« 2006年のお礼 | トップページ | 子供の一言から »

2010年9月23日 (木)

雨降って・・・

(2007年1月 通信No.51より)

■U-12クラスの“雨降って”・・・①
もうだいぶ前になりますが、通信No.49のおまけコーナー(「コミュニケーション」という題)で、ある2人の子のことをお話しました。
※ある子が、ゲーム時の味方の子のプレーに関して感じていたことを、練習後に相手に伝えた時の話を紹介しました。
あの後、(色々考えながらやっていたので)この2人が強く接点を持たなければならないようなチーム分けにするのには、実は少し時間を置いていたんです。中途半端な時期・タイミングでは、あの時に得た気持ちが、2人にとってマイナスに作用する可能性があるからです。
そして、2人の様子を見て、もう時期的にもいいだろうということで同じチームにしたのですが・・・、本当~に、お互いが「自然に」よく絡み合う、絡み合う。
「意識して」っていう感じではなく、あまりにも自然に絡み合っているので、本当に驚きました。おそるべき子供の吸収力、回復力ですね。
U-12クラスの12月のテーマは“コンビネーション・プレー”。
自分と仲間との2人で、相手を突破して行くことをテーマに練習していました。
今まで1人で突破していたものを2人で突破する・・・「人数が増えるんだから簡単」と思えるんですが、これが実は全く反対。逆に難しいんです。
パートナーが何を考えているかなんて、なかなかわからない。こっちが考えていることをわかっているのかも、わからない。お互いに伝え合わなくては成立しない。
しかも、ゲーム中に(一回に)ボールを持てるのは数秒。その間に、お互いに意思疎通を図る・・・難しいのは当然ですよね。でも、これができるようになれば、1人の時の何倍もの力になるんです。ただ、中途半端にしか意思疎通ができなければ、逆に1人の時よりも力は下がるんです。
もちろん、ゲームでは「練習したことに挑戦しよう」ということを子供たちに言うので、挑戦しようとします。が、本当に難しいことなので、成功することはもちろん、挑戦することさえ、なかなかタイミングがつかめなかったりして大変なんです。さらに、お互いに数回うまくいかなければ、プレーが消極的になることも考えられます。
・・・そんなことがテーマだった12月。このテーマの時に、何度も何度もコンビプレーを試みることができた、成功させていたのが、先ほど挙げた2人なんです。
コンビネーション・プレーの、真のポイントは、相手の存在が自分の心・頭の中にあるかどうか、自分の存在が相手の心・頭の中にあるかどうか、です。
・・・あの時、伝え合い、心に何か残ったから、次からの練習で以前よりも相手の存在感がそれぞれの中で大きくなって、いつの間にか、自然に心・頭の中に存在するようになったのだと思います。
まさに「雨降って地固まる」ですね。

■U-9クラスの“雨降って”・・・
プレーのタイプも性格も全然違う2人が仲良くなりました。-が、その前にはやっぱりお互いに気持ちの食い違いがあり・・・で、その後、仲良くなったのでした。そして、ちょっと前にはシューズが色違いだったことで盛り上がっていたりしたんですが・・・これだけでは終わらず、この2人が2学期の最後の練習で、またちょっと見せてくれました。
1人がドリブルでガンガン行くと、それを見たもう1人が「1人で行くなよ」と。
「行くなよ」と言った子は、そう言うだけあって、(以前はその子ならドリブルをしていたような場面でも)パスを出していたので、その要求もわかります。―が、言われた子はただ積極的にプレーしていただけなので悪気はなく、言われてちょっとだけいやな気持ちになったようです。
しかしその後、「行くなよ」と言った子も、自分がボールを持った時にパスするタイミングがつかめずにドリブルをすることもあり、もう一人の子の気持ちがわかったようでした。また、その子は、その後、大切な場面でもう1人の子へ何とかパスをつなごうとする場面があり、相手の子も、「ただ文句を言われたのではない」ということがわかったことでしょう。
前にもこの2人が同じような感じになったことがありますが、その後、一度仲良くなり、さらにその後の「今回」なので、以前よりも2人の関係に深さが加わったことだと思います。
雨降って地固まる。降って、固まって、また降って、また固まって・・・。何度も何度も繰り返して、関係がより強くなっていくのでしょうね。成長は終わらず! 

■U-12クラスの“雨降って”・・・②
ある日のゲーム。
もう終了時間を過ぎました。そこで、「ボールが出たら終わり」と子供たちに告げると・・・。
ゴールキックを蹴る子がロングパス。そして得点が決まり、練習終了。
最後のプレーが、ゴールキックからの一発ロングパス。しかも、そのボールを受けた子は、いたずらっ子らしく、わざとすぐにはシュートせず、じらしてシュート。
・・・終わった後、みんなでコートの出口に向かって歩いていると、不満気な子が一人。
この子はゲーム中、かなりワザやコンビプレーにこだわっていました。だから、こんな簡単なプレーで終わり、しかも失点で終わり、納得いかなかったのでしょう。
表情を見ても、「あのプレーで終わったこと」「終わりにしたこと」に腹がたっているようで、不満顔のまま、すぐに帰りました。気持ちはすごくわかりますし、私が同じ立場でも、同じように帰ったことでしょう。でも、こんな日があってもいいと思います。
悔しい気持ちいっぱいで帰る。コーチにだって不満な顔をして帰る。気持ちをぶつけて帰る。いいじゃないですか。一生懸命やっていれば、こういう気持ちになることだってあるでしょう。
私が(大人の意見として)その子に「こんな日があってもいいと思う」と言うと、その子は「ない方がいい」と言っていましたが。当たり前ですよね。今はまだわからなくていいんです。
さて、この子はもうすぐ6年生。U-12クラスの最高学年になります。
このぐらいの気持ちでやるから、ものすごく充実した時間になって、より強く、より上手になっていくのだと思います。
悔しさもひっくるめて、サッカーの本当の楽しさを、自分でどんどん見つけていくことができるのだと思います。最高学年となる、これからの成長が楽しみです。

|

« 2006年のお礼 | トップページ | 子供の一言から »

子供のプレーに詰まったもの」カテゴリの記事