卒業にあたり・・・
(2008年3月 通信No.69より)
今年の卒業生は色々ありましたね・・・本当に色々ありました。
ずっとスクールにいる子も、途中からスクールに来た子も。
子供らしくて、無邪気で、気分屋で・・・。笑ったり、急に怒ったり、真剣すぎるぐらいに入り込んだり、冗談ばかり言っていたり。私もたくさん誉めたり、たくさん怒ったり、すごく嬉しくなったり、すごく悲しくなったり。
こんな子達が卒業・・・もう、昨年の終わりごろから、卒業のことはずっと頭にあり、なんと、こんな私でも、「うるさかったヤツラともお別れかぁ」、なんてしみじみ思うこともありました。
でも、中学生クラスも必要なら開催するし、私はまだソラにいるし、会おうと思えばいつでも会えるので、すぐに、「平気、平気」状態になるのでした。・・・のはずなのですが、今の6年生が小学生としてプレーする空間、今いるみんなと作る空間は、卒業後は作られることは決してないので、それを思うとまた残念に思ったりして・・・。
そんな気持ちが交互に表れる、魅力ある子供たちでした。
それから、この3月、実は6年生の子以外にも卒業する子がいます。そう、中学3年生の子、2人です。
この子たち(と言っても2人ですが)は、小学生のクラスを卒業後、よくスクールに遊びに来ていました。
小学生の頃のこの子たちも、子供らしい、なかなかいいヤツでした。卒業後の2人は、中学生ならではの、大人と子供の中間を一生懸命に生きていて、(当時はまだ中学生クラスがなかったので)学校が終わるとよく遊びに来て、色んな話をしてくれました。
そんな彼らの話を聞いていて、中学生クラスを作らなければならないと思い、当時の月曜日コースの時間を変更するなど、皆さんに色々とご協力頂いて、ソラのU-15クラスはスタートしたのでした。
卒業しても、6年生の子は、落ち着いたらU-15クラスに来る子もいるかもしれないし、中学生の子も、高校生になってもまだ会える機会はあるでしょう。これからも必要な時にはお互いに会おうと思えば会えるので、「卒業」というのは形の上でのことだけですが、とりあえずは卒業ということで、彼らを送り出すにあたり、私が今、最も強く思うことは、「コーチは色々な子に出会うことで本当に成長できる」ということと、「コーチの方が、子供たちに成長させられる」ということです。
実は、コーチングで最も使うのは知識でも体力でもありません。
知識も体力も、それを活かすコーチング技術ももちろん大切なものですが、最も使うのは心です。
他の年代のコーチングでは、逆に心を極力使わないことが必要な場合もあるかもしれませんが、この年代のコーチングでは、最も使うもの、最も大切なものだと私は思っています。
彼らといると、自然にそんなコーチングになりました。コーチング技術云々より、心を使っているかどうかで、スクールの流れ、スクールの質が決まりました。私にとっては、彼らを育てることができるのか、毎回が勝負でした。
だから、スクールをより良くしようと常に思うことができ、彼らに相応しい場にする努力、コーチングの質を上げる努力をする必要性を常に肌で感じることができました。自分自身が成長しなくてはならないと強く思うことができました。本当に、彼らのおかげで、たくさん成長できたと思っています。さて、そんな彼らが卒業です・・・。
U-15クラスを作るきっかけをくれた中学生、子供の心をどうすれば見ることができるのか、課題をたくさんくれた6年生。本当にありがとう。そして、子供を通わせて下さった保護者の皆さん、本当にありがとうございました。
彼らからもらったたくさんのものを大切にし、また活かしながら、これからもコーチをしていきたいと思います。