チームメイト
(2007年12月 通信No.65より)
11月のU-12クラス、月曜日。
その日のゲームは、楽しさと激しさが微妙なバランスで混じっていて、子供のゲームらしい、なかなか見ごたえのある内容でした。・・・その中で、相手のキックを防ぎに行ってボールが体に当たったり、激しい体の接触があったり(かなり高い集中状態でやっているのでケガはありません)、ミスをして落ち込む子もいたり・・・。本来だったら子供のそばに駆け寄ってあげたくなる場面がたくさんあったんです。―が、もうずっと一緒にやっている仲間。まずは素知らぬ顔で見ておきました。―と、見ていると、ちょうどいい優しさを見せてくれたんですよね、たくさんの子が。
ボールが当たって痛がっている子のそばにさり気なく駆け寄って声をかけてあげる子、相手との接触で倒れている子にそっと駆け寄る子、ミスをして動きが止まっている子に後ろから駆け寄り、「上がろうぜ(相手の陣の方に攻めようぜ)」と軽くお尻を叩いて行く子。やるでしょう!
そして、プレー時以外でも、「ほぉ」と思った場面が。
あるチームの休憩中。
ゲーム中にボールが強く当たったのが痛くて、チームメイトから離れて泣いている子がいました。
チームメイトの子たちは、そこから離れた場所で4人で楽しそうに話していたのですが、みんな、その子のことをちょっと気にしていました。放っておいてあげた方がいいのか、声をかけるのがいいのかちょっとわからない、それに、みんなで話しているところから抜けるのもいいのか悪いのか・・・なんて顔を、みんなが交互にしていたんですよね。
その間もなかなかその子は泣きやまなくて、みんなの場所には来なくて。
すると、ある6年生の子が、すっと動いて、その子の横に座ったんです。その子に「心配しているよ」と言うのではなく、周囲の子に「励まそう」と言うのでもなく。すっと座って、そばにいる。
ちょっとニコニコしていて、でも少し困っていて、ただ、そばにいる。それがその子の出した、泣いている子への優しさでした。そうしたら、他の子もその子の横に移動。そして、結局チームごと移動。泣いている子の横には黙ってはいるけどしっかり応援している、支えているチームメイトが。
私はそれをゴールネットの影に隠れてそっと見ていたので細かい会話は聞こえなかったのですが、「お前ら、やるじゃん」と拍手を・・・送るほど素直ではなく、「フン」っと、腕を組み、ゴールに寄りかかって全く別の方を見ていたのでした(なんつーオヤジじゃ・・・)。
泣いていた子は、その後のゲームで、それまでと同じように超ナイスプレーを見せていました。
そう言えば、別の子は、1点先取制の勝ち残りゲーム(1点先に取った方の勝ち。負けたら休憩チームと交代)で、開始早々ボールを止めるのをミスして(私のパスが強すぎたのですが)、そのミスが元になり失点し、チームは休憩になり・・・その休憩中、チームメイトと交わらずに、ネットにもたれかかってそっと一人で次の試合を待っているという場面もありました。
ちゃんと、子供たちにとって必要な悔しさを感じて、必要な責任を感じて、子供たちはプレーしているんですよね。ちなみに、その日の練習後も、私がちょっと真面目な話をしだしたとたんに、場に合わぬ(と大人なら考える)冗談を言う子が・・・(クソー、でもこれが子供の深さなんですよね)。
ま、すごいところも十分見せてくれた日だし、いいでしょう。
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