« 妙な声かけ | トップページ | やってしまった »

2010年9月22日 (水)

コーチの「もがき」について

(通信No.20より)

練習をしていると、はっきりとした形では表れないまでも、「“なんとなく”うまくいっていない」「“なんとなく”ピリッとしない」と感じることがあります。
このような、“なんとなく”の原因を見つけることは“明らか”にうまくいかないときよりも難しいことがあります。
しかも、「“なんとなく”うまくいっていない、ピリッとしない」ということは、逆に言えば「“なんとなく”はうまくいっている」ということでもあり、極端に悪いことではなかったりしますから、そのままにしておくべきか、それとも何かしらアプローチをすべきか、実に微妙なところです。う~、こいつらぁ。どんな気持ちなんだぁ? という感じです。
そんな時にはひたすら子供達の顔や目を見て、良い状態なのかどうか、判断してみます。そして、(見守るべき事柄や段階だと判断した場合はこちらから積極的に働きかけをするようなことはありませんが)「やっぱりなんか違う」と判断した場合は、それらの状況から私が感じたことを子供達に伝えてみます。極力原因を見極める努力をし、これだと思った部分にアプローチします。ただ、“なんとなく”の現象に対してのものですから、「背中がかゆいけどどこがかゆいのかわからない」状態になることもあり、「ここか!」と思ってかいた場所が全然違っているように、私が子供達に伝えた内容が適切である、すぐに原因にいきつくとは限らないのですが・・・。
その結果、練習の雰囲気が良くなることもあれば、より崩れてしまうこともあります(背中同様)。
働きかけても改善されない、或いはかえって良くない雰囲気になる時は、コーチとして、正直カッコいいものではありません。それは自分の力がまだまだ足りないことをさらけだすようなものです。もしかしたら、放っておけば、“ある程度”の練習効果は得られるような状況―それで“OK”とすべきなのかもしれません。しかし、“ある程度”では到達できない部分・様々なこと、知ること・感じることができないことがあると私は思っています。
技術の部分でも、それ以外の部分でも。ですから、そのような時は放っておきません(ここの重要度は背中とはえらい違いです)。
もちろん、かえって雰囲気を壊してしまった時には反省をし、その場でさらに頭をフル回転させて良い状態にできないか努力しますし、そうする責任があります。それを繰り返していると、「うまくいかない」の繰り返しになってしまうこともありますが、それでも、そうすることは必要だと私は思っています。そんなことを繰り返して、次に同じような状況になった時に、より良い状況を作れる力、より様々な状況に対応する力がついていくのだと思います。

また、上のケースとは少し状況が異なりますが、スクール中、一生懸命練習に取り組む子が技術を身につける段階でも、「なんかうまくいかない」という状況になることがあります。この場合、本人が精一杯努力しての結果なので、起こっている現象は(行動の結果としては)正しいものです。きっと(正しい)原因があるので、よく状況を把握して原因を見極める努力をします。そして、見守るのか、働きかけるのか判断し、働きかける方がいいと判断した場合はそうします。この場合も、状況によっては原因の把握に時間がかかってしまったり、働きかけた結果、かえって動きが悪くなってしまうことも時折あります。これもコーチの責任ですから、より適切なアプローチをできるよう、原因の把握、改善に努める必要があります。
先程の話と同様、このような場合も、放っておけば“ある程度”の上達は望めます。ただし、やはりそのようなことはしません。もちろん、働きかけることが逆に子供のプレッシャーになってしまう時には働きかけませんし、トレーニングの時期や段階、または内容によっては本来の(もっと奥の)目的自体は達成していることもあり、そのような場合も見守るようにしていますが。
現場で子供が苦しんでいる時に、何故うまくいかないのか、解決に向けて頭と体をフル回転させ、実際にアプローチをする。つまり、子供と同じ気持ちになれるということ、子供の感じていることをコーチとして感じられるということは、とても大切なことだと私は思っています。
解決までの過程では、コーチも子供のように、まるでもがいているかのような状況になるかもしれませんが、もがけばもがくほど、その時には時間がかかってしまっても、次第に原因の把握の時間が短くなったり、より的確な把握、アドバイスをできるようになると思います。短期的にみれば1回のスクールではあまり好ましくない結果に終わるかもしれませんが、その責任を果たす努力を続けるのであれば、長期的には、子供、コーチの双方にとって、良い結果をもたらすと私は考えています。
私の場合、経験を重ねるにつれ、以前は働きかけをした状況でも見守る方が良いケースがあることもわかってきました。これは“もがき”の結果かもしれません。もちろん、コーチとして“まだまだ”の部分が多くあることは重々承知しておりますが。

新年度が始まり、クラスの雰囲気がまだはっきり形成されていないこの時期、また新しく子供達が増えていく中で、子供の把握、練習中の現象の把握までに時間がかかることもあるかもしれません。
私同様、他のコーチについても、もがいている状況が今後でてくることもあるでしょう。
多少、お見苦しい点もあるかと思いますが、子供達の空間がより良いものとなるよう努力していきます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

※「コーチとしての失敗を許して下さい」ということではありません。
コーチの失敗には厳しい声を、これは忘れないで下さいーじゃないとつけ上がります。

|

« 妙な声かけ | トップページ | やってしまった »

スクールの考え」カテゴリの記事