大人のいないサッカー・・・・ その2
(2010年7月 通信No.98より)
今(これを書いている時点)、まさにワールドカップ期間中ですが、ワールドカップの歴史を振り返る時に必ず出てくるのが、1974年にオランダが見せた、「トータルフットボール」・・・全員攻撃、全員守備のサッカーです。
この時のサッカーが、その後のサッカーに与えた影響はすごく大きいと言われていますが・・・私が考えるに(とか偉そうに言ってみたりして)、多くの人を魅了したこのトータルフットボールの本質は、「サッカーを大好きな子が自然にするサッカー」です。
今は色んなことを教わっている子も多そうで、また、チームで好成績を上げることに満足する子も多いかもしれないので、どうなるかはわかりませんが・・・一昔前は、監督のいない中で子供たちが空き地で繰り広げるサッカーは、全員攻撃、全員守備が当たり前でした。
みんな、サッカーがやりたくてやっているのでボールを触りたくてうずうず・・・ポジションを「バック」と決められても、攻めたくてうずうず・・・だから、味方ボールの時には攻めてしまう。そして、守りの時には必死に戻る。
守るのももちろんバックだけでなく、フォワードとか攻撃のポジションになっても、守りの時には守る。ついボールを追いかけちゃってものすごく守っちゃうこともあるし、「俺はフォワードだから守らないよ」みたいな顔をしていたら、「お前も戻って来いよ!」と味方に怒られて守ることもある。怒られるのもあたり前で・・・「自分たちが苦しんでいる時に何もしないヤツになんて、パスなんかするもんか」ってなるのが普通ですから。
攻めの時だって、(守りの子が疲れたりして後ろの方にいて)味方の人数が少なくてうまく攻撃ができない時には、守りのポジションの子に向かって「お前らも(攻めに)来いよ!」って。
勝ちたいけど、それよりもサッカーが好きでやっているのだから、ただ要領のいいヤツや気分的にプレーするヤツになんか、サッカーで楽しい思いをさせるかって感じです。
結果的に、全員で守り、全員で攻めることに。
プレーに絡まずに仲間に怒られることもありますが、基本的にはみんな「ボールが触りたい」からやっているので、ボールを触れそうなところを探してどんどんそこに入り込んでいく動きが自然に多くなります。
また、「もし味方がボールを奪われたら、俺が拾おう」と、味方の後ろからちょうどいい距離で付いて行く動きも増える。そうすると、結構いい感じで、みんなが流動的に動けるものなんです。
ポジションは、「一応ある」って感じですね。ポジションを決めないこともよくありますし。
スクールでのゲームを見て私が楽しいと思うのは、こういうサッカーを子供たちがしている時です。
とにかく自由に動き回る。得点パターンや誰がどこでどんなプレーをするかなんて決まっていない。予測できない、連動した動きがたくさんあふれている時、「ああ、子供らしくていいじゃないか。サッカーを好きな子の動きでいいじゃないか」と思います。こういうサッカーは見ていて本当に魅力的です。
大人のいないサッカーは、実はこういう大きな魅力、可能性も含んでいるのです。
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