« 新年度の練習風景から | トップページ | 「子供が声を出さない」というご相談 »

2010年9月23日 (木)

表情・手の先・足の指先・体の動き・・・

(2007年4月 通信No.56より)

・・・などから、子供の様子を判断します。「こいつは今、やろうとしているな」とか、「ちょっと様子がおかしいぞ」とか。一目見ただけでは違う(例えばマイナス的な)捉え方をしてしまうことでも、そういう部分を見ると、全く別の見方・評価(プラス的な)になることもあります。
さて、ちょっと話がかわりますが、「スピードを出したボールを止めようとする」「できるだけすぐに追いついてボールを止めようとする」という気持ちの時に出やすい動きがあります。
実際にボールが速いかどうかではなく、また、実際に追いつくのがすぐかどうかではなく、“本人”がそのボールのことを(速いかどうか)どう捉えているか、“本人”がそのボールにすぐに追いつこうとしているかどうかという、心理的な部分が(大きく影響して)生み出す動きがあります。文字だと説明しにくいのでどんな動きかは説明しませんが、そういう動きがあることをちょっと覚えておいて下さいね。後の文章で出てくるので。

さてさて、第2週目にあった一コマです。
U-12クラスでは、ドリブルのスピードを変える練習をちょっとしました。
「ゆっくりの状態から急に速くする」という内容です。練習ではこれを2回続けさせました。
2回続けると
①ゆっくりドリブルして (1回目の“ゆっくり”の状態)
②急に速くする   (1回目の“速くする”の状態)
③また一度(止めるくらいに)スピードを落とす (1回目と2回目のつなぎ部分)
④ゆっくりドリブルして (2回目の“ゆっくり”の状態)
⑤急に速くする   (2回目の“速くする”の状態)
・・・という感じになります。これは意外に難しいんです。
特に、③の「1回目と2回目のつなぎの部分」が難しいんです。
②の部分で速くしすぎると、③の部分で十分にスピードを落とせず、2回目の「ゆっくりから急に速く」ができないのです。
失敗なんか気にせずに②の部分をすごく速くやる子もいますし、2回目のことを考えて、(失敗しないように)②の部分であまりスピードを上げない子もいます。両方大事なことです。うまくなろうという思いは同じでも、現象が全く逆のことがあります。
また、4年生から6年生までいます。本人は「速く」やっているつもりでも、外から見ると(一般的には)6年生の速さに比べれば4年生はゆっくりに見えます。また、ずっとサッカーをやっていて、スムーズにドリブルをしている子に比べれば、比較的経験が浅く、まだ思うようにドリブルで進むことができない子は、ボールをコントロールすることに気持ちが行く(集中する)ので、スピードが落ち、ゆっくりに見えることもあります。
ここで(見る側が)注意しなければいけないのは、これらの「ゆっくりに見える」ということには、本人の努力や気持ちの部分が関係していないということです。ただ、物理的にそう見えるというだけです。本人が、「ゆっくりの状態から、急に速くするぞ」と思ってやっていれば、「速い部分」がゆっくりに見えていても、全く問題ないのです。そういう気持ちでやっていれば、絶対に上手になりますから。
・・・さて、その練習時。様子を見ていると、速くする部分のドリブルでも、周囲の子に比べると、動きがちょっとゆっくりに見える子がいました。
でも、その子の様子をよく見ると、③の部分(1回目と2回目のつなぎ部分)で、前述の「スピードを出したボールを止めようとする時によく出る動き」「できるだけすぐにボールに追いついて止めようとする時によく出る動き」をしています。
このことからわかるのは、本人としては②の部分(速くする部分)ではスピードを出そうとしているということ、2回目の「ゆっくりから速く」も、ちゃんとやろうとしている(しかも、できるだけ早く2回目の④⑤もやろうとしている)ということです。ですから、③の部分であの止め方になるんです。ちゃ~んと、「やろうとしている」じゃないですか。
他の練習でもそうでした。同じように、ふとした行動、しぐさから、「やろうとしている」ことがよくわかりました。
例えば、その日の最初のボールタッチ(足の色んな部分でボールを触る)の練習でも、「やり方を守ろうとして」取り組んでいるために、歩くくらいの速さの時もありました。しかし、そばで見るとゆっくりでも決して気を抜いているわけではなく、一回一回、例えば「足の外側だけでボールを触れ」という時には、右足・左足を丁寧に、しっかりと動かしていました。
ただ、さすがに子供。いつもいつも「超集中」とはいかないのが自然です。当然、話を聞いていないことが原因で、やり方を間違うこともありました。が、それはそれで注意すべきことで、「このメニューをやろう」という時の彼の頑張りは、見ていても気持ちの良いものでした(もちろん、話を聞いていないことは注意しますが)。
前にもちょっとお話しましたが、「今(技術レベルが)どうか」ということではなく、こういう、一人一人の「その子に合った成長」が大切な時なんです。
まだサッカーを初めて数ヶ月の子。大変だったかもしれませんが、子供らしく取り組む子が上手にならないような練習は一切考えていないので、(しつこいですが)この子は間違いなく上達します。本当によく頑張っていました。

|

« 新年度の練習風景から | トップページ | 「子供が声を出さない」というご相談 »

子供のプレーに詰まったもの」カテゴリの記事