勢いをなくさないでほしい
(2009年10月 通信No.86より)
高学年の子でも・・・
練習して、サッカーが上手になることを自分で感じて、どんどんボールを追うようになる。動きに勢いがあっていい、エネルギーがあっていい。そして、どんどん上手になって、今まで手に届かなかったようなことに手が届くようになったり、目標にしていたものに選ばれるようになったりする。
・・・すると、子供によっては、それまでの勢いがなくなる子がいるのです。
これは、選ばれたことで覚えてしまうことにも関係があるのかもしれないと、私は考えています。
「勢いがなくなる」とはどういうことかというと、一言で言うと、失敗が減るということです。
正確には、「一見、失敗していないように見えるプレーが増えてくる」のです。
「失敗に見えないプレー」は良いプレーのように見えるかもしれませんが、実は、“最もチャレンジしなくてはいけないことにチャレンジしていないから出てくるプレー”なのです。
「まだ早い何か」を覚えることで、そこにたどり着くまでの大きな力だった、“子供だからこそ”の勢いのある動きを忘れてしまい、まだまだ大きくなれるのに、小さく、キレイにまとまってしまいそうになることがあるのです。これが非常に残念です。もちろん、何とかしますが。
私は、ある子が何かに選ばれたという話を子供たちの前ですることがほとんどありませんが、その理由の一つには、こういった現象を見ているということもあります。
そういうことを挙げて子供たちの目標にさせ、成長したいと思わせるのも一つの方法かもしれませんが、それよりも、「まだ早い何か」を知らない時の成長力の方が凄まじいのです。
こういう子を見ると、その「もったいなさ」の伝え方にとても悩みます。
目標への努力、目標を達成することのすごさ、これらを伝えるのは大切なことです。
ですが、目標を達成することで、失うものがある場合、話をするのは非常に難しいのです。
子供によっては、今は否定してはいけないこともある。そして、こちらから話したことを、子供の大きさでどのように理解するのかということを、こちらで正しく推測することも非常に難しいので。
だったら、放っておけばいいのかもしれませんが、「成長力の大きさ」が、今の子供たちの最大の武器であり、魅力。それを体から忘れさせたくはないのです。
ですから、難しいかもしれませんが、グラウンドでは、必要なことだけは伝えて行きたいと思います。
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