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2010年9月25日 (土)

失敗に隠されたもの・・・発見してみませんか

(2009年7月 通信No.84より)

ある日のゲームで、相手チームの子が誰も守っていないゴールへのシュートを外した子が、他の子に「外してやんの~!」と言われました。
状況としては、自分の後方から来たボールを、そのまま止めずに相手ゴールにシュート。
その時、ゴールはガラ空きでしたから、簡単そうなプレーに思えますね。
でも、こういう、自分の後方から来るボールをシュートするのって、実は、難しいんですよね。横とか斜めとかから来るボールならもう少しやり易いのですが。
後方からのパスをシュートする場合は、(ゴールは見づらいので見ずに)ボールをしっかり見て、「たぶんゴールはあの辺にあるぞ」というイメージでシュートすることが結構あります。そうすると、入ることもあるんですよね。
こういう風に「ゴールはあそこ」とイメージして(わかっておいて)、ゴールを見ないでシュートすることが大切なこともあるんですが、説明を短くするためにそのあたりの話はカットで・・・。
さて、シュートを外してしまったこの子の場合、ボールが後ろから転がってきている間に、実は一瞬、ボールから目を離し、ゴールの位置を目で確認していました。この時の目がですね、いいんですよ、澄んでいて! 
ゴールを見た直後にボールに目を戻しシュートしたので、ずっとボールだけを見ていた場合よりもボールを捉えにくいのです。だから、ミスすることもあるでしょう。私も子供たちとのゲームで、同じような感じで結構失敗します。この時の目がですね、濁っててですね…ま、濁ってるのは目だけではないんですけどね! 
話を戻し・・・でも、このように、ボールが転がっている間にゴールを一瞬見るということは大切なことなので(もちろん、サッカー経験や技術の成長段階によります。段階によってはこれをしない方が身につくものもあるのでみんなに「やれ」と私は言いません)、これをした結果、外してしまったのなら、ナイスチャレンジということですね。
しかも、ボールがほぼ真後ろから来ているので、ゴールを確認するのは、ボールが横から来ている場合に比べ何倍も難しいのです。しかもしかも、ボールは結構速いボールが転がってきていましたから。
この子は、ゴールを確認する時も走りながら見ているので、その時点で、“今、自分に蹴られたボールがこのコースにこのタイミングで転がってくる”ということを早く認識できたのでしょう。だからゴールを見ることができたのでしょう。なかなかたいしたものです。外から見ている私にとっては、ちょっとかっこいいプレーでした。
さてさて、試合中は、このように、ボールが行った先々だけを見ていると、それがどのようなことを含んでいるプレーだったのか正しく認識できないことがたくさんあります。
この場面も、子供たちにとっては、パスが渡ってシュートをする瞬間だけが、この子のプレーとして目に入るため、単なる「失敗」に見えるのです。・・・私の失敗もそうですよ~。単なる失敗に見えるだけですよ~。もちろん、・・・ウソですよ~・・・
一緒にプレーしているのは子供たちなので、そういう見方をしてしまうのは仕方ないのですが・・・。
ちなみにこの日、この子は子供のサッカーでは最も大切な、「自分のチームが攻撃に入った瞬間には全力で攻撃に参加し、自分のチームが守備になった瞬間には全力で守備をする」というプレーをしていて、“ボールを奪われたら奪い返すためにとことん追いかける”というプレーをしていました。
そのため、他の場面でも動き回った直後にボールが自分のところに来て(=決してボールが来るのを“余裕”で待ち受けている状態ではないので)ちょっとボールコントロールやキックを失敗してしまう場面がありましたが、これも、その瞬間のプレーしか目に入ってこない子供たちには、ただの失敗に見えたかもしれません。
・・・が、が、が! こういう、ボールをどこまでも追いかけてしまう動き・・・効率が悪く見えたり、無駄なように見えたりもするこの動きが、実は子供たちには最も大切なことなのです。

