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2010年9月25日 (土)

友達同士の関係・・・「友達なのに?」

(2007年11月 通信No.64より)

■友達なのに・・・①
スクールには、同じ学校や同じチームから来ている子もいますが、そんなことに関係なく、ゲームの時はチーム分けをしています。
ある日、U-9クラスのゲーム中、ある子がボールを取ろうと走っていると、相手チームの子が後ろから追いかけてきました。この2人は普段の所属チームが同じです。
きっと、ボールを追いかけていた子(ボールに近かった子)は、後ろから来る子は普段一緒に練習している仲のよい子だし、ボールも外に出そうだから、自分には当たって来ないと思っていたのだと思います。―が、“ドン!”。
それほど強い当たり方ではなかったのですが、前にいた子にとっては、思ってもいなかったことだったので、この時は転んでしまいました。そして、なかなか起き上がらないのでした。
体の接触の衝撃や転倒時の衝撃はほとんどなかったと思うのですが、なかなか起き上がらず・・・。やがて起き上がり、その後は普通にプレーしていましたが、きっと、「友達だと思っていたのに」(なんで他の人に当たるように俺にも当たるの?)という感じだったのではないかと思います。
少し手加減してくれるだろうと思ったのでしょう。同じくらいの当たりにはいつも耐えているのに、この時になかなか起き上がれなかったのは、心理的なショックもあったのでしょうね。
でも、この「強い当たり」も、一歩進んだ友達だからできること。だから、良いことだと思います。
だって、普段一緒に練習しているのに、「こいつは頼りないから弱く当たってやるか」なんて思われていたら、嫌ですもんね。そりゃ、わかり易い優しさも必要ですけど、優しさが一歩進んだ形が、「お前なら大丈夫だろ。だから、今は行くぞ」というものだと思います。「ゲームでバンバン当たっても、ゲーム後はいつも通りになれる」という、相手への「信頼」もあるのでしょう。
なかなかよろしいんじゃないでしょうか、こんな関係。

■友達なのに・・・②

10月、U-12クラスのゲーム時に、所属チームが同じ子を同じチームにしてみました。
そのチームの子が、相手にボールを取られた時、「だって、○○が動かないんだもん!」と大きな声で言いました。
こういう場合、誰か一人が悪いということはまずないのですが、言い合うことでわかる部分もあるので、(子供たちに説明する場合もありますが)この時は様子を見ていました。
すると、名前を出された子は、(本人はそれまでも頑張っていたのですが)ただ黙って、言葉を飲み込み、それまで以上にボールを追い掛け回すようになりました。頑張っている、一生懸命だけど、黙々と、友達に認めてもらうために動いているようで、本当はそれまでのプレーでも十分に認めてもらえるはずなのに・・・。そんな様子を見て、ちょっと辛かったです。このまま、この子の頑張りに、誰も気づかないのだろうか・・・。
すると、そんなことはないのです。
ちゃんと友達は気づくのです。もともと、(この子達の場合は)さっき言った、「だって、○○が動かない」という言葉も、普段から一緒にプレーしている仲間だからこそ、出た言葉なのでしょうね。
そう言った子は、その後、とても自然に、○○君にパスをしていました。そのパスはちょっと長めで、蹴る(パスする)のはちょっと大変だったはずですし、他にも、(普段から所属チームが同じ)味方の子はいたのですが、その時点で最も自分から遠いところにいた○○君に、名前をしっかり呼んでパスをしていました。
―そのパスの直前、実は私は○○君を見ました。そして、名前を呼ばれた瞬間の顔も見ました。表情が気になっていたので。
その子、それまで、いかにも「黙々と動く」という感じで、一生懸命だけど寂しさがちょっとある表情だったのに、名前を呼ばれた瞬間、嬉しそうに、口元がほんのちょっとだけゆるんだんです。
後で、その時のことを話すと、その子は、「表情はかわってない」と言っていましたが、しっかり見ていましたから、私(家政婦じゃないですけど)。
一瞬ですが、本当にちょっとですが、安心から出るような、ちょっとした口元のゆるみ、嬉しそうな表情、見せたんですよね。
きっと、さっき文句言われて、「俺だって頑張っているのに何で」と、ちょっとだけ残念に思っていたのではないかと思うんです。その「何で」と思った相手の子が、遠くから、自分の名前を呼んでパスしてくれて・・・心がちょっと、表情に出たんだと思うんです。
友達だから、わかってもらえないと残念に思って、でも、わかってもらえなかったのではないんだとわかれば、それだけで嬉しい、頑張れるんですね。
その後の動きはさらによくて、見ていても、こっちがとても嬉しくなるような元気の良さでした。
友達 ― 色んなものを与え合っていくんですね、やっぱりいいもんですね。

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