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2010年9月24日 (金)

褒める・叱る・あれこれ

(2007年9月 通信No.62より)

たまに、「褒めて伸ばすタイプですよね」と言われますが、残念ながら、そう言われるほど褒めるタイプではありません。
褒めるべきところがあるので褒めているだけなので、必要じゃない時は褒めませんし、ただ形式的に褒めるようなこともしません。
U-12クラスの練習を見ている方はご存知でしょうが、「ほとんど褒めない」時もあります。「叱るだけ」の時もありますから。
曜日(コース)によって練習の雰囲気は違い、また、同じ曜日(コース)でも、日によって雰囲気は違います。ですから、褒める言葉が多く、楽しい雰囲気でやっている時もあれば、叱る言葉が多く、厳しい雰囲気でやっている時もあります。その雰囲気の差を見たら、「同じスクール?」「同じコーチ?」と驚くかもしれません。
ただ、見た目は全く違っても、奥に流れている本質は全く変わりません。
同じものを追求しています。
褒めてはいけないタイミングでうっかり褒めると、逆効果になってしまうこともあるのです。
全体的に雰囲気がかなり良くない時には、一人だけ、あるいは少数の子を極端に褒めるようなことを私はあまりしません。それは、褒められた子にとっても、周囲の子にとっても、効果的に作用しないことの方が多いからです。その場に合った取り上げ方、接し方をします。
少し前のU-12クラス(木)がまさにそうでした。
本当は、もっと褒めたい子も、もっと褒めたいプレーもあったのですが、その日はみんなの前で大きく取り上げて褒めるわけにはいきませんでした。グラウンドでは色んなことが起きているので・・・。
極端に数人を褒めることができないからといって、もし全体的に褒めたなら、本来、その時点では褒めてはならない子が、自分の状況を取り違えてしまう可能性もあります。そんな時はうっかり褒められないのです。
このような場合は、メインコーチとアシスタントコーチが協力して働きかけをする必要があります。
メインとしてどう持っていくか、アシスタントとして、どう調整していくか。
叱る場合も同様です。様々な状況があります。
U-9クラスでは、楽しく練習をすることも、楽しく働きかけることもとても大切ですが、ただふざけてしまっているような場合は、頑張っている子、楽しんでやっている子がケガをするような可能性もあるので、かなり厳しく注意していきます。
子供からの、「見て欲しい」というサインに応じる場合もありますが、応じてはならない場合は(=ケガの起きる可能性を増加させてしまいそうな場合)、そのサインにはそのまま応じず、違う形で応えていきます。
頑張っている子への働きかけ、自分で努力している子への働きかけ、ふざけてしまっている子への働きかけ、楽しんでいるのかふざけているのか微妙な感じの子への働きかけ、集中して働きかければ立ち直りそうな子への働きかけ・・・・必要な子への、必要な働きかけを、いつ、どのようにすることが、その場にいる子供たちに対して(対するコーチとして)正しい対応なのか。
どうすることが、一人一人に伸びる機会を与えることになるのか - こんなことを必死に考えて子供たちに接しています。
子供の練習の場合のコーチングは、「頭」というより「心」を使うものです。「頭」から子供たちの中に入っていくと見えないものがたくさんあります。
だから、「心」から行きます(もちろん、年代や状況によっては、逆に「心」を抑えて「頭」を冷静に働かせる必要もあります)。
子供たちは色んな面を見せてくれます。それに対し、片一方からだけの働きかけでは強く成長できないので、両方から働きかける必要があり、こんな感じで褒めたり叱ったりしています。
・・・練習を毎回見ることができる方は少ないと思いますので、もしかしたら、見ている時にたまたま「褒めている」ことが続いて、「いつも褒めている理想的なコーチ」というような誤解があるといけないので、毎度のことながらここでお伝えしておきます。
ちなみに、あまり見たことがないかもしれませんが、“練習をさせない”(コートの横に座らせてしまう等)、“「帰っていい」と言う”、“「コートから出ろ」”と言う場合もあります。
もちろん、これらの働きかけを単純な理由から用いることはありません。
が、そうしなければならない時、そうすることが子供の安全や成長を守るために必要な時は、そうします。「帰っていい」と言う働きかけを、子供との心理的なかけひきに使うコーチもいるかもしれませんが、私はかけひきになんか使いません。本当にそうした方がいいと思った時しか言っていないので。

―ところで・・・「褒めることは難しい」とか「叱ることは難しい」とかよく聞きますが、本当にその通りだと思います。
どちらも難しいと、私は感じています。
実は、私は保護者の方が見学に来ている場合、その方の子をみんなの前で褒めるようなことはあまりしません。いつもなら褒めるようなことでも、ちょっと抑え気味にして、褒めないようにすることさえあります。それには、ある理由があるのですが、ここでは触れません。
もちろん、「親の前で褒められる」ことは、子供としては嬉しいでしょうし、子供の喜ぶ顔を親御さんが見ることも大切なことだと思いますので、「抑え気味」と言っても、「これはみんなの前で取り上げるべきこと」という時には取り上げますので、ご安心下さい。
・・・ですから、逆に言うと、保護者の方が見ている前で、もし「褒められる」ことがあった子は、「褒められたこと」に対して、本当に自信を持って欲しいですし、素直に自信を持って欲しいと思っています。そして、そばにいる保護者の方にもしっかりと認めて頂きたいと思っています。
一方、「叱る」「注意する」ということを「抑える」・・・ということはまずなく・・・すみません。
不公平な感じがするかもしれませんが、これも、ここには書きませんが同じ理由です。
ただ、子供を叱っている、注意をしている場合でも、そうなっているのは(良い状態に持っていけなかった)私の責任なので。

最後に、さぁ、「褒める・叱る」の判断基準は? 
過去に努力した結果、今の技術状態にあること(その日に“その日のための”努力をしていなくても、良いプレーをできることも多々あります)、
その日に努力した結果、その時の技術状態にあること(過去に努力していなくても、良いプレーをできるケースもあります)、
その時点、その状況でこれらを、どのような比率で評価するのか。
「これからが大切」「過去より未来が大切」とよく聞きますし、その通りだと思いますが、過去があっての未来、今、です。
過去の努力(或いは努力が足りなかったこと)を認めることも、今の努力(或いは努力できなかったこと)を認めることも必要です。
また、練習に来ることがなかなかできないけど、練習に来ている時には人一倍頑張っていること、
練習にたくさん来るけれども、毎回の練習では頑張りきれないことがまだ多いこと、
これらを、どのように見ていくのか。
グラウンドで表れる、“さっきまではたまたま気が乗らなかったけど、今日まですごく頑張っていたから、気が向けば良いプレーができる”状況、“昨日まではあまり頑張れなかったけれども、今日頑張っていたから、良いプレーができる”状況・・・。
置かれた時点、状況で、どこの部分までを認めるのかが非常に重要な場合、これらに対して誤って働きかけてしまうと、自分や友達の「努力」「成長」の捉え方を誤ってしまうケースも出てきてしまいます。
簡単に線を引いた方が良い部分、良い状況もありますし、簡単には線を引かず、複雑なラインを見定める方が良い部分、良い状況もあります。
頭から湯気が出てきそうですが(実際に出てるときがありますが・・・)・・・褒める、叱るは、私なりに、こんなことも考えてやっています。

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