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2010年9月26日 (日)

子供の「試合」? 

(2009年11月 通信No.87より)

週末、夕方に公園でちょっとボールを蹴っていると、そばに2~3年生くらいの子が来ました。
私は隅でチョコチョコとボールを蹴っていたのですが、そぐ横で「ヨシ、取るぞ!」という声が。
「あの子もボール持ってたよな。“取る”って、俺のボールのことじゃないよな」と思いチラッとその子を見ると、ありゃ? その子がダーッと来ました。どうやら私のボールを「ヨシ、取るぞ」だったようです。
前にも、同じくらいの子が来て、目が合い、「取りに来る!」と感じた瞬間、本当に“ダッ”と取りに来たことがありました。もしかしたらあの時の子かな? スクール時はコンタクトをしていますが、こういう時は裸眼なので、ちょっと離れると顔が見えず、顔を覚えられないのです。
取りっこが始まり、すぐに仲間が1人加わり、2人対1人に。さらにまた1人登場し、3対1に。
取りっこの間、子供たちは元気にじゃんじゃんボールを取りに来ていました。本当に何度も何度も。
何回か取りに来てダメだと、「あっこさん登場!」「○○ファイヤー」「中村登場」なんて、次々と新技を繰り出してきて。「あっこさんって誰だよ!」と言うと「今、考えた」と答え、みんなゲラゲラゲラ~。ゲラゲラしていても決して手を抜いているわけではなく、次から次へガンガン取りに来て、休む間もなく、ツライけど、面白い。もちろん、スクール時同様、子供たちの安全には十分に気をつけてやっています。
そして、途中、ボールが離れたところに行った時には、ちょっとしたハプニングがー。
ボールを取りに行った子が、少し離れたところからこっちにボールを蹴ろうとしたのですが、そこからこっちまで飛ばすにはベンチの屋根(つるが巻きついている)を超えなければなりません。角度、距離から言って、まず、その屋根の上に乗るであろうと思われ・・・なので、「そこから蹴ったら、ここに乗るかもしれないからダメ」と言おうと思ったのですが、「乗ったら乗ったで、面白いな」なんて頭によぎっちゃたので、言うタイミングが遅れ、・・・やっぱり、乗りました・・・。ベンチには人がいない安全な状態ですから。
面白いのはいいのですが、屋根の中央に乗ったので、ちょっと取るのが大変…なぁんて、あまり困らず。だって、さっきチャンバラごっこをしていた子がいたのもちゃんと見ていたので。あの棒があれば平気! 
そばにいたチャンバラ君(もうチャンバラには飽きたようで、ベンチ横で話をしていました)を意識しながら、「こりゃ、棒じゃなきゃ取れないなぁ」と言うと、チャンバラ君が、「俺、棒、あります!」と(Yes!)。
「へぇー、かしてくれる?」と言うと、得意気にダーッと草むらへ。隠してあるんだね、ハハハ。
そして、棒を手に入れ、ボールを取ることに。チビッ子が「やりたい」と言い、危なくはない感じだったので、やらせてあげても良かったのですが、ボールが取れないところに行ったらお手上げなので、やらせてあげませんでした。そのかわりに、もう夕方で、私には葉の緑に溶け込んだボールが見えないので、棒の誘導役をお願い。その役でも喜んでくれるかわいいチビッ子。ボールは無事に落ち、棒を貸してくれた子に、「ヒーローだ」とお礼を言いながら返すと、またダーッと隠し場所へ。コイツもかわいい。
さて、ボールが元に戻り、再開。でも、もう帰らないと。もともと、ほんのちょっとだけ蹴るつもりだったし。
…ということで、「そろそろ帰らなきゃ」と言うと、「えー、試合やろうよ、試合!」と言う子がいまして。
「お前らも帰らないとダメだろう」と言うと、「まだ平気」らしく、「試合やろう! 試合やってから帰って!」とずっと言ってきます。すると、他の子が「これ(今やっている、ボールの取りっこ)が、もう試合だろ?」って。おお、わかってるじゃん!  通信のおまけ読む? っていうか、おまけ書く? 
そうそう、そうなんです。これが、もう「試合」なんです。同じくらい面白い。同じくらい本気。
コートにラインなんかはありません。人数も格好もバラバラ。大人から見たら正式なサッカーではないし、試合には見えないかもしれないですけど、でも、やっている僕らにとっては試合と同じ。
これが子供のサッカー、子供の発想力、子供の感受性。他のことでも、子供ってこういうことありますよね。真似ごとでも十分、子供の大きさで得られる最大限の楽しさを味わっていることが。もちろん、「これじゃ、本物じゃない」っていうこともあると思いますけど。
さてさて、そんな“試合”でしたが、さすがに、「もうボールも(私だけ)見えないし」ということで終了。
子供たちに「気をつけて帰りな」と声をかけ(ましたが、まだ遊んでいました)、公園を離れると、ピョコンと顔を出し、「じゃーねー」と。「んじゃなー」と返し、また、「ばいばーい」と、懐かしい子供のバイバイ。
バイバイが終わると今度は「明日の4時、ここに来てねー」と。アバウト! これも懐かしい、子供の約束。
来れないので「ダメ―」と答えると、一度、顔を引っ込め、また顔を出して「明日の5時ねー」「ダメ―」「4時30分ねー」「ダメ―」・・・これを繰り返しながら帰宅。
面白いでしょう、この子ら。こんな感じで、きっと毎日遊んでいるのでしょう。なかなかうまかったです。
皆さんの中にも、ちょうど、同じくらいの子を持つ方がたくさんいらっしゃいますよね。
2年生、3年生・・・年代が上がってくると、子供がサッカーを好きになっていった時のことを考えて、今、チームに入っていないことを気にしたり、急いでチームに入らなければならないかと心配になったりする方もいるかもしれませんが、こうやって、ボールをたくさん蹴れる時間が持てれば、後のことを考えて、今、心配になるようなことはないと、私は考えています。
実際に、公園で毎日サッカーして遊んだり、週末に1時間でもボールを蹴って遊んでいる子は、本当に上手になっていますもんね。正式な11人対11人でなくてもサッカーはできるし、面白いのです。
そして、面白いのが子供のサッカーなのです。面白いからめちゃくちゃ上手になるのです。
・・・この日の公園でのサッカーは、全部が自然で、でもちょっと特別で、なんか子供の一日って感じで、楽しかったです。5、6年生くらいだと、また違う子供のサッカーがあるんですよね~。
帰り道、ソラの子たちも、こんなサッカーをどこかの公園でしていたらいいなぁと思ったのでした。

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