかねないと思っています。
起こすことができるプラスの可能性を、眠らせたままにしてしまう可能性があるからです。
こんな風に考えているので、卒業後、こうして真剣にサッカーに向かっている子がいることは、とても嬉しいのです。

*話は少しそれますが・・・③
小学2~3年生の頃は、周囲の子と比べても特に技術的に目立つというわけでも、身体的にずば抜けているというわけでもなく、また、サッカーの好きさも「超好き」とか「熱血」という感じではなく、「普通に好き」というような、本当に「普通」の子がいました。
プレーに関して言えば、これも普通のプレーと言えば普通ですが、色んなターンをよく使っていました。
ターンを使った後も強くボールを蹴ったりはしないので、「バッと抜け出す」という印象はありません。
ただ、キックは丁寧で、強さはなくても正確でした。
その子はその後、Jリーグに所属するチームのU-18のチームでレギュラーとしてプレーしています。高校生年代の日本一を決める大会では準優勝。そのチームでレギュラーとしてプレーできているのはすごいことだと思います。
この子が目立ち始めたのは小学6年生の頃からです。ターン後に蹴るボールに飛距離が加わったのです。
小学2~3年生の頃にするパスの距離と言えば、数メートルです。しかも、相手が密集しているので、パスが取られることもあります。ですが、6年生くらいになると、もっと長い距離のパスも出せるようになります。
この子のターンの技術と、ターン後の正確なキックが目立ち始めるのもわかります。
しかし、正確な技術が目立つようになり始めた小学6年生の頃でも、周囲の子と比べてとんでもなく差があったかと言えば、そこまではなかったように思います。
ですから、きっと、その後、さらに伸びたのだろうと思っています。加速度をつけて。
ターンが上手ということは、相手にボールを奪われにくい、ボールを取られないところに置くことができる(コントロールできる)ということです。その上、キックが正確であれば、体が強くなり、強いキックができる年代になれば、より相手にボールを奪われにくくなり、相手を困らせるロングキック、さらにロングシュートも打てるなど、チームにとって、大切な選手になるのもわかります。
小学2~3年生の頃には、まったく普通の子だったこの子・・・年代に応じたサッカーの楽しみ方、サッカーに対する努力をし、年代で得られる発達を遂げ、成長を続けた結果、今の彼があるのでしょう。
中学生年代での伸び幅の大きさを、とてもよく表していると思います。
そういえば、このチームには2~3年生の頃から動きの良かった子もいます。
どんな動きだったかと言うと、「計算して動ける」というような動きの良さではなく(そういうものは後でも身につけることができると私は考えています)、ただボールを触りたくてしかたないという動き、どう動くことが得か損かとか、そんなことは考えないで、ひたすらボールを追いかけてしまう動きでした。
ボールに合わせてどこまでも動き、飛ぶ。とにかく楽しそうにボールを追いかけていました。先程の子とは違い、この子は少し目立っていました。そんな子だったので、きっとそのまま成長していったのでしょう。
他にも一人、このチームには、小学生の頃から熱いプレーをしていた子がいます。
体格、性格、経験・・・一人一人違う子供たち。当然、成長の仕方もそれぞれ。
これも魅力の一つですね。

*話はもうそらしません・・・これ以上そらしたら怒られそうなので。でも、すでに怒っている方も多そうなので・・・少しの間、スクールでお会いしても目をそらしま~す・・・ソラだけにね! 
・・・・ウケがイマイチなようなので、絶対にそらしまーす! 

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