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2010年9月22日 (水)

2人組「ヤダ」からの修復

(2005年10月 通信No.29より②)

練習時、2人組を作って練習することもありますが、この2人組はコーチが決めるケースと子供同士で決めさせるケースがあります。それぞれ目的があり使い分けていますが、9月にちょっと面白いことがありました。
同じ学校や同じチームの子と2人組を作ることがちょっと多くなってきたある日、コーチが、2人組を決める時がありました。「この2人組だとどうなる? どうする?」ということを確認するため、そうしました。
練習を始めるとある2人組が崩れ始めました。ペアで順番に行う、パートナーが重要な練習です。一見楽しそうに笑いながらやっていますが、ちょっとダラダラも入っているようにも見えます。かなり微妙な雰囲気です。
その後、他の2人組との競争形式の練習もしました。そして、練習が一区切りして、再度そのペアで練習をさせようとすると、その(さっき崩れた)ペアのうちの一人が、「この2人組ヤダァ、(パートナーが)ちゃんと練習してくれなーい!」と言いました。それまでの練習を見ていて、その2人組はふざけているようにも見えたのですが(「お前もダラダラしてる時あっただろ」とも思いましたが)その子は練習にもうちょっとだけ入り込みたかったのかもしれません。そうか、一応ちゃんとやっていたんだな。
「つまらない」と言われてしまった子の顔を見ると、そんなことを言われて驚いた顔をしています。その子なりに頑張っていたのですね。お互いもうちょっと分かり合えることができれば「この2人組ヤダ」発言は出ないですんだのでしょう。でも、一人一人は(かもしだす雰囲気はともかく?)頑張る子で作った2人組です。
年代的に、まだ自分のことが先に来るのが自然でもあり、相手の隠れた良さに気づけないこともあります。そんな時は、ちょっとだけコーチが手伝ってもいいですよね。お互いに良さがあるのに、もったいないですから。
そこでちょっと伝えました。
「ヤダ」発言の生まれる元となった練習は、2人組で1人1個ずつボールを持ち、順番にターンの練習をするものです。その2人組は、先ほど書いたように微妙な雰囲気で練習していました。
さて、他のペアとの競争です。この時には、「やだ」発言をした子がドリブルで他のグループの場所に入ってしまうこともありました。そのせいでペアの子(「やだ」と言われた子)はスタートが遅れそうになりましたが、文句など言わず、その子から少しでも早くバトンタッチをできるよう準備し、自分からその子に近づいて行っていました。やっぱり、本人的には同じ気持ちでやっていたのです。
ちょっとふざけてるようにも見え、失敗をしてなかなか帰ってこないパートナーに文句も言わず、しかも、早くスタートできるよう自分は努力している。実は文句を言われたこいつの方が頑張っていたのです。でも相手がそれに気づかなかったのですね。競争前の練習の時は、真剣には見えないけれどふざけているとも言い切れない、何ともいえない雰囲気でしたから、それはそれで仕方のないことです。どっちもどっちです。それなのに、一方が相手を非難するのはちょっとおかしいですし、パートナーの良さを知らないままでは、互いの良さを吸収して成長する機会がなくなります。
さて、文句を言った子に、その子が気づかなかった相手の行動(文句も言わず準備していたこと)を教えてあげました。すると、ちょっと「文句を言ったことを後悔顔」になり、わかってくれたようでした。また、文句を言われた側にも、そうじゃない(ふざけていない)なら「そうじゃない」と伝えるように言いました。
さて、翌週、今度は自分達で2人組を作らせました。
すると、その2人がペアを作ってるじゃないですか。しかも当たり前の顔をして2人で座っています。
ハッハッハ、見て笑っちゃいました。少しはお互いの良さをわかったのでしょうかね。
まぁ、わかりあえる(というほどまだ深くはないかもしれませんが)、一緒に練習したい友達が増えたことは、お互いにとてもいいことです。たぶん、またそのうちケンカや言い合いなどするかもしれませんが、その時には一歩進んだ(関係を一歩進める)ものになるでしょう。だからGOO-------D! です。

筋肉はトレーニングをすると一度壊され、修復される時に以前のレベルよりも高いものに回復します(超回復といいますよね)。しかし、そのためには、修復される時にその源となる栄養素が必要です。
子供達の関係も同じです。あらゆることの成長において、刺激を受け、修復される時には様々な栄養素が必要なのでしょう。それがあるかないかで、(筋肉でいう)超回復ができるかどうかが決まるのだと思います。その栄養素は、大好きなお父さん、お母さんの言葉、友達の言葉や表情、他にも色々あると思うのですが、筋肉の場合同様、ただ与えるだけでなく、タイミングや量・質が大切なのではないかと思います。与える先が心であるだけに、非常に難しいものだと思いますが。
栄養の吸収、適度な刺激、休養(回復)を繰り返して、鍛えられた体が作られていくように(1日で筋肉ムキムキにならないですもんね、そんなことがあったら恐ろしいです)、子供の成長も、(成長が著しい時期であることは間違いないですが)“徐々に”の部分も当然あります。刺激は溢れています。あとは栄養の吸収を少しでもサポートできるよう、周囲の私達が頑張らねば、です。

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