怒られたからと言って「悪い子」ではありません
(2008年7月 通信No.73より)
6月のU-12クラス。
ゲームの時にオウンゴールが一回。
守ろうと思ってゴールの方に戻っている子の足にボールが当たり、そのまま自分のゴールに入ってしまいました。高学年になると「オウンゴール」という言葉も知っている子が多いので、「オウンゴールだ」と何人かの子が言いましたが、本人も一瞬、「あぁ!」と悔やんだものの、次の瞬間にはもう動き出していて、数秒後には自分でちゃんと得点を決めてきました。しかも、その得点は、色んな技術と気持ちの組み合わさった、まさに本日のベストゴール!
オウンゴールは、守ろうと思って足を出した子がよくやってしまうこと。つまり戻ろう、守ろうとしている子、頑張っている子のプレーです。こういう子はいいプレーができるんですよね。4~6年生の子がみんな混ざってやるゲームだったのですが、この子はその中で一番下の学年の4年生。
結構、6年生や5年生を相手にプレーするのは大変なんですけどね。しかも、その中で自分のミスを自分でちゃんと返して・・・。しかも本当はミスじゃないのに!
いいじゃん、いいじゃん!
点を取った時は本当に「やったー!」と喜んでいました。私も、驚くと同時に喜んじゃいました。
点を決めても嬉しくない時もあるじゃないですか。そういう時に無理に喜ぶのってどうかと思いますが、こういう自然な喜びってやっぱりいいですよね。
これからも、本当の表情をたくさん見れるスクールにしたいですね。
・・・と、ここまでの文は、ブログに載せた内容なのですが、実はこの子、その前にもブログに登場しています。その内容が次のものです。
(天候不良の関係で)今日はU-12クラスしかできませんでした。
そのU-12クラス、かなりみんな頑張ってましたね。
途中から大ゲームをしましたが、本当にみんな良かったです。ーが、途中から一人だけ様子に変化が。動きが少なくなり、表情もさっきまでとは違います。しばらく様子を見ましたが、元に戻る様子もなく・・・。さっきまで頑張ってたのに、どうしたのだろう?
他の子はそれまで通りいいプレーを続けています。練習終了まで残り10分くらい。さぁ、どうしましょう。
このまま放っておけば、この子を除く8人の子は「ナイスプレー」で笑顔で終了。
スクールとしてもいい雰囲気です。ーが、そんなのイヤですよね。同じグラウンドに立ってて。そんなのを良しとするのはコーチじゃないですよね。
もちろん、悔しさやつまらなかったという気持ちを持ち帰らなければならない時もありますが今日は違います。
だから、どうしてなのか、聞きました。無視をされても、何度も聞きました。
本当はすぐに「おい!」と言いたくなるところでしたが、誰でも素直になれない時もあるし、もし「怒られる」と勘違いしていたら、怒られたくないので声が聞こえないフリをすることもあります。だから、感情的にならず、なんとか話を聞こうとしました。
そして・・・それでもちゃんと話をしてくれないので、強めに話をしました。
素直になれない時があってもいいと思います。理由を言いたくない時や、特別な理由のない時もあるでしょう。でも、そういうことを考えた上でも、自分を心配する人に対して、とるべき態度かどうか。
その時のその子の態度は、親、友達、仲間・・・自分を心配する人に対して、とっていい態度ではなかったと思います。だから、叱りました。本当は、もう一人、大人としてそばにいれば、その人が叱ればいいことなのですが、この時は豊田コーチには他の担当があったので、私が自分で叱ることに・・・。自分の言うことを聞いてくれないから怒るようで、あまり格好よくないですけどね・・・。この時はしょうがなく・・・。
普段の、じゃれあったり、言い合ったりする関係は表面上の関係か? そんなつもりで私は子供たちに接しているのではありません。それも伝えました。・・・こんなことを私がしなければ、見栄え上は90点のいいスクールになったのですが。こんなことをした結果、見栄えはかなり悪くなったことでしょう。でも、私はこれからもこれでいきます。9人来たら9人が伸びる空間を目指します。90点なんかいりません。そして、本当の信頼関係を築けぬまま、コーチと子供としての表面上の付き合いをつづけるよりも、本当の関係を築くことを目指します。だから、見守りはしても、放っておきはしません。何と言われようが、これでいきます。
・・・と、まぁ、こんな感じの日があったりなんかしたのでした。
私はよく子供たちに注意したり、叱ったりということがありますが、注意されている子、叱られている子が、決して「悪い子」などということはないということです。みんな、すごいんです。
たまに、親御さんから「うちの子が話を聞かずすみません」とか「うちの子は生意気ですみません」というようなことを言われることがありますが、決して謝られるようなことではありませんので。
私が怒っていたら、「あぁ、またあのオヤジ、怒ってやがる」程度で見て頂けたらと思います。
« 自然に出た手に拍手 | トップページ | 見ていない時間が多いのです »
「子供とのやりとり」カテゴリの記事
- いきなりの「“おめでとう”と言っておいて」(2015.11.01)
- おふざけっぽく見えますが―いいんです!…たまにダメだけど( ̄∇ ̄メ)(2015.10.10)
- そこまで理解してしまうとは?!(2015.06.15)
- 大丈夫だよ!(2015.06.15)
- もうこのスクール、来たくない!(2014.09.07)