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2010年9月22日 (水)

こんな場面が良いものか

(2005年7月・通信No.24より)

最近、子供達のチームでの活躍(というかドキドキ・ハラハラプレー!?)の様子をよく伺います。
いつも私がバタバタしているので(スミマセン)話しかけづらい事もあるかもしれませんが、子供達の日頃の様子を伺えることは本当に有難いことです。
子供達のチャレンジしている様子が目に浮かび嬉しく思うと同時に、子を思う皆さんの気持ちがひしひしと伝わってきます。
皆さん「子供に成長して欲しい」が願いですので、「こんな時はどうアドバイスすべきか」「子供がこういうプレーをするがどうだろうか」というご質問をよく受けます。
「そっとして見守るべきか、アドバイスすべきか」というご相談もよく受けますが、親御さんがこう思っている時点で子供達は幸せ者です。親やコーチのプライドでプレーさせていないからこそ、子供に言おうか、言うまいか、些細なことでも悩んだり、少し気になったりするのだと思います。
私にできるのはそれに対するアドバイスくらいですが(よく考えると、「すごいじゃないですか!」と感想を述べるだけの時も多かったような...スミマセン)、“ちょっと相談してみようかな”ということがありましたら、どんなことでもご相談ください。
私の口から出るアドバイスや返答は、私だけの考えで出てきたものではありません。これまでに一緒にプレーした子供達が私に伝えてくれたものでもあります。私だけの考えでは少し“?”かもしれませんが、子供がバックについてますよ~! ご安心を。

―と、ここで少しだけ、同じようなことできっと悩んでいる方も多いと思いますので「こんな場面が良いものか」の例をご紹介します。
子供達はワザを練習しています。テクニックが身につくまでにはなかなか大変です。
さらに、試合やゲームでワザを使うのはかなり大変です。最初の頃は、習ったテクニックを例えミニゲームなどでも使うことはなかなかできません。それは、チャレンジできる状況になかなかならないからです。
自分のところにボールがちゃんと止まっていればチャレンジできるのに、ゲーム中はボールがなかなか止まらないし、相手の選手もどんどん近寄ってくるので、ボールを思うように扱うことが非常に難しく、チャレンジしたくてもできないことがよくあります。また、相手がボールを取りに来るのですから、ボールを守る・蹴ることに必死になるあまり、“練習したことにチャレンジする”など考える余裕も持てず、体が勝手にその時に自分のできることをやってしまうということもあります。
これが、少しボールをコントロールできるようになると、ちょっと様子が変わってきます。
ボールを持ちながら相手を見ることができるようになるので、どうしようか考える余裕が生まれます。その時の選択肢の一つに、「練習したことに挑戦してみよう」というものが入ってきます。すると、これまでは、その選択肢を持てなかったから“すぐにプレー”できていたものが、選択肢が増え、考えることで若干“プレーが遅くなる”ということが起きてきます。そのために以前はボールを取られることがなかったのにかえってボールを取られるようになってしまうということも起きてきますが、「挑戦してみよう」と思えることが重要です。“挑戦しようと考えるクセ”がつけば、しめたものです。中には「その挑戦だめ!」ということもあるかもしれませんが・・・。
始めのうちは、挑戦しようと思っても、挑戦する前にボールを奪われてしまったり、挑戦が失敗に終わることもあるでしょう。
しかし、挑戦できるということは、それまで余裕が生まれなかったボールコントロールが、考える余裕を持てるまで成長したことを表しています。さらに、自分でその状況を意識的に作り出していれば、ボールコントロールがより向上していることを表しています。行きたいところに行けたり、スピードを緩めたりという調整力がついている結果ですから。つまり、一見、「前より下手になっちゃった?」と思えて実は“★1ランクアップ”なのです! (バンザーイ!)ちなみに、一見プレーが遅くなったと思えても、ずっと遅い子はいません。繰り返しているうちに、考える時間や体を動かすのがよりスムーズになり、いずれは考える前に体が「勝手にテクニック」という(ちょっと怪しい)状態にもなるでしょう。
この「挑戦→成功」「挑戦→失敗→成功」を体験できれば、ますます難しいことにも挑戦できるようになります。
もちろん、また新しいことにチャレンジする時には、一時的に遅くなったと思えることも当然出てきますが、その時点で成長していることはきっとおわかり頂けると思います。
ちなみに、以前の通信でお伝えしたナショナルトレセンの子も、自分で、そういった状況に(無理やり)持ち込むことをよくしていました。ミニゲームの時など、ゴール前でボールを受けた時、すぐにシュートを打てば得点できるのに、わざわざ相手に向かって行きワザに挑戦するといったプレーをよくしていました。勿論、最初から成功で終わったわけでなく、何度も失敗しながら、それでも確実に自分の力を感じ、挑戦を繰り返していました。
このように、意識の成長と技術の成長は相乗効果をもたらす関係にあります。

スクールでは、そんな相乗効果を生み出せるよう、練習の計画を立てています。
また、これまでのお話でおわかりのように、まず挑戦する状況を整える力がなければ、挑戦できません。
挑戦する具体的なテーマを子供達に意識させるのは非常に大切なのですが、そこに絞ってばかりでは“挑戦する状態に持ち込む力”を養えず、挑戦できないままで終わるので、その力を養えるように、テーマ以外の部分を実は大切にしています。特に低学年では、目的意識が高学年程は高くないのが当たり前なので、そうしています。高学年では、目的意識もより高く、また状況を整える力がある程度あるので、テーマにより絞った形で練習をします。
さらに、彼らが成長していく最後の頃に、より強い力をどっと発揮できるように土台を築かなくてはなりません。
土台が小さいと積み上げられるものも限界がありますし、無理に積み上げても肝心のところで崩れてしまうかもしれません。土台を築く - この作業は、一見進んでいるのか、非常にわかりづらい部分です。表に見えてこないものですので。ただ、この土台作りも大切なので、しっかりとしていきたいと思っています。
そんな訳で、すぐ、明らかに“超すごい”と思えるプレーは出にくいトレーニング計画を立てていますが、「必要なすごさ」「(実は本当にすごい)“真のすごさ”」はきちんと練習の成果として出るように練習を組んでいます。
最近のお話を伺っていますと、そんなすごさを子供達が発揮しているのがよくわかります。
素晴らしい! (バンザーイ!)
挑戦するとアクションとリアクションの両方の行動が生まれます。これがすごいのですがこの点はまた改めて! 

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