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2010年9月26日 (日)

強いヤツ

(2010年9月 通信No.100より)

夏空中に、すごい子を見ました。
ソラには色んなすごさを持った子がたくさんいますが、この子は、「強い」です。
この子は、ある子に「きもい」と言いました。
「きもい」「気持ち悪い」という言葉が、人に対して言うべき言葉でないということは、大人ならわかります。
子供はどうでしょう? 
頭ではわかっているのか、それとも理解していないのか、その意味を把握していないのか・・・スクールで聞くことはたまにしかありませんが(聞けばもちろん注意します)、この子だけでなく、おそらくほとんどの子が使っている言葉だと思います。
軽い気持ちで、意味もわからず、子供の世界の中で当然のように使っているのだから、べつに注意をしなくてもいいか・・・・とは、思いません。
子供の世界特有の言葉は当然あっていいと思いますし、大人が「いけない」と思う言葉でも、子供の世界では「いい」と思う言葉もあります。
ですが、人に対する「気持ち悪い」という言葉は、大人として注意すべき言葉だと思っています。
この子は、べつにその子を「気持ち悪い」と思って言ったのではないことはわかっています。
この時も、短期集中コースで初めて会ったその子に興味を持ったのでしょう。
ちょっと話がそれますが、興味を持たれた子は、本当に興味を持ちたくなるような子なのです。
この子はチームに所属していませんが、動きが本当に良いのです。
教えられていない分、動きが自然で、子供のサッカーの中から身につけてきた動きをいつも見せます。走るコースもボールを取る動きも、ボールの持ち方も、すごく自然。しばりつけられた動きではなく、自分から発する動き。プレッシャーからする動きではなく、自分の心から発する動き。そして、活躍もする。そんな自然さが、かえって、色んなことを教わり過ぎている子が増えている環境の中では、ちょっと変わって見えるのでしょう。
本当は、こういう子が多くいるのが自然なのですが、どうにも・・・・大人のようなことやまだ早すぎることを教わる傾向が、(地域などにもよるのでしょうが)今の少年サッカー界にはあるようなので、普段、チームなどで色んな制約のある中でプレーしている子や多くの知識を与えられながらプレーしている子にとっては、大げさに言えば、うらやましい魅力、本来自分たちができるはずなのにできていない(ということに子供たちも気付いていないでしょうが)「型破り」的な魅力もあるのでしょう。
ですから、なぜか興味を持ってしまうのだろうと思います。
しかし、興味がある、友達になりたい、そういう気持ちがあったとしても、「きもい」は不適当すぎる言葉です。
言った相手が好きな女の子なら、「あなた最低!」と言われてガーンとなったり、言葉に傷ついて泣きだしてしまったりして、すぐに大いに反省をできるのでしょうが、今回、それはありません。
ですから、言っている言葉が浅いうちにしっかり反省し、改めるよう言ったのですが、それでも繰り返したので、注意です。
この子は興味を持つと、相手に冗談を言います。あだ名をつけたりもします。
ですが、その冗談を相手が喜んでいるかどうか、子供だからわからないこともあります。そのうち、エスカレートしていくこともあります。そういうことはこの子だけでなく、他の子もするでしょう。
ですから、相手に、「これは君に興味を持っているからだよ」と説明するだけで済む場合もあります。
ですが、今回は繰り返したので、いくら相手に興味があると言っても、それだけでは真実身に欠けます。
当然この時も説明はしましたが、それだけでは足りないと思ったので、しっかりと謝らせました。
お前が「きもい」と言ったヤツが今回どんな気持ちで夏空に参加しているか、楽しみにしてきた場でそんなことを何度も言われたらどんな気持ちか、周囲に知っている子が少ない環境でそんなことを言われたらどんな気持ちか。
「きもい」と言われた本人は、もしかしたら、そんなに気にしていなかったかもしれませんが、普通なら、言われて嬉しいはずがありません。
ですから、言った子にそういう説明をしてもわからないなら、そのまま家に帰す気でいました。
この子にはどうしても練習に参加してほしかったし、その日の練習も、ある理由からどうしても頑張ってほしくて、実はこの日、練習前に呼び寄せて声をかけていたのですが・・・それほど参加してほしかったのですが、こういうことをわからないのであれば、練習に参加させるわけにはいきません。こういうことをわかろうとしない、弱い男ならば、帰らせて一日しっかりと考えさせようと思っていました。
幸い、話をしている段階で言葉を理解したようだったので、しっかり謝らせた上で練習に参加させましたが・・・。
また、この子がこういう行動を取ったのは、もちろんそれまでの流れがあったからなので、その流れに関与している子にも注意をしました。
この日の練習後には、そういう軽い気持ちで言った言葉でも相手が傷つくことがあるし、また、そういう軽い気持ちで言った言葉でも、何度も言ったり、複数の人間が一人に対して言ったりしたら、相手がどんな気持ちになるかということを、子供たちに話しました。
それから、この子(私に注意された子)が見せた、強さについても話をー。
この子は、私から話を聞いた後、ちゃんと相手に謝り、相手もわかってくれましたが、それだけで済ませようとはしませんでした。
その後、コートを半分ずつにわけ、二つのグループに分けてゲームをしている時のこと。
私が見ていない方のコートで誰かが、ワーワー言っています。
そう、この子です。
自分が嫌なことを言ってしまった子の名前を大きな声で呼び、ずっと応援やら褒める言葉やらを言い続けています。
反対側のコートにいる私にも聞こえるほどの大きな声で。
あのコートでそれだけの声を出すのはただでさえきつい。それをずっとこの子は続けているんです。
普通、こういうことは、数人の子で声を出している場合や他の子も同じような声を出している場合は、子供たちもある程度続けられます(それでも、ある程度です)。
でも、自分が声を出していても周囲がまったく声を出していない時やその声に反応しない時には、少しずつ声が小さくなったり、声が止まったりするものです。
ですがこの子はずっと、大きな声を出し続けました。
べつにコーチに気に入られたいからではなく、自分で先程のことを悪かったと思って、やっていたのでしょうが、普通はできないですよ。いや、ちょっと強いくらいでも、ちょっと優しいくらいでもできないと思います。
ちょっとしたコーチでもできないだろうな・・・こいつはすごく強いなと、感心しました。
相手を傷つけてしまったなら、「そのまま終わり」なんてことはあってはならないぞ、「ちょっと謝って終わり」なんてこともあってはならないぞ。しっかり相手を復活させて終わりだぞ - そういうことも、この日の終わりに話しました。これから、(こういうことを学ぶ機会の少なくなっていくと思われる時代を)生きて行く子供たちには、知ってほしいことです。
何人の子に伝わったかな。
子供は失敗します。失敗なんてしてもいいのです。
こうして学ぶことができれば。こうして強くなれれば、優しくなれれば。
この子の強さと優しさは・・・・将来選手になれたら大いに役に立つでしょうし、選手にならなくても社会の中で大きな役に立つでしょう。頼もしいヤツです。

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