どこまでもボールを追いかけて奪い返す達成感や、どこまでも追いかけて来る相手を振り切った時の達成感は、子供たちのプレーや動きを、より速く、より正確にしていきます。
また、その結果、自分の力をより信じられるようになったり、(めちゃくちゃ頑張ってもボールを取れなかった場合などは)相手のことを正しく評価できるようになったりして、その後の努力、成長につながるものです。
ですが・・・実は最近、こういうプレーをする子が少ないように思うこともあります。
つい前まではどこにボールがあっても追いかけ回していた子が、あるポジションでボールを待っているとか、自分がボールを追いかけまわさなくてもきっと誰かが取るだろうから攻撃に備えておくとか・・・、そういう「追いかけ回さないプレー」をするようになることも・・・。得点するには効率がいいのですが、こういうのは“動き回るエネルギーを持て余す”子供たちがするプレーとしては、なんとももったいないと思うのですが・・・。
・・・そういえば、3月頃、チームのコーチをされている方に「どんな練習がいいのでしょう?」とご質問頂きました。その時は、「“3人対3人”から“5人対5人”くらいまでのミニゲームをひたすらやるといいですよ」と答えましたが、理由は同じです。
ポジションのことなどを理解したり、パスの仕方を練習したりするよりも、まずはボールをひたすら追いかけまわす楽しさを、体と心で感じることが大切だからです。
もちろん、ボールを持った時の自分に自信が持てないことが原因で、ゲームをしてもボールをあまり触れないのはもったいないので、そのような場合は技術練習などが必要でしょう。
が、たくさん失敗しながら、そんな失敗を自分で感じる以上にただ楽しさの方が強くてボールを追いかけちゃっていい時だと思うので、「自信がない」と思わないような雰囲気で、自由にプレーさせられたらいいでしょうね。そうすれば心も体も技術も本当によく成長していきます。
優先順位的に、今、必要なことを感じる、学ぶということを考えても、どういう練習をするか悩む場合は、少人数でのゲームはおススメです。
また、他の方からも「サッカー経験がないけれども」という話を聞いたことがありますが、経験がないことでお悩みでしたら、無理はいけませんが、(体が動きそうでしたら)子供たちと一緒にゲームをするのもいいでしょう。
もちろん、その場合は“大人の力”はある程度「封印」して下さい。力強くボールを蹴ったりしないで、子供たちのプレーに少し合わせてあげましょう。
子供とのプレーに慣れている場合は、体を上手に使ってプレーするのも大切ですが、あまり慣れていない場合は、力強く体当たりなどは(やらないでしょうが・・・)しないで、子供のようにプレーしてみて下さい。小さな力でちょこちょこと・・・。子供として身を置くことで、色んなことがわかります。
面白いし、大変だし、子供の気持ちがわかるし、良いことがたくさんありますよ。
ボールがない時の動きなども、自分で実際に経験するとよくわかると思います。
こんなに走ってもボール来ないこともあるんだなぁとか、疲れたら、そりゃ失敗もするよな、とか。
経験がないことを子供たちと一緒にやってみるというのは、大人としては勇気のいることかもしれませんが、(一緒にプレーするかどうかは別として)勇気のある方は子供たちを本当に伸ばしていくことができますから、やれる範囲でサッカーを子供たちと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
苦しみながら、楽しみながら、子供たちの失敗に隠されたものを発見できるかもしれませんよ! 
子供たちにとって最も大切なものが何なのかも、より感じられるかもしれません・・・。
>ここまで書いた翌日、ある子の練習を見に行くと・・・あるお父さん(=コーチをされている方)が子供と一緒に一生懸命ゲームをしていました。この方はサッカー経験がないとのことですが、ボールを追う表情、子供に声をかける顔を見て、きっと子供たちは伸びていくだろうなぁと、嬉しくなりました。
今回のおまけは“夏休み前”とか“学期の終り”とかとはまったく関係ない内容で、しかもまとまっていないまま出しちゃいましたが・・・これが嬉しかったので、出しちゃいました。

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