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2010年9月25日 (土)

6年生の強さ

(2008年12月 通信No.77より)

ある日のU-12クラス。
子供の会話で本当に許せない内容のものがありました。
話していた子にはかなり厳しく注意をしましたが、この時のその子への話し方、注意の仕方は、その時の思いつきでそうしたのではありません。これまでにも、適当な大きさ、形で、その子には、色々なことを伝えてきたつもりです。他の子同様、一瞬の行為だけを見て言っているのではありません。
・・・さて、その話の最中、端にいた6年生の子が数人、小さな声で笑い始めました。
ある子が注意されている、真剣な話をしている、その時に笑っています。みんなに関係のある話です。この子にだって話しているのです。とても笑える状況ではありません。
「友達のことを関係ないと思っているお前らにもサッカーを教える気なんかないから帰れ」と、この子たちにも言いました。その後はこの子たちも話を聞き、話し終わった後に私は、この6年生の子の中の一人(話しかけていたと思われる子)を呼びました。この子が呼ばれたのを見た他の子は、「きっと怒られるんだ」と思ったかもしれませんが、違います。笑っていた理由を尋ねるためです。
私は話している間に言葉を言い間違えることもあったので、それがおかしかったのかもしれません。それは仕方ないことだとも思うので、(でも、あそこではこらえてほしかったので)「そういう気持ちもわかるが、あのような場では、笑うのは抑えろ」と言おうと思ったのです。
そして、理由を尋ねると、私の予想は外れ。この子は、「コーチの言ってたこととは関係のないことを○○に話して、笑ってた」と答えました。大切な話をしている時に、それは許せないことではありますが、そのことについてはさっきすでに注意をしているので、「そうか、俺は、俺の言い間違えがおかしかったのかと思った。それで笑っているのだとしたら・・・」と話し出すと、すぐに「そうじゃない」と答え、「でも、あの時に、コーチが言ったように友達のこととか、みんなのことを考えていなかったのは、そうだから、すみませんでした」と改めて謝ってきました。さっきもちゃんと謝っているし、もうわかっているだろうから改めて謝らなくてもいいのに。
話して改めて感じました。強くなりましたね、コイツ。
自分の悪い部分は、(認めなくてはならない場面では)きちんと認めることができます。
そして、私が、「わかった。でも、俺が言い間違える時があるだろう? その時はおかしくても我慢してくれよな」と言うと、“そんなことはわかってる”という感じで、「よく間違えるもんね。間違えすぎだよ」と・・・。何とも生意気な奴ですが・・・・・でも、とても信頼できる子です。
その後、休憩中などに私がこの子とこれまでと同じようにふざけたり話しているのを見た、最初に注意された子が、(この子と同じように)私のところにふざけてきましたが、私はふざけあったりはしませんでした。だって、その子は自分が注意されたことをちゃんと受け取ってはいないと思えたから。
6年生の子もその子も、みんなの前で厳しく注意されたということでは同じですが、含む内容も、どこまでちゃんと受け取ったかということも、全然違います。同じようにふざけあえるわけがありません。「ちゃんと気づけ」という意味でも、私はそのふざけるような言葉に対して、ただ冷静に答えました。
さて、ここではその話がテーマではないので、話を6年生の子に戻しましょう。
この6年生の子は、4年生の頃、かなり厳しく注意をしていた時期がありました。お父さんが見学に来ている時でも、みんなの前で厳しく注意をすることがありました。色々な理由から、そうする必要があったのですが、4年生の子に対する注意では、私の経験上、過去最高の強さだったでしょう…。
幼稚園の頃のこの子も、2年生の頃のこの子も、3年生、4、5、6年生になったこの子も、ずっと見てきました。ずいぶん長く、この子とは付き合っています。お父さんとも、たくさん話をしてきましたが、技術面だけでなく、精神面でも、この子は本当によく成長したと思います。
これからも、きっと、もっと信頼できる子に育っていくのでしょう。
信頼は、私だけでなく、友達からも、たくさん得ていくのでしょう。
そして、もちろん、他の6年生の子にも、良いところ、強いところがたくさんあります。ゲーム中に見せてくれる良いプレーの中には、良い「気持ち」の部分が表れていることが本当にたくさんあります。
4年生の子には、まだあまりピンと来ないかもしれませんが、一緒にゲームをすることも多い5年生の子には、6年生の技術面だけでなく、こういう強さ、卑怯な強さではなくて、知っていかなくてはならない本当の強さも、見てほしいと思います。

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